ベトナム医療機器向け消耗材市場に関する業界・商流構造調査
業界 : 商社・医療機器
対象国・地域 :ベトナム
クライアントは素材事業において国内トップシェアを持つ企業です。ASEANでの事業拡大を目的とし、ベトナムの医療市場への参入を検討していました。しかしながら、医療業界は特殊であり、現地の顧客候補や商流、競合企業が不明でした。そこで、プルーヴが参画し、病院等の顧客調査や市場規模の算出に加え、現地視察を通じた商流調査および競合企業の実態調査を実施しました。
課題
クライアントは医療機器向け消耗材事業において国内トップシェアを持つ企業であり、ASEANでの事業拡大を検討していました。今後各地での高齢化が進む中で、ASEANにおける医療市場は成長が期待されるためです。しかしながら医療業界は特殊であり、現地の顧客候補や商流、競合企業が不明でした。
ベトナムの医療業界は未進出であり、情報取得が困難であると感じ、外部への委託を検討します。
そこで、現地視察を通じた「生の情報」の取得に強みがあるプルーヴに支援を依頼されます。
支援内容
具体的な支援策は以下の通りです。
1.ベトナム医療業界に関する調査(顧客の基本情報、顧客の分布、セグメント分け、市場調査)
2.ベトナム医療機器向け消耗材関連商材に関する競合企業、商流の特定
3.意思決定者の特定および商材の選定基準の把握
4.現地視察を通じた競合企業の事業実態調査
今回の支援のポイントは、現地における関係各所の実情に即した情報を収集し、新規業界参入に役立てた点です。
医療という特殊な業界である事、継続的な供給が必要な消耗材であることがこの業界参入にあたっての障壁でした。オンラインなど間接的な情報収集では取得が困難な領域であり、今回の現地視察によりニッチな市場における現実に即した現地の状況を把握する事が出来ました。特に国営・公営の病院ではキックバック等の特殊な商習慣が見られ、参入する場合には注意が必要であることが判明しました。
今回の支援では下記のプルーヴの強みが行かせた事例と言えます。
- 新規市場参入支援において豊富な経験があり、顧客の事業推進の将来像を理解しながらプロジェクトを遂行できる
- 事業構想支援や戦略構築の経験を持ちながらも、現地視察など「足で稼ぐ」情報取得も得意としており、現地の「生の声」を拾う事が可能
結果
ベトナム医療市場全体では今後も投資が進む事が判明しました。医療機関の中でも、私立病院において24時間対応などのサービスや質の高い商品を求める傾向があり、入札や担当者との関係性等が重視される公立病院と比較し、後発参入での可能性が期待できるとの結論に至りました。競合環境を含め検討した結果、市場は小さいものの競合企業が存在しないセグメントが特定されました。
事業化に向けた客観的な市場構造データや数値情報もさることながら、現地視察で実施した、現実に即した現地情報を高くご評価いただきました。
特に医療業界など特殊な業界では各国で独特な商習慣が確立されているため、現地事情に即した情報を入手しどこに参入障壁があるのか、避けるべき顧客群は何かを参入前に把握する事が重要であると実感しました。
上記調査結果を踏まえ、参入すべき顧客群をご提案しました。クライアント企業内で上申したのち、現在参入準備中です。