エレクトロニクス企業の世界ランキング|日本企業の現状と成長戦略【2026年最新】

エレクトロニクス市場は、かつて高品質・高機能を武器に日本企業が世界をリードしていました。しかし現在は、AIや半導体分野を中心にアメリカ企業が主導し、韓国・中国企業の台頭も進むなど、競争環境は大きく変化しています。

日本のエレクトロニクス企業の成長は、日本経済にとっても重要なテーマです。本記事では、世界の企業ランキングをもとに、日本のエレクトロニクス企業の立ち位置や成長戦略の方向性をわかりやすく解説します。

※この記事は2026年1月に執筆した記事です。

エレクトロニクスの世界市場規模と成長性

Fortune Business Insightsの調査によると、世界のコンシューマーエレクトロニクス(民生用電子機器)市場規模は2025年に8,647億ドル、2026年には9,226億ドルに達し、さらに2034年には1兆7,563億ドルまで拡大する見込みです。今後10年で2倍以上に成長すると予想されており、年平均成長率(CAGR)は8.34%と高い水準が見込まれています。

市場拡大の背景には、いくつかの構造的な要因があります。まず、ウェアラブル端末やスマートスピーカー、モニター、スマートホーム機器などの需要が増加している点です。さらに、世界最大の人口を誇るインドでは、中間所得層の拡大と可処分所得の増加を背景に、家電やスマートホーム関連機器の需要が拡大しています。こうした新興国の需要拡大も、エレクトロニクス市場の中長期的な成長を後押ししている要因です。

一方で、競争環境は厳しさを増しており、日本企業にとっては以下のような課題が挙げられます。

  • 海外メーカーの技術力・競争力の向上
  • 人口減少による日本市場の縮小

こうした市場環境の中で、日本企業が成長するには事業戦略の重要性が高まっています。

参考:Fortune Business Insights「コンシューマーエレクトロニクスの市場規模

世界のエレクトロニクス企業ランキング【トップ10】

market capの調査によると、世界のエレクトロニクス企業の時価総額ランキング(2026年2月8日時点)は以下のとおりです。

順位企業名時価総額地域・国
1位NVIDIA(エヌビディア)4兆5,140億ドルアメリカ
2位Apple(アップル)4兆870億ドルアメリカ
3位Samsung(サムスン)7,249億ドル韓国
4位AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)3,398億ドルアメリカ
5位Cisco(シスコシステムズ)3,351億ドルアメリカ
6位Arista Networks(アリスタネットワークス)1,731億ドルアメリカ
7位Amphenol(アンフェノール)1,668億ドルアメリカ
8位ソニーグループ株式会社1,327億ドル日本
9位東京エレクトロン株式会社1,197億ドル日本
10位Xiaomi(シャオミ)1,188億ドル中国

参考:market cap「Largest electronics companies

現在のエレクトロニクス業界では、アメリカの大手企業が圧倒的な存在感を示しています。とりわけ、AI・半導体・ネットワークを主軸とする企業がランキング上位を占め、成長領域がこれらの分野へ移っていることが伺えます。

韓国のSamsungや中国のXiaomiなどアジア企業も上位に名を連ね、日本企業はトップ10に2社が入りました。

日本企業は依然として高い技術力と競争力を有しているものの、企業価値の規模ではアメリカ企業との差が大きく開いています。例えば、NVIDIAやAppleの時価総額は4兆ドルを超え、ソニーグループ株式会社と比較すると30〜40倍という水準に達しています。

なぜ日本企業はアメリカと大きく差が開いたのか

かつてエレクトロニクス業界は、日本企業が世界を席巻していました。1980〜90年代にはテレビ、半導体、携帯電話などの分野で日本企業がランキング上位の多くを占め、世界市場をリードしていました。しかし現在、アメリカ企業が大きく先行し、日本企業との差は広がっています。その背景には、次のような要因が挙げられます。

  • 日米貿易摩擦による事業環境の変化
  • 成長領域への投資の不足
  • デジタル化への対応の遅れ
  • 垂直統合型から水平分業型への転換の遅れ

こうした要因が重なり、AI・半導体・ソフトウェアといった成長領域に大規模な投資を進めたアメリカ企業との差が拡大したのです。

※垂直統合型とは、設計・開発から製造・販売までを1社で一貫して担うビジネスモデルを指します。品質管理や技術力を高めやすい点に強みがある一方、投資負担が大きく、外部環境の変化への対応が遅れやすいのが弱みです。水平分業型は、各工程を得意とする企業が分担するビジネスモデルで、開発スピードの向上やコスト最適化を図りやすいのが強みです。

