インドネシアの市場調査・進出支援

インドネシアは世界第 4 位の人口を擁する国です。人口は 2045 年までに 3 億 2000 万人にまで増加すると予測されています。合計特殊出生率は1970年時点で5.4でしたが、2020年時点で2.2まで徐々に低下しており、2060年頃には人口が減少に転じる見通しです。

経済成長率は近年鈍化しており、2024年の経済成長率は5.03%で、前年の5.05%とほぼ同水準でしたが、過去3年間で最も低い成長率となりました。このためインドネシア中央銀行は2025年に政策金利を0.25%引き下げ、5.75%としました。

インドネシアは、人口の87%がイスラム教です。そのため、イスラム教の教義や習慣が社会に根付いており、ビジネスを行う上で、ラマダン(断食月)など宗教的な慣習や祝日を尊重することが重要です。

イスラム教徒が多いインドネシアでは、ハラール製品の取扱いが重要です。2024年10月より、飲食品に対するハラール認証が義務化されています。日本からの輸出品も新制度に基づくハラール認証が必要となります。

日本とインドネシアは、日本・インドネシア経済連携協定(EPA)を結んでおり、貿易及び投資の自由化および円滑化、人の移動、エネルギー及び鉱物資源、知的財産、ビジネス環境の整備等の幅広い分野での協力等を2国間で取り決めており、2008年7月1日に発効されています。

主要データ

国名インドネシア共和国
首都ジャカルタ
総人口281,562,465人(2024年推定)
生産年齢人口比率68.3%(2024年推定)
平均年齢31.5歳 (2024年推定)
出生率14.8(2024年推定)
実質GDP3 兆 9,060 億USドル (2023 年推定)
言語インドネシア語(正式なマレー語の修正形)、英語、オランダ語、地元の方言(最も広く話されているのはジャワ語)、その他700以上の言語が使用されています。
通貨ルピア
宗教イスラム教徒87.4%、プロテスタント7.5%、ローマカトリック教徒3.1%、ヒンズー教徒1.7%、その他0.8%(仏教徒と儒教を含む)(2022年推定)
主要産業石油・天然ガス、繊維、自動車、電気製品、アパレル、履物、鉱業、セメント、医療機器、手工芸品、化学肥料、合板、ゴム、加工食品、宝石、観光

インドネシアの財閥・有力企業

インドネシアの民間企業はプリブミ資本(先住マレー系住民の民族資本)とノン・プリブミ資本(主に華人資本)に分かれています。主要財閥の大半は華人系で、複数の事業領域を持つコングロマリットです。

これらの財閥企業は、インドネシアのさまざまな産業分野に入り込んでいます。 資源系や農林業をはじめ、自動車、不動産、小売り、物流などその範囲は多岐にわたっています。金融サービスやIT関 連ビジネスにも財閥の息がかかっており、海外進出する際には関連する財閥を把握、分析しておく必要があります。

インドネシアにおける日系企業の事例

インドネシアにおける日系企業の事例を紹介します。
インドネシア市場における日系企業の成功は、現地財閥との戦略的連携なくして語れません。トヨタ自動車が1969年にアストラグループと築いた販売代理店契約、ホンダが1971年に開始した二輪車現地生産は、いずれも「現地パートナーとの共生モデル」という方程式を体現しています。2023年時点でトヨタが33.9万台の四輪車販売を達成し、ホンダ系二輪車が488万台の圧倒的シェアを占める背景には、半世紀を超える相互信頼の積み重ねがあります。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社とアストラグループは、1969年にトヨタが生産した自動車の販売代理店にアストラグループを指定したことから始まります。

現在は、双方50%を出資するPT. Toyota Astra Motor(TAM)がインドネシアで「トヨタ」や「レクサス」のブランドを展開しており、TAMの2023年の「トヨタ」と「レクサス」の自動車の販売数は33万9,292台でした。なお、自動車の製造事業についてはトヨタ自動車株式会社が出資比率を95%としています。

※画像はイメージです

本田技研工業株式会社

本田技研工業株式会社とアストラグループの提携は、1970年に自動二輪車の総代理店の指定が始まりです。そして翌年の1971年には、自動二輪車の組み立て工場の関連会社(PT Federal Motor)を設立しました。50年以上経った現在でも両者の協力関係は続いています。

実際、2023年にはインドネシア向けに16の新モデル、輸出向けに5モデルの自動二輪車を発表しました。また、2023年にアストラグループがインドネシアで販売した自動二輪車の台数は488万台に達しました。このように、本田技研工業株式会社はアストラグループと提携することで、インドネシアへの進出に成功したといえます。

※画像はイメージです

インドネシア出張レポート

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