ロシアのウクライナ侵攻の背景をわかりやすく解説!

テレビや各メディアで報道されているロシアによるウクライナ侵攻。長引く戦争状態の現状や、そもそも侵攻に至った背景について知りたいという方も多いのではないでしょうか。

ロシアは傲慢ともいえる主張によりウクライナへ侵攻を開始し、ウクライナの被害は一般市民にまで影響が及んでいます。日本を含め世界各国ではロシアの行為に反対し、ロシアを経済的に孤立させるような動きも見られている現状です。 世界情勢を大きく動かす事態が発生していることを踏まえ、本記事では、今さら聞けない「ロシアのウクライナ侵攻」をわかりやすく解説。NATOについての説明や、世界や日本にもたらす影響も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

今さら聞けない「ロシアのウクライナ侵攻」とは

ロシアがウクライナへ最初に侵攻した日は、2022年2月24日(現地時間)です。現在は侵攻が始まってから1年以上が経ちました。ロシアが西側に位置する隣国のウクライナの首都キーウ近郊に対し、ミサイルなどを用いた軍事攻撃をしたのが始まりです。 その後は首都キーウにとどまらずロシア領土に近い場所である、東部ハリコフ、イジュームや南東部の港湾都市マリウポリに対し集中的な激しい攻撃を続けました。侵攻開始から1ヶ月後の2022年3月24日時点では、ロシア軍の支配・侵攻エリアはウクライナ全土の約27%に及んだとも報じられています。

ロシアへの併合宣言

ロシアがウクライナへ侵攻を始めてから半年以上経った2022年9月30日、ロシアはウクライナ東・南部の4州(ルガンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン)の併合を一方的に宣言。強行したロシア側の言い分は「住民投票の多数決の結果」であり、実効支配の既成事実化を図りました。

当初はロシアの圧倒的優勢が予想されていましたが、ウクライナは軍事大国ロシアに抗戦する姿勢を見せています。

その後ウクライナは反攻を続け、10月2日には東部ドネツク州の要衝リマンを奪還。11月11日にはヘルソンを奪還しました。

ウクライナの被害状況

ロシアのウクライナ侵攻の終戦時期の目処はいまだに不透明の状況が続いています。ロシアによる軍事攻撃の被害は日々拡大していますが、実際の被害額や犠牲者の数は把握できていないのが現状です。

被害の中でもメディアなどで特に取り上げられているのが、一般市民の犠牲者です。ロシア軍はウクライナの各地にミサイルを放っており、時には一般市民の住宅地やアパートに着弾する被害も出ています。 ウクライナにおける一般市民の犠牲者は7,000人以上におよぶと見られており、実際にはさらに多くの犠牲者が存在すると考えられています。専門家による意見では、ロシアが疲弊して終戦するまでには少なくともあと2年ほどかかるという見解もあり、今後もロシアとウクライナにおける戦争は続いていくでしょう。

ロシアがウクライナに攻め込んだ理由

ウクライナ侵攻を始めた理由について、ロシア側の主張を要約すると次の2つがあります。

  • ウクライナは「同じルーツを持つ国」であり、ロシアのものである
  • NATOがウクライナを勧誘したのが原因である

それぞれの理由の背景について、下記で詳しく解説します。

主張1. ウクライナは「同じルーツを持つ国」である

まずロシアとウクライナが同じルーツを持つ国であることを理解するうえで、現在ロシアという国が形成された根源ともいえる国がウクライナの首都・キーウであることをおさえる必要があります。

歴史を中世にさかのぼると、当時東ヨーロッパ地域に存在する「キエフ・ルーシ大公国」という大国家があり、その都市が反映した場所が現在のキーウです。キーウで誕生した文化・宗教などはやがて東方へ拡大し、キーウの文化などを受け継いで誕生した国が現在のロシアとなります。

