海外事業担当者必見|世界の年末年始の過ごし方と海外市場の商戦ガイド

日本では、年末年始は重要な商戦時期の一つです。そのため、海外でも同様にチャンスがあると考えるビジネスパーソンもいらっしゃるでしょう。しかし、必ずしも年末年始を重視している国や地域ばかりではありません。商機を掴むには、各国の年末年始の過ごし方だけでなく、その背景にある文化や価値観を理解することが重要です。本記事では、世界各国の年末年始の過ごし方と商戦をわかりやすく解説します。

世界の年末年始の過ごし方を押さえる重要性

日本の年末年始は街全体がお正月ムードに包まれ、多くの人が心待ちにする特別な季節です。例えば、年の瀬には家族で「紅白歌合戦」を楽しみ、年越しそばを食べ、元日にはご来光を拝むといった過ごし方が定番です。また、初詣や初売りなどを楽しみにしている方も多いでしょう。子どもにとっても、お年玉がもらえる楽しみな時期です。このように日本では、暦上の新年である1月1日を盛大に祝う文化が根付いています。

一方、世界に目を向けると、こうした年末年始の過ごし方は一般的ではありません。1月1日を祝う感覚が乏しく、元日以外は通常どおり仕事をする国も多く存在します。このような国や地域では、日本でいう年末商戦や新春セールが行われず、別の時期に大型商戦が実施されることもあります。そのため、海外で商機を掴むには、各国の年末年始の過ごし方やいつ商戦が行われるのかを確認しておくことが重要です。

欧米はクリスマス商戦がメイン

欧米のカウントダウンイベントは日本でも報道されることが多いため、「欧米は日本と同じように年末年始を盛大に祝う地域」と思っている方も多いかもしれません。

しかし、欧米の多くの国ではキリスト教徒が多数を占めており、年末年始よりもクリスマスを重視しています。そのため、連休はクリスマス前後から年末にかけて取得するのが一般的です。

元日そのものは日本ほど重視されておらず、商戦時期は年末年始ではなくクリスマス前後となります。ここでは、欧米各国におけるクリスマスの過ごし方と商戦の特徴について解説します。

アメリカ

アメリカは、クリスマスを盛大に祝う国の一つです。新年をカウントダウンパーティなどで盛り上がる文化はありますが、公的な祝日は1月1日のみで、日本のように年末年始全体が大型連休となるわけではありません。

アメリカのホリデー商戦は、11月末のブラックフライデーからスタートし、12月末のクリスマスまで続きます。約1カ月にわたるホリデー商戦が終わったばかりの年末年始は、むしろ落ち着く時期と言えます。

イギリス

イギリスもアメリカ同様、クリスマスを重視する国の一つです。クリスマスは一般的に、前日に教会のミサに出かけ、当日は家族でクリスマスディナーを楽しみます。一方、年末年始はそれほど特別視されておらず、祝日は1月1日のみです。1月2日からは多くの人が通常の生活に戻ります。

この時期の最大の商戦は、12月26日の「ボクシング・デー(Boxing Day)」です。ボクシング・デーの由来には諸説ありますが、教会がクリスマスの時期に貧しい人々のために寄付を集めた箱(box)が由来とされています。このような伝統を持つボクシング・デーは、最大級のセールが行われる日として知られており、多くの小売店が大幅な値引きを実施します。

フランス

フランスも、アメリカやイギリスと同様にクリスマスを重視する国の一つです。クリスマスは、数日から1週間程度の休暇を取得し、家族と過ごすのが一般的です。年末年始そのものは特別視されておらず、年越しイベントを楽しむ文化はあるものの、日本のような長期休暇にはなりません。そのため、年末年始の過ごし方は基本的に普段どおりです。

この時期の商戦には、国が日程を定めたセール(ソルド)があります。ソルドは年に2回行われ、期間は次のとおりです。

・冬のソルド:1月第2週の水曜日から約1カ月間

・夏のソルド:6月最終週の水曜日から約1カ月間

なお、ソルドは値引き表示の方法や宣伝の仕方などが法律で厳しく定められているため、参入する際は注意が必要です。

旧正月を重視する東南アジア市場

東南アジアには、「旧正月(旧暦の新年)」を重要な節目として祝う国や地域が数多く存在します。これらの国々では、1月1日の新年はあくまで暦上の区切りの一つに過ぎず、本格的な新年行事や祝祭は旧正月に行われるのが一般的です。

