化粧品事業のベストプラクティスを通じたVC収益改善
業界 : 化粧品メーカー
対象国・地域 :韓国
クライアント企業は韓国現地で化粧品事業を長年行っていましたが、現地流通の複雑化、小売店側の交渉力の向上などにより、ビジネス全体の把握及び管理が困難になっていました。そこで、競合企業のビジネスモデル・プロセスをベストプラクティスとして把握し、あるべきバリューチェーンの仮説形成及び計画策定を支援させて頂きました。
課題
韓国現地でのビジネスにおいて、一部の小売企業との交渉内容がブラックボックスになっていました。
それらの小売企業は価格競争力で顧客の囲い込みをする戦略を取っており、日本国内より安い価格で販売を行うため、ブランド価値の棄損、ひいては売上減少に繋がる恐れがありました。
如何に競合企業が該当する小売企業と交渉を行い、価格コントロール含め適切にビジネスを行っているのか検証する必要がありました。
しかし、自社の営業接点からの情報だけでは十分に判断が出来ず、競合企業の情報も把握する必要があったため外部協力を求める事となりました。
競合調査実績の豊富さ、韓国におけるパートナーネットワークの強固さがある点についても評価をいただき、プルーヴに支援を依頼されます。
支援内容
具体的な支援策は以下の通りです。
- 現地消費者への簡易インタビュー
- 韓国現地消費者への簡易インタビューを通じて、韓国現地商流に関する仮説を形成
- 競合インタビュー
- PROVE国内取材班による、競合企業調査&有識者インタビュー
- 対象小売企業へのインタビュー
- 該当する小売企業へのインタビューを実施し、業務実態の解明を行う
- 上記を踏まえたディスカッション
今回の支援のポイントは競合の対応実態だけでなく、代理購入業者側の視点も含めて多面的に情報整理を行った点です。
一部の小売企業は国有のためコンプライアンスが厳格で、日本人としてアプローチすると警戒して話ができずに連絡が途絶えてしまうケースが多くありました。そこでPROVEのパートナーネットワークの中から、韓国人モデレーターを起用しアプローチを実施しました。対象との関係性を作りながらインタビューを成功させました。
- 韓国現地のパートナーネットワークの柔軟な対応
- 的確に動かせるPROVE側のオペレーション
というPROVEの強みが生かせた事例といえます。
結果
競合企業が韓国においてどのようにバリューチェーンを設計しているのか、またどのように代理購入業者と交渉しているかについての詳細実態が明らかになりました。
その上で、クライアントとディスカッションを実施し、クライアントとしてどのような体制で韓国マーケティングを推進しているかの仮説立てを行うことができました。
クライアントからは、今回の調査結果が韓国事業のVC改善の契機となったとの評価を頂きました。
今後も課題が生まれてくる領域ではあるので、定点観測を行い、必要に応じて対象領域を広げた調査を実施していきます。