世界国別資料館経済成長国ベトナムにおける仕上材シェアの可能性

わずか30年で飛躍的な経済成長を遂げてきた、ベトナム。現在、ホーチミンでは都市開発が活発に行われています。
そのような国に企業進出をするためには、どのような点がポイントとなるのでしょうか。

ベトナム国内で30年続く「ドイモイ(Doi Moi)政策」

1976年、ベトナムは南北が統一され、国名も「ベトナム民主共和国」から「ベトナム社会主義共和国」へと変わりました。
それ以来、社会主義体制が構築され、経済は政府が主導で動かしていく「官僚主義的分配経済」が進められていきました。例えば、人々の食料は配給制となり、指定された日に指定された場所で待たなければ食料を手に入れることができませんでした。

 

しかし、1978年に開始したベトナム戦争の影響によってベトナムの食糧は不足しており、人々は貧困に苦しめられていました。

新しい政治、経済の体制が構築されたベトナムでしたが、この政策が効果を生み出さないことから、ベトナム南北統一から10年後の1986年に、第6回ベトナム共産党大会において、国の政治、経済を変えていくという宣言が出されました。

 

この時に提唱されたスローガンを、「ドイモイ(Doi Moi)」と呼びます。ドイ(Doi)はベトナム語で変化という意味であり、モイ(Moi)は新しいという意味です。「ドイモイ(Doi Moi)」とは日本語で「刷新」を意味します。ここから「ドイモイ政策」が始まったのです。

 

「ドイモイ政策」の具体的な内容は次の4点です。

  1. 資本主義経済の導入(お金でものが買える経済)
  2. 国際社会への協調
  3. 国民の生活に必要な産業への投資(農業、食料品とか)
  4. 社会主義政策の緩和

http://asenavi.com/archives/9984より抜粋

 

「ドイモイ政策」が導入されたことで、ベトナム国民のお金に対する価値観は一変し、それにともない生活も変化したことはもちろんですが、それまでの社会主義政策が緩和されたことによりASEANに加盟していなかったベトナムは、1995年にASEANへの加盟を果たしました。

 

ASEAN発足が1967年ですから、それから30年近く経ってようやくベトナムも加盟したことになります。

 

現在もなお続いている「ドイモイ政策」。その経済成長率は、1986年には3.36%でしたが、 2017年4月時点では6.50%となっており、2倍近い経済成長を果たしています。

 

ベトナムの経済成長率の推移

出典:世界経済のネタ帳

 

経済開放が現在も継続されていることでベトナム国内の流通も盛んになり、輸入品だけでなく、自国製品も多く市場に出回るようになりました。

 

ベトナム市場における仕上材への期待感

今回は、あるジャンルの仕上材市場について、ベトナム国内にて調査を行った中での情報を記載致します。

 

ベトナム国内では、家を建てたり、リフォームをする際に、仕上材のおすすめメーカーを施工、または設計会社が紹介し、エンドユーザーがメーカーを指定します。また今回のケースですと主要メーカーが2社しかないため、問屋は一応存在するものの、在庫管理などの問屋として機能はしておりませんでした。

 

またこの時、歴史的な背景と品質への信頼度から中国製を選ばない人も少なくありません。
一方、タイやインドネシアでは、タイが40-50%、インドネシアが70%、中華系の製品がシェアを占めています。また、主要メーカーが数社あるため、問屋が仲介しています。
 

マレーシア 問屋2
問屋の様子 その1
マレーシア 問屋1
問屋の様子 その2

例えば、ある仕上材の価格帯をハイエンド・ミドルレンジ・ローエンドと分類した場合、ベトナム国内での日本製品は、ハイエンドに値することが一般的です。
ベトナム国内ではローエンドの製品が流通しておらず、また、長く使うものに関しては質が良いものを選ぶというベトナムの人々の志向から、ハイエンド・ミドルレンジの製品が選ばれやすくなっています。

 

このようなことから、日本製品の品質の良さが評判となり、ブランド化することに成功すれば、ベトナム国内での仕上材シェアを日本製品が多く占めることもできるかもしれません。
※取り扱う仕上材によっても状況が異なる可能性があります。

 

今回の調査で、ホーチミンでは都市開発が活発化していることから、施工会社の仕事量は5年前に比べて、3~4倍になっているというお話も伺いました。日系の施工会社も進出してきているようです。このような日系企業とタッグを組むことも、日本製仕上材のシェアを伸ばす一助となるかもしれません。
そのためには、エンドユーザーが「ぜひ使いたい」と思うような、特徴のある高品質の製品が求められていると、改めて感じました。

(2017年5月作成)

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