中国石油化工集団(シノペック)とはどんな会社?会社概要と主要事業

中国石油化工集団(シノペック)は、北京に本社を置き、国内外で幅広く事業を展開する中国の国有石油企業です。中国石油天然気集団や中国海洋石油集団と並ぶ、中国三大国有石油会社の一つです。本記事では、中国石油化工集団の会社概要や経営状況、国際事業をわかりやすく解説します。 

中国石油化工集団とはどんな会社? 

出典:中国石油化工集団 

中国石油化工集団は、原油・天然ガスの採掘から、石油の精製、石油製品の製造・販売まで、幅広い事業を手がける企業です。フォーチュン誌の「フォーチュン・グローバル500(2025年版)」で第6位に選ばれるなど、世界有数の石油企業として知られています。ここでは、同社の会社概要や歴史、企業理念を紹介します。 

会社概要 

中国石油化工集団の会社概要は以下のとおりです。 

​​会​社名 中国石油化工集団公司
(China Petrochemical Corporation) 
本社 中国(北京) 
設立 1998年 
売上高 3兆1,388億人民元(2024年度) 

同社は海外展開にも積極的で、現在は以下の地域で事業を展開しています。
特に中東・中南米・アフリカを重要な市場と位置付けています。 

出典:中国石油化工集団「International Operations」 

歴史 

中国石油化工集団は、1998年7月、中国政府による石油・石油化学産業の戦略的再編の一環として設立されました。2009年にスイスの石油会社を買収し、2011年にはカナダで油田・ガス田を保有していたディライト・エナジー社を取得。国内の急速な経済成長に伴うエネルギー需要の高まりを背景に、海外資源の確保を目的とした買収を進めてきました。 

現在では中国最大の石油・石油化学製品サプライヤーであると同時に、世界最大の石油精製会社、そして世界第2位の化学メーカーとしての地位を確立しています。さらに、ガソリンスタンドの保有数も世界第2位を誇るなど、国際的にも存在感を強めています。 

企業理念 

中国石油化工集団は企業理念として、「石油化学産業の振興」を掲げ、その実現のために以下のミッション・ビジョン・コアバリューを重視しています。 

ミッション(使命):より良い生活に貢献する 

ビジョン(目的):世界をリードするクリーンエネルギー・化学企業となる 

ビジョン達成に向けた4つの柱 

 1. 持続可能な企業となる 
 2. すべての人々に利益をもたらす 
 3. クリーンエネルギーの推進に取り組む 
 4. 世界をリードする企業となる 

コアバリュー(価値観) 

  • 人材:従業員を成長の原動力と捉え、良好な職場環境を提供する 
  • 責任:企業の社会的責任を果たし、一流の製品とサービスを提供する 
  • 誠実さ:「石油の一滴一滴を大切にする」の考えのもと、すべての従業員に誠実な行動を促す 
  • 卓越性:すべての活動において卓越性を追求する 
  • 革新性:革新的なアイデアを取り入れ、業界のイノベーションをリードする 
  • 協働性:すべてのステークホルダーと協力関係を構築する 

中国石油化工集団の経営状況 

中国石油化工集団の経営状況として、直近6年間の売上高と営業利益の推移を紹介します。 

参考:中国石油化工集団「Sinopec Reports」 

2024年度の売上高は3兆1,388億人民元(65兆9,148億円)で、2023年度の3兆2,454億人民元(68兆1,534億円)と比較すると、1,066億人民元(2兆2,386億円)減少しました。また、2024年度の営業利益は1,032億人民元(2兆1,672億円)で、2023年度の1,189億人民元(2兆4,969億円)と比較して、157億人民元(3,297億円)減少しました。※1人民元=21円換算 

売上高・営業利益が減少した要因は、主要事業の不振が挙げられます。また、同社の地域別売上高の構成割合は以下のとおりです。 

参考:中国石油化工集団「Sinopec Reports」 

グラフから、同社の主要な事業地域は中国国内であることがわかります。 

中国石油化工集団の主要事業 

中国石油化工集団の事業別売上高の構成割合は以下のとおりです。 

参考:中国石油化工集団「Sinopec Reports」 

マーケティング・流通、石油精製、コーポレート及びその他の3事業で全体の85%を占めています。そのため、これらが同社の主要事業と言えるでしょう。ここからは、主要事業の内容と売上高・営業利益の推移について紹介します。 

マーケティング・流通 

マーケティング・流通事業は、石油精製事業や第三者から購入した精製石油製品を中国国内で販売する事業です。売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。 

参考:中国石油化工集団「Sinopec Reports」 

2024年度の売上高は1兆7,144億人民元(36兆24億円)で、2023年度の1兆8,184億人民元(38兆1,864億円)と比較して、1,040億人民元(2兆1,840億円)減少しました。また、2024年度の営業利益は186億人民元(3,906億円)で、2023年度の259億人民元(5,439億円)と比較して、73億人民元(1,533億円)減少しました。売上高と営業利益が減少した要因は、販売量の減少と製品価格の下落が挙げられます。 

石油精製 

石油精製事業は、原油からガソリンやディーゼル、灯油などを精製し販売する事業です。売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。 

参考:中国石油化工集団「Sinopec Reports」 

2024年度の売上高は1兆4,815億人民元(31兆1,115億円)で、2023年度の1兆5,298億人民元(32兆1,258億円)と比較して483億人民元(1兆143億円)減少しました。また、2024年度の営業利益は67億人民元(1,407億円)で、2023年度の206億人民元(4,326億円)と比較して、139億人民元(2,919億円)減少しました。売上高と営業利益が減少した要因は、ディーゼル燃料の販売量の減少や製品価格の下落などが挙げられます。 

コーポレート及びその他 

コーポレート及びその他事業の内容は、子会社の輸出入業務や研究開発、本社の管理活動などが含まれます。売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。 

参考:中国石油化工集団「Sinopec Reports」 

2024年度の売上高は1兆4,572億人民元(30兆6,012億円)で、2023年度の1兆5,383億人民元(32兆3,043億円)と比較して、811億人民元(1兆7,031億円)減少しました。また、2024年度の営業利益は4億人民元(84億円)の赤字で、2023年度の6億人民元(126億円)の黒字と比較して、10億人民元(210億円)減少しました。売上高と営業利益が減少した要因は、原油取引量の減少と価格の下落が挙げられます。 

中国石油化工集団の国際戦略と国際事業 

中国は国際戦略の一環として「一帯一路構想」を推進しています。一帯一路構想は中国とヨーロッパを陸路や海路でつなぐ物流網を構築する取り組みです。同社はこの構想を支持しており、その一環として国際事業にも力を入れています。 

具体的には、これまでにエジプトやカメルーン、アンゴラ、オーストラリアなどで原油やガスの発見をしてきました。また、2023年には497本の油井を稼働させています。そのような活動によって、同社の2023年の原油・ガス国際取引量は3億4,300万トンに達しています。 

まとめ 

中国石油化工集団は、世界有数の石油企業です。国内を中心に事業を展開する一方、中国政府の国家戦略「一帯一路構想」を支持しています。そして、中東・中南米・アフリカなどの地域に進出し、これらの地域で存在感を強めています。

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