世界国別資料館東南アジアにおける家電製品の売上を左右するセールスプロモーターの存在

東南アジアにあるタイ・ベトナム・マレーシア・インドネシアの4ヵ国を訪問し、家電量販店を視察しました。
各国の家電量販店には、それぞれのメーカーから派遣されている販売員「セールスプロモーター」の方々が配置されており、彼らの説明次第で製品の売れ行きが大きく変わる現場を目の当たりにしました。
今回は、そんな「セールスプロモーター」について、いくつかの実例を交えてお伝え致します。

モチベーションに影響を与えるインセンティブ

今回訪問した4ヵ国の中で、タイ、インドネシア、マレーシアのセールスプロモーターは、製品知識が豊富で、自社製品に自信を持ってどんどん勧めてくる雰囲気がありました。

 

タイのプロモーター
タイのプロモーター
タイの家電量販店
タイの家電量販店

 

マレーシアのプロモーター1
マレーシアのプロモーター1
マレーシアのプロモーター2
マレーシアのプロモーター2
マレーシアの家電量販店
マレーシアの家電量販店

それに比べ、ベトナムの同メーカーのセールスプロモーターは製品知識が少々乏しく、自社製品を推してくる雰囲気があまり感じ取れませんでした。

 

ベトナムのセールスプロモーター
ベトナムのプロモーター
ベトナムの家電量販店概観
ベトナムの家電量販店概観

このように同じメーカーであるにも関わらず、国によってモチベーションの差が極端に生じていました。
国民性が影響している可能性も考えましたが、調査を進めた結果、その差は「インセンティブがあるかないか」の違いであることが分かりました。
タイ、インドネシア、マレーシアの3ヵ国では、自社製品を売った分、歩合としてお給料にも反映されます。
しかし、ベトナムではこのようなインセンティブ制度がなく、自社製品が売れても売れなくても、お給料には影響がありません。
それにより「自社製品をより多く売ろう!」という気持ちが他国より低くなってしまっていたのです。

 

セールスプロモーターを商品のファンに変える研修制度

調査をしていたある外資メーカーでは入社時研修に加え、月に1度の研修が行われているそうです。
その他にも、慰労会や成績優秀者を発表する表彰式なども行われており、優秀者には名誉はもちろんのこと豪華な旅行がプレゼントされているとのこと。
月に1度の研修では、自社の新製品の説明が行われ、実際に販売する際のデモンストレーションを各自で行う内容となっています。普段は別々の場所で仕事をしていて顔を合わせることがないセールスプロモーター同士が、研修の機会で顔を合わせ、コミュニケーションを図ることもモチベーション向上の一助となっているようです。
慰労会や表彰式は他のメーカーや企業でも実施されていることが多いですが、月に1度の研修を行っている企業は少ないでしょう。
こうした月に1度の研修で、より売り上げを上げるためにはどうしたらよいかを考える時間が設けられたり、その後にテストも実施されるそうで、それが売上向上に効果をもたらしているのかもしれません。
また、このような定期的な研修を行うことで、セールスプロモーター自身が自社製品のファンとなり、自社製品を購入している場合も多いそうです。
実際に自社製品を使うことで愛着が増し、製品に対する知識も増えるのではないでしょうか。

 

セールスプロモーターは、売り手でありながら、消費者にもなっているのです。

このように、このメーカーはセールスプロモーターの心理状態を掴み、それを研修制度に反映させた結果、売上を向上させることができている一つの事例と言えるでしょう。
では、なぜ国によって研修制度が導入されていない、またはインセンティブ制度がないという実情があるのでしょうか。
それには、現地における代理店の存在が関係しています。
国ごとにメーカーが提携している代理店も異なるために、このような差が生まれてしまうのです。

 

購買行動からセールスプロモーターの重要度を考える

東南アジアの家電における購買行動は、日本や欧米に比べ口コミレビューをあまり重視しないことが多く、また物流面の心配からeコマースを使う人も決して多くはありません。
もちろん購入において価格は重視されますが、セールスプロモーターの説明次第で自分に合う商品が決定づけられ、購入に至る可能性が高い傾向にあります。
このように東南アジアの家電市場では、よい商品を作るだけではなく、どのように販売するかによって大きく売り上げが変化します。
もちろん先述したような研修を実践する場合、成果が上がる代わりにセールスプロモーターへの教育費が負担となってきます。
もし自社で教育を行うとなると人財、財源ともに体力のある会社でないと難しいかもしれません。
そのようなときは、教育までしっかり行ってくれる代理店と組むことでカバーするのがよいでしょう。
東南アジアへの進出を考えている家電・小売メーカーの方にとって、セールスプロモーターの存在をしっかりと押さえて展開することが成功の可能性を高めるキーとなるのではないでしょうか。

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