【2026年】世界の製薬会社ランキング|日本企業の立ち位置と展望を解説

世界の医薬品市場は拡大を続けており、今後も有望な成長産業として注目されています。一方で、AIやビッグデータを活用した技術革新により、競争はこれまで以上に激しさを増しているのが現状です。こうした環境の中、日本企業の活躍が期待されています。本記事では、世界の製薬会社ランキングを起点に、日本企業の立ち位置と今後の展望をわかりやすく解説します。

世界の医薬品市場規模と成長性

Fortune Business Insightsの調査によると、世界の医薬品市場規模は2025年に1兆9,992億ドル、2026年には2兆1,501億ドルに達し、さらに2034年には4兆353億ドルまで拡大する見込みです。今後10年で市場規模が2倍以上に成長すると予測されており、年平均成長率(CAGR)は8.19%と高い水準が見込まれています。

拡大が予想される背景には、複数の構造的要因があります。まず、高齢化の進展や先端医療技術の導入などを背景とした医薬品市場の多様化・高度化です。また、新興国を中心に医薬品の需要が急速に高まっていることも市場拡大を後押ししています。一方で、次のような課題も顕在化しています。

  • 研究開発費の高騰
  • ジェネリック医薬品との競争激化
  • サプライチェーンの不安定化

このように医薬品市場は高い成長性が期待される反面、企業間の競争が激化しています。競争環境の中、グローバル製薬会社は研究開発投資の拡大や戦略的M&Aを通じてパイプラインを強化し、競争優位の確立と市場シェアの拡大を目指しています。

参考:Fortune Business Insights「医薬品市場規模、シェア|予測レポート[2034]

世界の製薬会社ランキング【トップ10】

PharmExecの調査によると、2024年の処方薬売上高をベースにした世界の製薬会社ランキングのトップ10は以下のとおりです。

順位企業名処方薬売上高
(2024年)
地域・国
1位Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)557億ドルアメリカ
2位AbbVie(アッヴィ)545億ドルアメリカ
3位Merck & Co.(メルク・アンド・カンパニー)543億ドルアメリカ
4位Roche(エフ・ホフマン・ラ・ロシュ)525億ドルスイス
5位Pfizer(ファイザー)520億ドルアメリカ
6位AstraZeneca(アストラゼネカ)509億ドルイギリス
7位Novartis(ノバルティス)502億ドルスイス
8位Bristol Myers Squibb(ブリストル マイヤーズ スクイブ)478億ドルアメリカ
9位Sanofi(サノフィ)442億ドルフランス
10位Novo Nordisk(ノボ ノルディスク)421億ドルデンマーク

引用:PharmExec「2025 Pharm Exec Top 50 Companies

トップ10のうち5社がアメリカの企業で、アメリカのメガファーマが世界市場を牽引している構図が伺えます。一方で、欧州からもスイス・イギリス・フランス・デンマークの企業がランクインしており、製薬業界は米欧を中心とした業界と言えます。

日本の製薬業界の世界的な立ち位置

PharmExecのランキングでは、日本企業から以下の4社がトップ30にランクインしています。

  • 14位:武田薬品工業株式会社(298億ドル)
  • 21位:アステラス製薬株式会社(118億ドル)
  • 23位:第一三共株式会社(109億ドル)
  • 26位:大塚ホールディングス株式会社(90億ドル)

いずれも世界的な大手企業ですが、トップ10の企業と比較すると売上規模には大きな差があります。例えば、1位のJohnson & Johnsonの処方薬売上高は557億ドルに対して、武田薬品工業は298億ドルで約1.9倍の差があります。つまり、事業規模では米欧のメガファーマが先行しているのが現状です。

一方で、日本企業はがん領域や先端医薬品分野で高い技術力を持ち、特定分野において世界的な競争力を誇っています。

日本の大手製薬会社の特徴と取り組み

ここでは、日本の製薬会社がどの分野で強みを持ち、どのような戦略でグローバル市場に挑んでいるのかを把握できるよう、ランキング上位3社の特徴と取り組みを解説します。

武田薬品工業株式会社:AIを活用した研究開発能力の強化

出典:武田薬品工業「会社概要

武田薬品工業株式会社は、日本を代表するメガファーマです。消化器系・炎症性疾患・希少疾患・がん・神経精神疾患など、専門性の高い分野に強みがあります。

近年、特に注力しているのがデジタル技術を活用した研究開発体制の強化です。業務改革や医薬品の開発促進に、AIを含むデータ・デジタル&テクノロジー(DD&T)を取り入れています。AIによるデータ解析や開発支援を活用することで、新薬開発までの期間短縮や研究開発能力の強化を実現し、グローバル市場での競争優位性を高める戦略を進めています。

アステラス製薬株式会社:最先端バイオ技術と革新的技術・治療法の融合

出典:アステラス製薬株式会社「アステラスについて

アステラス製薬株式会社は、2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業の合併により誕生したグローバル製薬会社です。泌尿器領域に強みを持ち、過活動膀胱治療薬「ベタニス」で実績があります。近年は泌尿器がんを含めたがん分野の研究開発も強化しています。

同社の特徴的な取り組みは、次世代医薬品の創出に向けた研究開発の高度化です。最先端バイオ技術(バイオロジー)と、革新的な技術や治療法(モダリティ/テクノロジー)を組み合わせることで、これまで有効な治療法が限られていた疾患への新薬開発を進めています。

第一三共株式会社:がん領域に特化したバイオ医薬品

出典:第一三共株式会社

第一三共株式会社は、がん領域に強みを持つ大手製薬会社です。抗体薬物複合体(ADC)技術を核とした次世代医薬品の開発に注力しており、世界市場での存在感を高めています。

抗体薬物複合体とは、体内にもともと備わる免疫機能の「抗体」に薬物を結合させたバイオ医薬品です。同社は、AstraZenecaやMerck & Co.との共同開発や販売提携を通じて、グローバル展開を加速させています。

医薬品業界のメガトレンド

世界の医薬品市場では、技術革新と医療ニーズの高度化を背景に、次の3領域が注目されています。

  • がん治療薬
  • 免疫療法薬
  • バイオ医薬品

これらは市場規模の拡大が見込まれるだけでなく、日本企業が強みとする高い技術力を生かしやすい分野です。実際に、国内の大手製薬会社は研究開発投資や海外企業との提携を加速させています。これらの成長領域でどれだけ存在感を示せるかが、今後の日本企業にとって重要なテーマとなるでしょう。

日本が世界の製薬業界で飛躍するには

世界の製薬会社ランキングでは米欧企業が上位を占める一方、日本企業もがん領域やバイオ医薬品など先端分野で高い技術力を持っています。AIやビッグデータの活用が進み競争が激化する中、日本が世界の製薬業界で飛躍するには、どのような成長戦略を描けるかが鍵です。

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