
タタ・グループは、テクノロジーや鉄鋼、自動車などの10事業を展開するコングロマリットです。
日本企業と日本法人を設立するなど、日本との関係も深く、その関係性は100年以上続いています。
本記事では、タタ・グループの会社概要や事業内容をわかりやすく解説します。
タタ・グループとはどんな会社

出典:タタ・グループ
タタ・グループは、世界100カ国以上で事業を展開するコングロマリットです。その規模の大きさから、インド三大財閥の一つに数えられています。ここでは、タタ・グループの会社概要や歴史、企業理念を紹介します。
また、インド三大財閥について詳しく知りたい方は、「インド三大財閥とは?」の記事もご参照ください。
会社概要
タタ・グループの会社概要は以下のとおりです。
| 会社名 | Tata Group |
| 本拠地 | インド |
| 設立 | 1868年 |
| 進出地域 | 100カ国 |
| 主要企業 | 31社(上場企業26社) |
| 従業員数 | 100万人以上 |
| 売上高 | 1,650億ドル(2023年度) |
| 時価総額 | 3,280億ドル(2025年3月31日時点) |
歴史
タタ・グループの創業者はジャムシュトジー・タタ氏です。
創業者の一族は代々僧侶の家系でしたが、父ヌセルワンジー・タタ氏が商業に挑戦。その父のもとで経験を積んだ創業者が、1868年に設立した貿易会社がタタ・グループの始まりです。
1869年に繊維業に参入し、産業基盤の強化を図りました。その後、鉄鋼や電力、ホテル業といったように幅広い事業に拡大。1907年に設立したタタ・スチールは、インド最大の製鉄企業として、同グループの地位を強固なものにしました。
また、1910年に電力企業のタタ・パワーを設立し、インドの経済を支えています。他にも次々に新たな分野に参入し、現在では10事業で世界100カ国に展開するインド財閥の一つに成長しました。
企業理念
タタ・グループは企業理念として、「Impact through Empowerment(個人や集団が身に付けた、発展や改革に必要な力を通じた社会貢献)」を掲げています。
引用:マンスリーみつびし「インドで創業したタタ・グループ、三菱との意外な共通点と深い関わり」
タタ・グループは企業理念の実現のために、次の5つの価値観を重視しています。
- 誠実さ:公正・誠実・透明性・倫理性を持って行動する
- 責任感:人々から得たものを何倍にもして還元する
- 情熱:最高水準の品質を達成することに情熱を注ぐ
- 先進性:革新的なソリューションを開発する
- 団結:従業員とパートナーへの投資を強化し、信頼と相互尊重に基づく関係を築く
タタ・グループの事業内容
タタ・グループは、主要企業31社で10事業を展開しています。ここでは、事業内容を簡単に紹介します。
| テクノロジー | コンサルティングやITインフラ、ソフトウェア開発などを提供 |
| 鉄鋼 | 年間粗鋼生産能力3,500万トンを誇る世界有数の鉄鋼事業 |
| 自動車 | インド、イギリス、韓国、南アフリカ、インドネシアで自動車を販売 |
| 消費財・小売り | 耐久消費財や紅茶、飲料水など幅広い製品を販売 |
| インフラ | 電力や不動産など、インフラ分野の事業を展開 |
| 金融サービス | 個人向けや中小企業向けの金融サービス、生命保険、損害保険を提供 |
| 航空宇宙・防衛 | 戦闘機、ヘリコプター、輸送機などの開発プロジェクトに参画 |
| 観光・旅行 | 航空会社やホテルを運営 |
| 通信・メディア | インターネット回線の管理やコンテンツ配信プラットフォームを運営 |
| 商社・投資 | 金属、鉱物、農産物、自動車、皮革の貿易や流通を担う事業 |
このように、多様な事業を展開しているのがタタ・グループの特徴です。
タタ・グループの主要企業

出典:タタ・グループ「Technology」
タタ・グループの詳しい事業内容を把握するために、ここでは主要企業31社の内、中核を担う4社について紹介します。
タタ・コンサルタンシー・サービシズ
タタ・コンサルタンシー・サービシズは、世界55カ国に拠点を持ち、60万人以上のコンサルタントを擁するグローバル企業です。テクノロジー事業の中核企業として、コンサルティング、ITサービス、ビジネスソリューションを幅広く提供しています。
タタ・モーターズ
タタ・モーターズは年間100万台以上を販売している、インド最大の自動車メーカーです。世界125カ国で事業を展開し、自動車組み立て工場を7カ所に保有しています。さらに、イギリスの高級車ブランド「ジャガーランドローバー」を傘下に収め、このブランドを通じてグローバル市場での存在感を強めています。
タタ・スチール
タタ・スチールは、インド、オランダ、イギリス、タイの拠点で年間3,500万トンの粗鋼生産能力を誇る鉄鋼メーカーです。鉄鋼に加え、電線、ベアリング、農業機器など多様な製品を製造しています。なお、従業員数は7万人以上にのぼります。
タタ・パワー
タタ・パワーはインド最大の電力会社で、太陽光発電やEV充電ステーションの整備など、再生可能エネルギーの普及に積極的に取り組んでいます。現在、総発電容量の約40%をクリーンエネルギーが占めており、2045年までにカーボンニュートラルを実現することを公約しています。
タタ・グループと日本企業との提携事例
タタ・グループは日本との関係も深いコングロマリットです。ここでは、その事例として三菱グループと東京エレクトロン株式会社の提携について紹介します。
三菱グループ
タタ・グループと三菱グループは、創業者が掲げた「国を愛し、人道を重んじる」という理念を共有し、100年以上にわたって深い関係を築いてきました。1910年には鉄鋼分野で交流。近年では、タタ・コンサルタンシー・サービシズと三菱商事株式会社が提携し、2014年に日本タタ・コンサルタンシー・サービシズを設立。同社は三菱商事グループ企業として日本で活動しています。
参考:マンスリーみつびし「インドで創業したタタ・グループ、三菱との意外な共通点と深い関わり」
東京エレクトロン株式会社
2024年9月に東京エレクトロン株式会社は、タタ・グループ傘下のタタ・エレクトロニクスと戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。タタ・エレクトロニクスはインド国内初の半導体製造工場を建設しています。これはインドが補助金支援により、半導体産業の育成を図っているためです。
このような背景の中、東京エレクトロン株式会社は、タタ・エレクトロンの半導体事業の人材育成を支援することで合意しました。この合意により、両社の強みを生かし、インドにおける強固な半導体製造エコシステムの確立を目指します。
参考:東京エレクトロン株式会社「東京エレクトロンとタタ・エレクトロニクスによるインドでの半導体エコシステム形成に向けた戦略的パートナーシップの締結」
インド経済に強い影響力を持つタタ・グループ
タタ・グループは、テクノロジーや鉄鋼、自動車など10事業を展開しており、インド経済に大きな影響力を持つコングロマリットです。世界100カ国で事業を展開し、主要企業31社、従業員100万人以上を抱えています。
そのため、インドに進出を検討している企業様は、今後のタタ・グループの動向にも注目しましょう。
▶インド市場について詳しく知りたい方は、「インドの市場調査・進出支援」をご参照ください。