日用消費財メーカーのブランドポートフォリオ戦略策定支援

日用消費財メーカーのブランドポートフォリオ戦略策定支援

業界 : スキンケア化粧品 ボディケア商品 ヘアケア商品
対象国・地域 : グローバル

クライアントの事業を取り巻く競争環境は激化しており、機能面だけでは競争優位性の構築がますます困難になる状態でした。そのような状況を打破するために、ブランドポートフォリオ戦略を策定しました。ブランドポートフォリオ戦略の策定では、商品・事業・企業ブランドそれぞれのブランドエクイティ(認知度やブランドイメージ)や顧客の購入重視点を計測し、クライアント企業の目標を照らし合わせるのに注意を払っています。さらに戦略実行に向けて、複数社の組織体制構築のKSF(重要成功要因)を分析し、ブランドマネジメント組織体制も実現しました。 

課題

クライアントは化粧品やヘアケア、ボディケア商品、トイレタリー商品など幅広い事業カテゴリーを持つ企業のコーポレートブランド戦略担当です。 

各事業を取り巻く競争環境が激化しており、機能面の追求だけで競争優位性の構築は困難な状況です。そのため顧客との結びつきを強化し、積極的に選ばれるブランドにしていく必要がありました。 

しかし現実は各事業が企業ブランドを活用しながらも、事業間での連携がなく、個別最適のブランディング活動になっていました。したがって世界観やメッセージ性に統一感がなく、各事業のブランディング活動はブランドエクイティを築くための「投資」ではなく、「費用」になっていたのです。 

そこで、最適なブランドポートフォリオ戦略の策定と、戦略実行に最適な組織体制の構築が急務でした。これらで結果を出すための課題は、以下の3つです。 

課題①海外消費者の特性を踏まえた設計 

ブランドエクイティを複数階層(企業・事業・商品)や複数カテゴリー商品で同時に把握する必要があり、商品によっては海外顧客も調査対象となるなど、海外消費者の特性を踏まえた設計が必要でした。 

課題②理論をもとにした組織設計 

現状の組織構造は長年の事業活動の結果、縦横に複雑化して定着したものなので、組織体制の変更には多くの摩擦が生じかねません。それらの摩擦を抑えるためには、きちんとした理論をもとに組織設計を行う必要があります。また、他社の取組事例などから組織設計の参考にしようとしましたが、一般に公開されている情報からでは効果を把握するのは困難でした。 

課題③第三者のファシリテートが必要不可欠 

ブランドポートフォリオ戦略の策定と実施プロセスでは、複数の事業ブランド戦略担当とともに全体最適案を創出する必要があります。しかし、全体最適化のため、個別事業の利潤最大化と必ずしも一致しません。そのため、推進にあたり反発を招く可能性があり、客観的事実をもとに建設的な議論をファシリテートしてくれる第三者が必要でした。 

このような課題を解決できる委託先としてPROVEに依頼されます。またクライアントがPROVEに委託した決め手は以下の2点です。 

  • 化粧品などの日用消費財業界における実績が豊富で、各事業を取り巻く社会環境や顧客・競合動向を的確に理解している 
  • 定量調査の設計と組織体制の構築、事業関係者を巻き込んだワークショップの実施まで一貫した伴走支援ができる 

支援内容

提供した支援内容は以下のとおりです。

  1. 定量調査による企業/事業/商品ブランドエクイティや顧客重視点の把握
  2. 先行企業のブランドマネジメント組織体制のKSF把握
  3. ブランドポートフォリオ戦略策定ワークショップの実施

本案件の支援内容のポイントは、これらの工程で一貫してクライアントの関係者にも携わっていただいたことです。

クライアントへ得られた示唆をフィードバックしても、自分事として捉えられなければ、その後のブランディング活動に生かせません。そのため、調査設計からその後のワークショップまで同社の関係者にも参加いただき、主体的にブランドポートフォリオ戦略のあり方を検討いただけるように提案しました。

PROVEが入ることで、クライアントだけでは難しい第三者視点の、ファクトに基づいたファシリテーションによる支援ができました。

本案件はPROVEの以下の強みを生かした事例といえます。

  • 複数の事業領域において、各事業特有の課題背景や顧客動向に精通している知識力・分析力
  • 複雑な論点を整理し、複数関係者を巻き込みながら推進をサポートするプロジェクト推進力

結果

支援した結果、クライアントの目標であった「ブランドポートフォリオ戦略の策定」と「戦略実行に最適なマネジメント組織体制の策定」を実現しました。

今後は本戦略に基づいた施策をコーポレート及び各事業会社において実施していく予定で、効果測定のためのKGI及びKPIを策定し、次年度以降の定点観測に向けた準備をしています。