日本のエレクトロニクス企業の特徴と取り組み

日本のエレクトロニクス企業の現状として、ランキング上位2社の特徴と取り組みを紹介します。

ソニーグループ株式会社

出典:ソニーグループ株式会社「会社概要

ソニーグループ株式会社は、エレクトロニクス・ゲーム・音楽・映画・金融といった多様な事業を展開するグローバル企業です。中でもスマートフォンやデジタルカメラ向けのCMOSイメージセンサーは、世界トップクラスの性能を誇ります。

同社は近年、事業ポートフォリオの最適化を進めています。具体的には2026年1月に、テレビ事業を分離し中国TCLグループとの合弁会社へ承継する方針を発表しました。これにより、ゲーム・音楽・映画など収益性の高いエンターテインメント領域へ経営資源を集中する方針とみられます。こうした動きから、同社はエレクトロニクス領域からコンテンツ領域への転換を進めていると言えるでしょう。

東京エレクトロン株式会社

出典:東京エレクトロン株式会社

東京エレクトロン株式会社は、半導体製造装置分野で世界トップクラスのシェアを誇るグローバル企業です。AIやデータセンター向け半導体の需要拡大を背景に業績は好調で、2026年3月期の純利益が過去最高を更新する見通しです。

同社は研究開発投資に積極的なことで知られ、2024年3月期の特許保有件数は23,249件にのぼります。こうした継続的な研究開発により独自の技術力を磨き、最先端の半導体製造に対応した装置を提供している点が強みです。高度な技術力とイノベーションの蓄積が、グローバル市場で競争力を維持している大きな要因と言えるでしょう。

日本企業が取るべき成長戦略

世界のエレクトロニクス市場が拡大する中、日本企業は国内市場の縮小や海外企業の台頭を踏まえた成長戦略が必要です。具体的に日本のエレクトロニクス企業が競争力を高めていくためには、次の3つの戦略が鍵となります。

  • グローバル展開の加速

新たな成長機会を獲得するためには、海外市場への本格的な展開が不可欠です。特に人口増加と所得向上が続くインドやASEANなどの新興国は、需要の拡大が見込まれています。また、海外市場で成功するにはスピードが重要で、従来以上に戦略的な市場の選定と実行力が求められます。

  • BtoCからBtoBへの転換

これまで日本のエレクトロニクス企業は、テレビや家電といったBtoC領域で世界的な競争力を発揮してきました。しかし現在は、半導体や製造装置、電子部品など、高度な技術力を生かせるBtoB領域が成長の中心となっています。これらの分野は参入障壁が高く、日本企業が強みを発揮しやすい領域でもあります。安定した需要と高付加価値を見込めるBtoBへの転換は、収益基盤の強化と企業価値の向上につながる戦略と言えるでしょう。

  • モノ売りからソリューション提供へ

製品の販売に加えて、データやサービスを組み合わせたソリューション提供も有効な戦略です。AI・IoT・ロボティクスなどの技術を組み合わせることで、スマートシティ・スマートホーム・産業DXといった価値創出が競争力の強化につながるためです。また、ソリューション提供のビジネスモデルへの移行は、継続的な収益と事業規模の拡大が期待できます。

このように、市場環境の変化に対応した成長戦略と迅速な実行が今後の競争力を左右する重要なポイントです。

エレクトロニクス企業の成長戦略を実現するには

現在のエレクトロニクス市場はアメリカ企業が主導しており、日本企業との差は大きく開いています。しかし、イメージセンサーや半導体製造装置など、日本企業が強みを持つ領域も依然として存在します。今後は、グローバル展開の加速、BtoB領域へのシフト、ソリューション型ビジネスへの転換が成長の鍵となるでしょう。

PROVEは、これまでに多くの企業の海外進出や事業展開を支援してきた実績があります。蓄積してきた知見とグローバルネットワークを生かし、成長が見込める市場の特定や参入の支援ができます。AI・IoTなど新領域への参入を含め、海外事業の立ち上げや拡大をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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