電力・石油・ガス業界
ゲームチェンジが進行するなかで、社会経済システムが先行する欧米での先行事例を通じ、日本企業ならではの特色を生かしたグローバル展開の構想を支援
電力・石油・ガスなどのエネルギー業界は経済成長と相関し、安定的に規模を拡大してきた。しかしながら、近年はカーボンニュートラルの実現へ向けた再生可能エネルギーの拡大や技術者不足に伴う課題に直面している。特に先進国においては、これらの課題に迅速に対応することが求められている。
電力業界においては電力供給が不安定な再エネ電源が増加していく中で需給調整が必要になる。それに伴い慣性力市場等のマーケットメカニズムの構築や、再エネ電源の電力調整を支えるバッテリー、電力調整に向けた変電所や監視・制御システムのデジタル化などインフラを整備していくことが課題となっている。
石油・ガス業界においてはカーボンニュートラルが求められる中で、e-Fuel、e-Methane、SAFなどの代替燃料が開発されている。持続可能なエネルギー供給の実現に向けた代替燃料とその生成プロセスの導入・実証化が業界の課題となっている。
先進国で実証が進むカーボンクレジット等のCO2削減プラットフォームの導入が実現し、CO2削減に寄与しうる再エネ電源や関連技術・インフラ、e-FuelやSAF等の代替燃料の導入が進んでいく事が予想される。電力業界においては既存の電力事業者が再エネ対応に向けて発電プラント、送配電設備の容量を増強・更新していくとともに、電力売買へのマーケットメカニズム導入に伴う競争の活発化は予想される。石油・ガス業界においては既存事業に加えて、e-FuelやSAF等の代替燃料の生産設備や供給網が整備されていくことが予想されるなかで、従来燃料と比較した採算性の向上が求められる。
持続可能な社会実現へ向け、ゲームチェンジの最中にある同業界では未来志向の事業戦略及び研究開発を含む投資が不可欠である。社会経済制度が先行している欧州や北米地域を参考事例としながら、日本企業の特色が活きる事業領域でグローバルな事業競争力を維持拡大できるよう、先進事例の分析を軸に、事業戦略への落としこみを支援する。