ベトナムの市場調査・進出支援

ベトナムは近年、急速な経済成長を遂げており、2025年のGDP成長率目標は6.5~7.0%に設定されています。成長の背景としては、電子機器や衣料品をはじめとした製造業の拡大、海外直接投資の増加、若年層人口の多さによる安定した労働力供給、貿易黒字や輸出入の増加があげられます。ベトナムは仏教の影響による儒教的価値観が根付いており、国民性は勤勉で温厚です。商慣行としては、儒教や集団主義的価値観を基盤にした独自の特徴があり、取引開始には第三者からの紹介や、個人間の信頼関係が重要視される傾向です。近現代の植民地の歴史から、教育や建築、バインミーやカフェなどの食文化にフランス文化が見られます。地域の特性としては、首都ハノイを中心とした政治・行政・製造業の機能が集積する北部と、商業・サービス業が発展するホーチミンを中心とした南部に大きく二分されます。特に近年、ホーチミンは多様な国際ブランドが競合するグローバル市場となっており、伝統的な関係性を重視するハノイの商文化とは対照的となっています。ハノイとホーチミンの両都市は「信頼vs効率」、「伝統vs革新」という軸で対照的ですが、ベトナム全体として親日的な土壌は共通しており、継続した経済成長という観点を含め日系企業の進出検討先として魅力的な国といえます。

主要データ

国名ベトナム社会主義共和国
首都ハノイ
総人口105,758,975人 (2024年推計)
生産年齢人口比率68.5%(2024年推定)
年齢中央値33.1歳 (2024年推定)
出生率
(出生数/1000人あたり)
14.9(2024年推定)
実質GDP1 兆 3,540 億USドル(2023 年推定)
言語・ベトナム語(公式)
・英語(多くの場合第二言語として)
・その他、フランス語、中国語、クメール語。
・山岳地帯の言語 (モンクメール語およびマレーポリネシア語を含む)
通貨ドン(VND)
宗教カトリック6.1%、仏教徒5.8%、プロテスタント1%、その他0.8%、なし86.3%
(2019年推定)
注:「なし」が8割を超えるが、ベトナム人のほとんどは文化的には仏教徒である。
主要産業食品加工、衣料品、靴、機械製造、鉱業、石炭、鉄鋼、セメント、化学肥料、ガラス、タイヤ、石油、携帯電話

ベトナムの財閥・有力企業

現地の優良企業としては、多角的コングロマリットのVingroup (ビングループ)があげられます。同社はベトナムを代表する財閥グループです、不動産、リゾート開発、教育事業など多角的に展開しています。積極的なM&Aを通じて事業を拡大しています。最近では自動車製造にも進出しており、そのブランド「VinFast」で知られています。

食品加工業・小売業ではMasan Groupがあります。食品加工と小売を主力とする企業グループであり、飲料、加工食品、小売業界で強い存在感を示しています。また、Vinamilkも、生乳、粉乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズなどの乳製品を中心とした製造、卸売、小売を展開する企業として存在感が強いです。

衣料品・繊維産業ではSaigon Wool International Trading & Corporationがあげられます。

2000年設立のアパレルOEM企業であり、高品質な編み物製品を製造する大手企業です。ヨーロッパ、アメリカ、日本、オーストラリアなど海外市場にも展開しています。また、VINH TAI MANUFACTURING & TRADING COMPANY LIMITEDも2004年設立のアパレルOEM企業であり、メンズ・レディースのアパレル製品を製造する優良企業です。

機械製造業では、Truong Hai Auto Corporation – THACOがあげられます。自動車製造を中心に、機械製造、不動産、投資にも幅広く事業を展開しています。

鉱業・石炭産業では、VINACOMINがあげられます。ベトナム国内の石炭生産をほぼ独占的に扱う政府出資会社(政府出資65%)であり、発電用および産業用の無煙炭と褐炭を供給、2022年の石炭生産量は3,940万トンにもなります。

石油・ガス産業ではPetroVietnamがあります。石油とガスの探査、生産、精製、流通を手掛ける国営企業であり、ベトナムのエネルギー産業をリードしています。


ベトナムにおける日系企業の事例

ベトナムにおける日系企業の事例を紹介します。
ベトナムにおいて日本企業は、業種を超えた多角的アプローチで市場浸透を加速しています。二輪車産業の覇者ホンダから清掃サービス領域のハッピークリーンジャパンまで、各社が「品質信頼」「文化融合」「需要創造」の三要素を軸に独自の成功方程式を構築しています。特に2010年代以降、小売業のイオンが日本式商業施設で消費体験を革新し、製薬分野で久光製薬が市場教育を通じて貼り薬文化を定着させるなど、業界の枠を超えた戦略的共通項が浮かび上がります。以下では、バイク社会の王者から異業種参入の異色ピザ店まで、5つのケーススタディからベトナムビジネスの核心に迫ります。

ホンダ (Honda)

1996年にベトナム法人を設立し、翌年からバイクの生産を開始。現在では、ベトナム市場で「ホンダ=高品質」のイメージが定着し、圧倒的なシェアを誇ります。

成功要因としては、下記3点があげられます。

・ベトナムがバイク社会であるという市場特性を掴んだこと

・高品質な製品とアフターサービスによる信頼構築

・現地生産によるコスト削減と価格競争力の確保

※画像はイメージです

イオン (AEON)

小売業として進出し、現在ベトナム国内に6店舗のイオンモールを運営しています。日本製品や日本文化への関心を背景に人気を集めています。

成功要因としては、下記3点があげられます。

・日本品質の商品やサービスを提供し、信頼感を醸成

・大型ショッピングモールという新しい買い物体験の提供

・地域密着型戦略と現地人材の積極的活用

※画像はイメージです

久光製薬

1994年から現地工場で「サロンパス」を生産・販売しています。現在では「貼り薬=サロンパス」という認識が広まっています。

成功要因は下記3点があげられます。

・現地代理店との連携による流通網の構築

・現地での教育活動(製品使用方法の普及)

・現地調達率向上による価格競争力

※画像はイメージです

ハッピークリーンジャパン (Happy Clean Japan)

ビルメンテナンス・清掃分野で進出しています。現地人材を要職に配置し、日本水準のサービス提供で評価されています。

成功要因は下記3点があげられます。

・現地化戦略(現地人材の積極採用と育成)

・日本基準の高品質サービスによる差別化

・新規事業(リサイクル・教育分野)への多角展開

※画像はイメージです

Pizza 4P’s

飲食店舗経営の経験がない日本の夫妻が、ベトナムで創業したピザレストランです。成功要因は下記3点が挙げられます。

・中価格帯で高品質のピザ屋という現地になかったカテゴリを創出し成功

・グッズ販売を手がけブランド力を向上

※画像はイメージです

ベトナム市場で持続的に成功する企業は、単なる「製品供給者」を超えて「生活基盤の提供者」へ進化しています。ホンダが交通手段として、イオンが消費空間として、ハッピークリーンが衛生基準として、それぞれ社会構造に深く埋め込まれることで不可替代性を獲得しました。今後の課題は、デジタル決済の普及やZ世代の台頭といった新たな市場変化へ、これらの成功モデルをどう適応させるかにあります。日本式品質を基盤としつつ、ベトナムのダイナミックな変化を吸収するハイブリッド戦略が、次世代の勝敗を分けることになります。

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