そのため、キーウはウクライナの首都でありながらロシアを形成した都市でもあるため、両国は「同じルーツを持つ国」であり、兄弟的存在としてともに成長してきました。

しかし、兄弟的関係性に亀裂が入ったのが30年ほど前に起きたソ連崩壊です。ロシアはソ連崩壊にともない、ウクライナを失ってしまうこととなりました。ロシアはいまだにウクライナのことを敗戦によって奪われた土地だと思っており、ウクライナを自国に奪還しようと策を講じてきましたが、その願いは届いていないのが現状です。

今回のウクライナの侵攻開始を宣言したロシアのプーチン大統領は、ウクライナを兄弟国家と呼び「強い執着」があることが報じられました。一方ウクライナ側はロシア軍からの軍事攻撃を受けて、ロシアを敵対視する方針が強まっています。

主張2.  NATOがウクライナを勧誘したのが原因である

なぜロシアは兄弟国家と呼ぶほどの存在である国を軍事攻撃で侵攻したのか。その大きな理由にはNATO(北大西洋条約機構)の存在があります。

NATOとはもともと東西冷戦時代にソ連に対抗するため、アメリカなどによって作られた軍事同盟です。ロシアにとってNATOはウクライナを奪った張本人であり、これまでウクライナ奪還を目指してきた立場としては許せる存在ではないでしょう。

そんな最中、ロシアがウクライナ侵攻に踏み出した大きな要因となったのが、NATOの東方拡大によるウクライナ勧誘でした。NATOはソ連崩壊時点では16の加盟国で成り立っていましたが、東欧諸国の加盟が続いた結果、現在では30カ国が加盟している大きな存在です。

NATOの加盟国はじわじわとロシア方面に迫っており、ウクライナも加盟するかどうかという話が上がりました。もしウクライナがNTOに加盟した場合、ロシアはウクライナの奪還がほぼ困難となります。今までずっとウクライナの奪還を狙っていたロシアとしては、ウクライナがNTOに加盟することをなんとかして阻止することが必要です。その結果、ロシアはウクライナへの軍事攻撃に踏み込みました。プーチン大統領は、NATOの東方拡大に対して「約束違反だ」と厳しく批判しています。

ウクライナはロシアの緩衝地帯としての役割を担う

ロシアは、ウクライナが「兄弟国」であること以外にも、NTOに加盟されては困る理由があります。その理由は、ウクライナがロシアの緩衝地帯としての役割を担っていることです。

そもそもロシアの緩衝地帯とは、自国の周辺の地域と仲良くなり、外部からの攻撃から守ってくれる緩衝材のような役割を果たす国や地域のことを指します。ロシアは国土面積が大きい分、外部の国からも軍事攻撃などを受けやすい環境であることが特徴です。

自国の軍を国境まわりに常に配置しておくのは要領が良い方法とはいえないため、ロシアを囲む隣県を味方につけることで軍事攻撃などが起きた際の緩衝となるようにしたことが緩衝地帯の考え方の発端となっています。

ロシアにとってウクライナは緩衝地帯となっていますが、もしウクライナがNATOに加盟してしまうとロシアは大事な緩衝地帯を失うこととなるため、ウクライナのNTO加盟を防ぐ必要があります。

この時期にウクライナへ侵攻した背景

なぜウクライナ侵攻の開始時期が2022年2月だったのか気になる方も多いのではないでしょうか。

結論、今までもウクライナに対しロシアは圧力をかけてきてはいましたが、最終的に軍事力で制圧するしかなかったからだといえます。たとえば、ウクライナの天然ガスの主要貿易相手国はロシアでしたが、ロシアがウクライナに制裁をかけるため、毎年冬になると天然ガスの輸出を制限していました。

しかし、近年ウクライナはロシア以外からも天然ガスを輸入できるようになってきており、ロシアの圧力はあまり意味をなさない状態に。そのような背景から、ロシアはウクライナに対して圧をかける手段がなくなり、軍事攻撃を開始したと見られています。

ロシアのウクライナ侵攻に対する日本や世界の反応

日本を含め世界の多くの国では、ロシアのウクライナ侵攻に反対しています。ウクライナ侵攻の原因ともいえる立場のNATOは、今までロシアと協力関係を築いてきましたが、今回の件で敵国としてみなす方向にシフトしました。

