デプスインタビューとは?やり方やメリット・デメリットを解説 

商品開発やマーケティングでは、次のような悩みがよくあります。

  • 消費者のニーズや課題を把握したい
  • 消費者の行動やその背景を理解したい
  • 自社製品・サービスに対する本音を知りたい

このような疑問に対して有効なのはデプスインタビューです。本記事ではデプスインタビューとは何か、やり方やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

デプスインタビューとは?

デプスインタビュー(Depth Interview)とは、調査対象者に対して1対1で意見を聞き取る定性調査です。デプス(Depth)は「深さ」を意味する言葉で、その名のとおり、消費者の深層心理や行動の背景を探るために用いられます。具体的には、特定のテーマに基づいて対象者を選定し、インタビュアーとの対話を通じて意見や経験、ニーズなどを一つひとつ深く掘り下げていきます。このように、「なぜそう考えたのか」「なぜその行動を取ったのか」といった対象者個人の本音や背景を明らかにできるのがデプスインタビューの特徴です。

フォーカスグループインタビューとの違い

デプスインタビューとよく比較される調査手法がフォーカスグループインタビュー(FGI)です。

フォーカスグループインタビューは、特定のテーマに沿って少人数のグループを作り、座談会形式で意見を聞き取る定性調査です。モデレーター(進行役)が質問を投げかけ、参加者の発言や意見交換を促し、参加者同士のやり取りからターゲットユーザーのインサイト(深層心理にある本音や欲求)を探ります。デプスインタビューとフォーカスグループインタビューの違いをまとめると次のとおりです。

項目デプスインタビューフォーカスグループインタビュー
調査形式1対1の個別インタビュー複数人による座談会形式
参加人数1人5~8人程度
特徴個人の意見や経験を深く掘り下げる参加者同士の議論や相互作用から意見を引き出す
得られる情報個人の価値観や行動の背景多様な視点や共通意見、集団の反応

つまり、デプスインタビューとフォーカスグループインタビューの大きな違いは、「個人の意見や経験を深掘りするか」「参加者同士の相互作用から多様な視点を引き出すのか」という点です。

FGI(フォーカスグループインタビュー)については以下の記事で解説しております。

デプスインタビューの目的と活用シーン

デプスインタビューの目的は、調査対象者個人の行動や価値観、ニーズなどを深く掘り下げることです。次のような場面で効果を発揮します。

  • 商品やサービスの購買動機の把握
  • ユーザーの意思決定プロセスの理解
  • 商品やサービスへの不満や課題の発見
  • 他者の前では話しにくいセンシティブなテーマの調査

このようにデプスインタビューは、ユーザーの本音や潜在的なニーズを深く理解するための調査手法です。商品開発やサービス改善、マーケティング施策の立案、市場のニーズの把握などに活用できます。特に、ユーザーの心理や行動の背景を詳しく理解したい場合に有効です。

デプスインタビューのやり方・流れ

デプスインタビューの効果を高めるには、計画的に進めることが大切です。一般的には、次のような流れで実施されます。

1. 調査目的の定義

まずは、デプスインタビューを実施する目的を明確にします。具体的には、商品やサービスの展開における課題を整理し、デプスインタビューでどの課題の解決を目指すかを検討します。

2. デプスインタビューの設計

調査の目的に合わせて、インタビューの対象者やサンプル数、調査内容などを設計します。対象者は年齢や性別、購入頻度などの条件を設定し、目的に合った対象者を選定します。

3. インタビュー項目・シナリオの設計

デプスインタビューを円滑に進めるためには、事前に質問項目や内容を決めておくことが重要です。また、質問の順番や進行の流れをまとめたインタビューシナリオを作成しておくと、話が脱線するのを防ぎ、効率よく必要な情報を収集できます。

4. デプスインタビューの実施

インタビュアーは回答者が話しやすい雰囲気を作りながら、インタビューシナリオに沿って進行し、意見や体験を深く掘り下げていきます。

5. インタビュー内容の整理

収集したデータの精度を高めるには、インタビュー内容を整理することが重要です。インタビュー終了後は録音やメモをもとに、回答の抜け漏れや不明瞭な点がないかを確認しながら調査内容をまとめます。

6. インタビュー内容の分析

最後に、整理したインタビュー内容を分析します。ユーザーの価値観や行動の背景にあるインサイトを抽出し、商品開発やサービスの改善、事業戦略の策定に活用します。

デプスインタビューのメリット

数ある調査手法の中からデプスインタビューを適切に使い分けるには、メリットを理解しておくことが重要です。ここでは、主なメリットを紹介します。

  • 本音を引き出しやすい

デプスインタビューは1対1で実施するため、対象者が他者を気にせずに話せるのがメリットです。そのため、率直な意見や実体験など、よりリアルな声を引き出せます。また、フォーカスグループインタビューでは聞きにくい内容も確認しやすい点が特徴です。

  • 意思決定プロセスを理解できる

デプスインタビューを通じて、ユーザーがどのように商品やサービスを選んだのか、また何が購入の決め手になったのかを詳しく把握できます。こうした情報は、ユーザーとの接点の見直しやマーケティング施策の改善などに役立ちます。

  • ユーザーの潜在ニーズを探れる

対話を通じて質問を重ねることで、ユーザー自身も言語化できていないニーズや価値観が見えてくることがあります。このような潜在ニーズを探れる点は、デプスインタビューの大きなメリットです。

  • 柔軟な対応がしやすい

デプスインタビューはインタビュー形式のため、回答内容に応じて質問を追加したり、興味深い発言をその場で深掘りしたりできます。状況に合わせて進行を柔軟に調整できるため、より具体的で質の高い情報を収集できるのがメリットです。

デプスインタビューのデメリット

デプスインタビューには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。下記のようなデメリットを押さえた上で実施することが重要です。

  • 回答内容が個人の意見に偏る可能性がある

デプスインタビューは、1回あたりの実施に時間がかかる調査手法です。そのため、多くのユーザーを対象に実施することが難しく、得られる意見が一部の対象者に偏る可能性があります。このような課題に対応するには、必要に応じてアンケート調査やデスクリサーチなど、他の調査手法と組み合わせて活用することが重要です。

  • 他の調査手法と比べてコストがかかりやすい

デプスインタビューは対象者の募集やインタビューの実施、内容の整理・分析などに時間と手間がかかります。そのため、アンケート調査といった他の調査手法と比較すると、コストが高くなる傾向があります。

  • インタビュアーのスキルに結果が左右されやすい

デプスインタビューでは、質問の仕方や話の引き出し方によって、得られる情報の質が大きく変わります。適切に深掘りできない場合、十分な情報を引き出せない可能性もあるため、インタビュアーには一定の経験やスキルが求められます。社内に適任者がいない場合は、調査会社やコンサルティング会社などの専門家に依頼することも有効な選択肢です。

デプスインタビューでユーザー理解を深めよう

デプスインタビューは、ユーザーの行動や価値観、意思決定の背景などを深く理解するための有効な調査手法です。アンケートでは把握しにくい本音や潜在ニーズを探ることで、商品開発やマーケティング施策の改善につなげることができます。この機会にデプスインタビューの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

特に海外事業の場合は、ユーザー理解は非常に重要です。デプスインタビューを行うことで、本格的に事業を展開する前に現地のニーズや課題を把握できるためです。しかし実際には、現地に詳しく、かつデプスインタビューの経験やスキルを持つ人材は多くありません。

そこでPROVEでは、海外ユーザーを対象としたデプスインタビューの実施をサポートしています。海外事業の施策を見直したい方や、海外進出の前にニーズを把握したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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