また、信仰する宗教や民族の違いから、1年の中に複数の新年を祝う日が存在する国や地域も見られます。そのため、東南アジア市場へ進出する際には、どの新年を重視しているのか、商戦のピークがいつになるのかを正しく把握しておくことが重要です。

中国

中国では旧正月を祝う文化が根付いており、1月1日の元日も祝日ではあるものの、日本ほど特別視されていません。旧正月は「春節(しゅんせつ)」と呼ばれ、毎年おおむね1月下旬から2月上旬ごろにあたります。前後を含めて約1週間の大型連休となり、地元への帰省や旅行、買い物などを楽しむ人が多く見られます。また、海外へ旅行に出かける人も多いことから、春節は中国国内だけでなく、世界中の観光業や小売業にとって重要な時期です。

韓国

韓国では1月1日の元日も祝日とされていますが、最も重視されているのは旧正月です。旧正月は「ソルラル」と呼ばれ、家族で食事を囲んだり、実家でゆっくり過ごしたりするのが一般的な過ごし方です。旧正月には、「トックッ」と呼ばれる餅入りスープを食べて新年を迎える風習があるほど、韓国文化に深く根付いています。このような文化を背景に、韓国における商戦も旧正月前後に集中するのが特徴です。

ベトナム

ベトナムも旧正月を重視している国の一つです。ベトナムでは旧正月を「テト」と呼び、この時期は家族と一緒に過ごすのが一般的です。テトには「バイン・チュン」と呼ばれる、笹の葉で包んだ餅料理を食べる風習があり、旧正月はベトナムの人々の暮らしに深く根付いた大切な行事となっています。

マレーシア

マレーシアは多民族国家で、民族や宗教ごとに異なる風習が共存しています。そのため、新年を祝う日は次のように、1年に4回もあります。

・元日

・旧正月

・ハリラヤ・プアサ(イスラム教徒がラマダン明けを祝う日)

ディワリ(ヒンドゥー教の光の祭典)

これらはいずれもマレーシアの正式な祝日として定められています。マレーシアへ進出する際には、このような多様性を理解しておくことが重要です。

南半球の国や地域は夏物がチャンス 

北半球に位置する日本では、年末年始は冬の最中ですが、南半球では夏にあたります。そのため、夏物商材の販路拡大や新たな商機を探している方にとって、南半球の国や地域は有力な選択肢です。ここでは、代表的な国の年末年始の過ごし方を紹介します。

オーストラリア

オーストラリアはイギリスの旧植民地であった歴史から、現在もイギリス文化の影響を強く受けています。国民の多くがキリスト教徒である点に加え、イギリス発祥の「ボクシング・デー」が根付いており、オーストラリアのボクシング・デーは同国最大級の商戦として知られています。

また、元日はビーチで初泳ぎをしたり、バーベキューを楽しんだりして過ごすのが一般的です。このように、年末年始は南半球に位置する地域ならではの過ごし方をしています。

ブラジル

ブラジルはクリスマスを重視する国の一つですが、正月を祝う独自の風習も根付いています。大晦日には海辺に集まり、波打ち際で波を7回ジャンプするのが習わしです。うまく飛び越えられると、幸運が訪れるとされています。また、ブラジルで白は、「平和」や「浄化」を象徴する色です。そのため、正月になると人々は「新年が良い年になるように」と願いを込めて、白い服を着て過ごします。

こうした風習から、ブラジルならではの年末年始の文化が感じられるでしょう。特に大晦日に願掛けのために海に入るという風習は、夏の国らしさを象徴しており、日本との違いを実感させてくれます。

海外事業で商機を捉えるには文化・価値観の理解が鍵

世界では、日本のように1月1日を新年として盛大に祝う国や地域は少数派で、クリスマスや旧正月など、文化や宗教を背景とした祝日を重視する国が大半です。そのため、海外で商機を捉えるには、各国の年末年始の過ごし方だけでなく、その根底にある文化や価値観まで深く理解することが欠かせません。しかし、実際に現地の正確な情報を収集するのは容易ではないでしょう。

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