
フランスの市場調査・進出支援
フランスはヨーロッパ連合(EU)最大の国土面積を誇り、人口はEU内でドイツに次いで多い国です。フランスのGDPは、EU内ではドイツに次ぐ2位です。グローバルでも7位の地位を占めています。フランスはEU最大の農業国であり、世界最大のワイン・スピリッツ生産国であることから、ブドウ栽培も重要な産業となっています。工業部門は農産食品産業、自動車産業、建設産業、化学工業、鉄道産業、航空宇宙産業、エネルギー産業、医薬品・化粧品産業などで特に発達しており運輸産業は質の高い道路・鉄道の恩恵を受けています。フランスは、高級品部門と観光産業でも知られ、世界最多の観光客数を誇る観光大国です。
フランスでビジネスを行う場合、EUの各規則(Regulation)、指令(Directive)、決定(Decision)、勧告(Recommendation)、意見(Opinion)とフランス国内法の双方を確認する必要があります。
フランスは労働法が複雑で、雇用契約、労働時間、解雇規制に関して厳格に規定されています。
フランスでは、ビジネス関係を築く際に人間関係と信頼が重視されるため、相手に対する敬意と尊重の姿勢を示すことが重要です。ビジネスミーティングでは活発な議論が行われ、意見をはっきりと述べることが求められます。
フランス人の国民性として、品質やデザイン性、イノベーションを重視する傾向がみられ、ファッションや食品業界では、伝統的な技法や地域特性、製品の背景にあるストーリーなどが製品価値を高める重要な要素となります。

主要データ
国名 | フランス共和国 |
首都 | パリ |
総人口 | 68,374,591人(2024年推定) |
生産年齢人口比率 | 60.7%(2024年推定) |
年齢中央値 | 42.6歳(2024年推定) |
出生率 (出生数/1000人あたり) | 10.9(2024年推定) |
実質GDP | 3兆7,860億USドル(2023年推定) |
言語 | フランス語(公用語)100%、地方言語・方言(プロヴァンス語、ブルトン語、アルザス語、コルシカ語、カタルーニャ語、バスク語、フラマン語、オック語、ピカール語) 海外県:フランス語、クレオール語、マホリ語(スワヒリ方言) |
通貨 | ユーロ |
宗教 | ローマカトリック47%、イスラム教4%、プロテスタント2%、仏教2%、正教1%、ユダヤ教1%、その他1%、無宗教33%、未指定9%(2021年推定) |
主要産業 | 機械/化学/自動車/冶金/航空機/エレクトロニクス/繊維/食品加工/観光/農業/原子力 |
フランスの財閥・有力企業
フランスの著名な財閥企業や優良企業としては、多くのラグジュアリーブランドを展開するLVMH、化粧品ブランドのL’Oréal、航空分野ではAirbus、石油メジャーのTotalEnergies、製薬大手のSanofi、乳製品大手のDanone、タイヤ・ゴム製品大手のMichelin、自動車メーカーのRenault、保険大手のAXA、金融大手のBNP Paribas、建設・通信大手のBouygues、鉄道事業大手のAlstomなどが挙げられます。 |
フランスにおける日系企業の事例
フランスにおける日系企業の事例を紹介します。
サントリー
フランスで事業展開している日系企業としてサントリーの事例を紹介します。サントリーグループの飲料・食品事業を行うサントリー食品インターナショナルは、2009年にフランスの清涼飲料メーカー「オランジーナ・シュウェップス・グループ」を子会社化し、欧州事業を開始しました。サントリーはその後も欧州事業を拡大し、フランス、イギリス、スペインに製造拠点を構え、欧州諸国、アフリカ、カリブ海諸国に事業を展開しています。欧州地域での売上収益は、サントリー食品インターナショナル全体の売上収益の21%を占めています。(2023年度)
フランス市場におけるサントリーの成功要因としては、フランス市場で長年愛されてきた「Orangina」や「Oasis」などのローカルブランドを活用していること、家庭用チャネルと業務用チャネルの双方で高いプレゼンスを持っていること、フランス国内に製造拠点(4か所)を持ち現地生産による供給体制を確立するとともに多くの雇用機会を提供していること、環境負荷軽減や健康志向製品開発など社会的責任を果たす活動を行っていることが挙げられます。

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JETRO・IMFなどの公的機関の二次情報を中心に、PROVE独自の調査により作成