日本はロシアに対し、軍事力を利用してウクライナを制圧することは国際人道法違反にあたる行為と主張し、日本や欧米諸国はロシアを経済的に孤立させる動きをとっているのが現状です。

たとえば、ロシアへの輸出や、ロシアへの輸入に制限をかけています。一方でウクライナに対しては軍事物資や財政面の支援など、ロシアに抗戦できるようなサポートを続けてきました。

日本ではウクライナの一般市民を受け入れる体制も構築しています。東日本大震災での原爆事故の経験を持つ日本は、当時の経験からウクライナの被害状況を親身にサポートしている印象です。 他にも、ロシアと接するフィンランドやスウェーデンは、これまでロシアとNATOの中立的立場をとってきましたが、今回のウクライナ侵攻を受けてNATOへの加入を決めました。

ロシアのウクライナ侵攻が日本や世界に与える影響

国土面積の広いロシアは資源国として知られており、ロシアとの貿易を制限することで世界的に資源不足や物価上昇などの現象が発生しています。特にロシアで多く取れる石油や天然ガスが手に入りづらくなっており、ヨーロッパ諸国では電気代や物価が大きく跳ね上がりました。

また、ロシアは天然資源以外にも、農産物の輸出が盛んな国です。特に小麦やトウモロコシをロシアから輸入していた国は供給不足が続いており、アメリカなどでは食糧不足の危機に陥っています。他にも、パンや小麦粉、麺類の物価が上昇しているとともに、穀物をエサとしている畜産業への影響も大きいです。

ウクライナとはどのような国?

ウクライナはロシアとヨーロッパに挟まれる形で位置する国です。ロシアの兄弟国として歩んできたこともあり、ウクライナの人口の2割ほどはロシア系で構成されています。ロシアの伝統文化のコサックダンスや伝統料理ボルシチは、ウクライナの文化が発祥です。日本人がロシアの文化だと思っているものがウクライナの文化である理由には、日本に渡ってくる際にロシアを経由してきたことが挙げられます。 ウクライナは日本の1.6倍ほどの面積を誇り、人口は4,000万人以上。産業においては農業が盛んなことで知られています。特に小麦やトウモロコシの収穫量が豊富であり、「欧州のパンかご」とも呼ばれているほどです。他にも、IT産業が発展しており「東欧のシリコンバレー」との呼び名もあります。

ロシアとはどのような国?

ロシアは旧ソビエト連邦の中心国であり、首都はモスクワです。国土面積は世界一を誇ります。人口の約8割はロシア人で、南部にはトルコ系やカフカス系、東部にはモンゴル系など多数の少数民族も暮らす多民族国家です。

資源やエネルギー大国としても成長してきたロシアは、世界で最も多くの核弾頭を持つ国として知られています。核保有国であることに加え、独裁的なリーダーを持つロシアの存在は世界各国にとって脅威となっているでしょう。

ロシアの一方的な言い分で戦争にまで発展した今回のウクライナ侵攻ですが、なぜ他の国々で止めることができなかったのか。そこには世界の平和と安全を守るはずの国連の存在も関係しているといえます。

常任理事国5カ国にはロシアも入っており、実行力のあることを決めるには5カ国全一致が必要です。つまり、ロシアが反対することで何も決められない状況が続くことを意味しており、実際に国連総会においてロシアは141カ国が賛成した非難決議を無視し、市民が暮らす都市への攻撃をエスカレートさせました。

世界の平和と安全のためには、国連の実行力を発揮しやすくする仕組みを取り入れるべきだといえるでしょう。

まとめ

本記事ではロシアのウクライナ侵攻の背景や被害状況、日本や世界の反応や影響について紹介しました。

ロシアは一方的にウクライナを支配しようと試みていますが、事態が深刻化するにつれてウクライナのみならず世界各国から経済制裁をうける事態へと発展。すでにロシアは孤立状態にあるといっても過言ではありません。

戦争がいつ終結するかの見通しは立っておらず、日本や欧米の国々などはウクライナへ武器や軍事物資、財政サポートなどを続けています。

今後もロシアとウクライナの関係には注視していく必要があるでしょう。

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