鉄鋼・非鉄金属メーカー世界ランキング|日本企業の強みと取り組み【2026年最新】

鉄鋼・非鉄金属は、製造業を支える重要な産業です。日本においても同様で、自動車・産業機械・電気・電子機器などの基盤です。かつては世界ランキングの上位を日本企業が占めていましたが、現在は中国企業の台頭により構図は大きく変化しています。

本記事では、鉄鋼・非鉄金属メーカーの世界ランキングをもとに、日本企業の強みと取り組みを紹介します。

※この記事は2026年1月に執筆した記事です

日本の鉄鋼・非鉄金属業界の現状と課題

2018年時点において、日本の鉄鋼業の国内総出荷額は19兆円、非鉄金属業は10兆円でした。両業界を合わせると、製造業全体のGDPの約9.3%でした。従業員数は鉄鋼業が約22万人、非鉄金属業が約14万人と、雇用面でも大きな役割を担っています。一方で、近年は国内の鉄鋼需要が緩やかに減少しており、それに伴い生産能力も縮小傾向にあります。

出典:経済産業省「金属産業の現状と課題

こうした中、日本の鉄鋼・非鉄金属メーカーは輸出拡大で対応してきましたが、中国企業の台頭により競争環境は大きく変化しました。2000年から2020年にかけて世界の粗鋼生産量は約2倍に増加し、市場は供給過多と価格競争の激化に直面しています。

出典:経済産業省「金属産業の現状と課題

鉄鋼・非鉄金属の世界市場規模

株式会社グローバルインフォメーションの「金属製品の世界市場レポート 2026年」によると、世界の金属製品市場は拡大を続けています。世界の市場規模は2025年に2兆7,670億ドルに達し、2026年には2兆8,749億ドル、さらに2030年には3兆4,770億ドルに拡大する見込みです。

この成長の背景には、インフラ開発プロジェクトの増加、金属加工品の需要拡大、再生可能エネルギー設備の増加などが挙げられます。今後も年平均成長率4.9%で成長が続くと予測されています。

鉄鋼・非鉄金属メーカーの世界ランキング

今後も安定成長が見込まれる中、どの企業が世界市場をリードしているのかを把握することは、日本企業の現在地を理解する上で重要です。そこで、鉄鋼メーカーと非鉄金属メーカーのそれぞれの世界ランキングトップ10を紹介します。

鉄鋼メーカーの世界ランキングTOP10

2024年の鉄鋼生産量を基にした鉄鋼メーカーの世界ランキングは以下のとおりです。

順位企業名2024年の鉄鋼生産量国・地域
1位China Baowu Group(宝鋼集団)13,009万トン中国
2位ArcelorMittal(アルセロール・ミッタル)6,500万トンルクセンブルク
3位Ansteel Group(鞍山鋼鉄集団)5,955万トン中国
4位日本製鉄株式会社4,364万トン日本
5位HBIS Group(河北鋼鉄集団)4,228万トン中国
6位Shagang Group(江蘇沙鋼集団)4,022万トン中国
7位Jianlong Group(建龍集団)3,937万トン中国
8位POSCO Holdings(ポスコ・ホールディングス)3,779万トン韓国
9位Shougang Group(首鋼集団)3,157万トン中国
10位Tata Steel Group(タタ・スチール)3,102万トンインド

参考:World Steel Association「Top steel-producing companies 2024/2023

鉄鋼メーカーの世界ランキングトップ10では、中国企業が6社を占める一方、日本企業は1社にとどまっています。こうした構成から、中国企業が世界市場の大半を占めていることが伺えます。

非鉄金属メーカー(アルミニウム)の世界ランキングTOP10

非鉄金属は種類が多く、比較が困難であることからアルミニウムメーカーの生産能力に絞った世界ランキングを紹介します。

順位企業名生産能力国・地域
1位Chinalco(中国アルミニウム)870万トン中国
2位Rusal(ルサール)710万トンロシア
3位Rio Tinto Aluminium(リオティント)690万トンカナダ
4位Hindalco(ヒンダルコ・インダストリーズ)530万トンインド
5位Alcoa(アルコア)480万トンアメリカ
6位Hongqiao Group(中国宏橋集団)450万トン中国
7位EGA(エミレーツ・グローバル・アルミニウム)410万トンアラブ首長国連邦
8位Norsk Hydro(ノルスク・ハイドロ)370万トンノルウェー
9位South32(サウス32)290万トンオーストラリア
10位Huaxiao-Alloy(華暁合金)210万トン中国

