中国における自動車用部品(インパネ)メーカーのベンチマーク企業実態把握調査

中国における自動車用部品(インパネ)メーカーのベンチマーク企業実態把握調査

業界 : 自動車・二輪
対象国・地域 : 中国

中国のローカルメーカーが価格競争力を武器に急速にシェアを拡大する中、自社製品のシェアを徐々に脅かす存在となっていました。一方で当該企業の事業戦略については全く情報源を有しておらず、有効な手立てが検討できていない状態でした。
そこで、ベンチマーク対象企業の事業実態や生産戦略を把握すべく、プルーヴへご相談いただきました。
調査結果を基に、中国市場を含むグローバルにおける事業戦略の再構築を実施しました。

課題

依頼元企業は自動車部品において長年高いシェアを誇っていましたが、近年は安価な製品を武器とする中国メーカーが台頭し、自社の脅威となりつつありました。

そこで当該メーカーの事業実態(営業・生産戦略、財務状況、製品コスト構造)を把握することで自社のグローバル戦略を再考しようと考えていましたが、中国メーカーの情報取得が可能なリソースが乏しく、外部のリサーチ会社への調査委託を検討していました。

そこで、豊富な調査経験と海外現地ネットワークを評価いただき、PROVEに支援を依頼されます。

支援内容

PROVEがクライアント企業に対して行った支援内容は主に以下の内容です。

  1. 事業課題のヒアリング
  2. 課題解決へ向けた論点設計(営業戦略、生産戦略、財務分析、コスト構造分析)
  3. 論点に基づいた調査項目の設計(上記論点の細分化)
  4. 企業データベースやデスクリサーチによる財務情報の取得
  5. 調査対象企業について知見を有する海外有識者へのコンタクト
  6. 有識者ヒアリングの実施
  7. 調査結果の取りまとめとディスカッション
  8. 今後のアクション案策定(特にコスト構造分析を元にした営業・生産戦略の見直し)

今回の支援でのポイントは単なる調査に留まらず、調査結果から得られた内容を自社の営業/生産戦略にどのように活用して中国企業へ対抗を行うかの検討まで実施した点です。

今回の支援で重要となったことは、財務分析・コスト構造分析において情報を取得できる粒度が対象企業毎にばらつきがあったため、有識者ヒアリングに加え、企業データベースや机上情報を組み合わせて一部数値を推計するなどの取り組みを行った点です。ベンチマーク企業の詳細な戦略の把握・分析が必要であったため、中国の現地パートナー・通訳を活用しながら情報収集と分析を行いました。

また、ベンチマーク対象企業の武器が価格競争力であったため、その価格競争力の源泉が何に起因するのかの分析を重点的に実施しました。
そのためコスト項目を細分化し、定性・定量的な情報を組み合わせて生産戦略上の競争優位性とその結果としてのコスト競争力を把握しました。

今回の支援は、課題を踏まえた論点/調査項目の設計能力が生かせた事例といえます。

結果

自社では取得しづらい粒度の情報(コスト構造分析とそのコスト競争力の源泉となっている営業・生産戦略)まで踏み込んだヒアリングを実施し、その調査結果を基にした事業戦略の再構築を実施しました。中国企業との価格競争を避けつつ、新たな営業/製造戦略を基にした事業構築を図っています。

クライアントからは、自社では取得しづらい定性・定量情報を有識者へのヒアリングを通じて取得できたこと、及びそこから読み取ることができる対象企業の強み・弱みと将来展望に関する分析に対して高く評価いただきました。

定量的情報(財務状況、製品コスト分析)及び定性的情報(営業・生産戦略)の両面をバランスよく調査・聴取・分析を行い、双方の観点から新たな事業戦略を構築するという教訓が得られました。

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