参考:Huaxiao-Alloy「Top 10 Aluminium Producers Of The World In 2025

表から分かるように、アルミニウム市場においても中国企業が存在感を示しています。

日本大手メーカーの強みと取り組み

中国企業の台頭が顕著な中でも、世界市場で競争優位性を維持している日本の鉄鋼・非鉄金属メーカーがあります。ここでは、日本を代表する大手メーカーの強みと取り組みについて解説します。

鉄鋼:日本製鉄株式会社 

出典:日本製鉄株式会社「企業情報

日本製鉄株式会社は、高機能鋼材の分野で世界トップクラスの技術力を誇る企業です。特に自動車向けの高張力鋼板は国内外の自動車メーカーから高く評価されており、軽量化や安全性の向上に貢献しています。二酸化炭素の排出削減やリサイクル技術の開発など、持続可能な製造プロセスに取り組んでいるのも同社の特徴です。

アジア・北米・欧州をはじめ、世界各地に生産・販売拠点を展開しており、顧客に対して高品質な鋼材の安定供給体制を確立しています。加えて、2025年6月にはアメリカの大手鉄鋼メーカーであるUSスチールを買収し、完全子会社化しました。このような戦略的買収により、競争力を拡大しています。

非鉄金属:住友電気工業株式会社

出典:住友電気工業株式会社「事業セグメント紹介

住友電気工業株式会社は、日本最大の非鉄金属メーカーです。環境エネルギー・情報通信・自動車・エレクトロニクス・産業素材の5つの事業を展開しています。特に自動車向けのワイヤーハーネスは、世界トップクラスのシェアを誇っています。

また、同社の特徴は海外市場において強固なネットワークを構築している点です。世界40カ国以上に拠点を持ち、415社の関係会社とのネットワークを構築しています。グローバルな供給体制と高い技術力を生かし、多くの分野で競争優位性を確保しています。

非鉄金属:三菱マテリアル株式会社

出典:三菱マテリアル株式会社

三菱マテリアル株式会社は、銅加工を中心に金・銀などの領域で高い技術力を持つ非鉄金属メーカーです。電子材料や再生可能エネルギーなど、幅広い事業を展開している点も特徴です。

同社はリサイクル技術・銅加工技術・低アルファ線はんだ・超硬工具の分野において、国内外で高いシェアを獲得しています。さらに、原料資源の安定調達から製品化まで一貫した製造体制を確立しており、これらの基盤と独自の技術力が組み合わさることで、高付加価値製品の創出を実現しています。

まとめ

鉄鋼・非鉄金属業界は、かつて日本企業が世界の上位を占めていました。しかし、現在は中国企業の台頭によりその地位は相対的に低下しています。そのような中でも高い技術力とグローバルネットワークを生かし、世界市場で存在感を発揮する日本企業は少なくありません。こうした企業に共通するのは、高付加価値製品の提供を通じた海外展開です。「高付加価値化」は海外進出の一つのキーワードと言えるでしょう。

PROVEは海外事業のパートナーとして、戦略の策定から実行まで一貫した支援を提供しています。海外事業の拡大を検討されているご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

関連する事例

海外進出および展開はどのように取り組めば良い?
とお悩みの担当者様へ

海外進出および展開を検討する際に、
①どんな情報からまず集めればよいか分からない。
②どんな観点で進出検討国の現場を見ればよいか分からない。
③海外進出後の決定を分ける、「細かな要素」は何かを知りたい。

このような悩みをお持ちの方々に、プロジェクト時には必ず現地視察を行う、弊社PROVE社員が現地訪問した際に、どんな観点で海外現地を視察しているのかをお伝えさせていただきます。