中国の国慶節・中秋節とは?日本企業が把握すべき10月の商機を解説

10月の中国でビジネスチャンスを掴むためには、国慶節(コッケイセツ)と中秋節(チュウシュウセツ)の2つの祝日について押さえておく必要があります。特に国慶節は大型連休のため、旅行や買い物の需要が高まります。加えて、多くの中国人観光客が日本を訪れることから、日本で事業を展開する企業にとっても大切な時期です。そこで本記事では、10月の商機を最大限活用できるように、中国の国慶節と中秋節について解説します。 

国慶節とは 

国慶節は10月1日の祝日のことで、中国の建国記念日です。本来は10月1日から3日の3日間が連休ですが、土日を組み合わせたり、振替出勤日を設定したりすることで、約1週間の大型連休になります。なお、この連休は「十一黄金周」と呼ばれています。※「十一」は国慶節の日付、「黄金周」はゴールデンウィークの意味です。 

ここでは、国慶節が中国で重視される歴史的な背景を把握するために、その由来や全国で行われる祝賀行事を紹介します。 

国慶節の由来 

第二次世界大戦後の中国では、国民党と共産党の間で「国共内戦」と呼ばれる激しい戦いが続いていました。この内戦に勝利したのが、毛沢東氏が率いる共産党です。内戦に勝利した毛沢東氏は、1949年10月1日に北京の天安門広場で中華人民共和国の成立を宣言しました。その翌年、10月1日を正式に「国慶節」と定め、以降毎年祝っています。 

このような背景から国慶節は、単なる祝日ではなく、中国国民にとって国家の成立と誇りを象徴する特別な日とされています。 

全国で行われる祝賀行事 

国慶節では、全国で祝賀行事が行われます。代表的な行事には以下のようなものがあります。 

  • 国旗掲揚式 

天安門広場では10月1日に国旗掲揚式が行われます。一般公開されており、見学することも可能です。 

  • 国慶節軍事パレード 

建国60周年や70周年といった節目の年には、天安門広場で軍事パレードが実施されます。2019年の建国70周年では、過去最大規模のパレードが行われました。 

  • 文化イベント 

全国各地で、歌や舞踊、伝統芸能などの舞台が公演されます。 

  • 祝賀花火大会 

夜には華やかな花火大会を開催し、国慶節を盛り上げます。 

これらの行事によって、中国全土は祝賀ムードに包まれます。 

中秋節とは 

中秋節は、中国の伝統的な祝日の一つです。2025年は10月6日で、旧暦の8月15日にあたります。本来の祝日は1日ですが、土日と組み合わせて3連休となるように調整されるのが一般的です。ここでは、中秋節の由来や過ごし方について解説します。 

中秋節の由来 

中秋節は、1年で最も明るく、美しいとされる旧暦8月15日の満月を祝う伝統行事です。この風習は、中国の唐の時代に始まったとされており、春節に次ぐ2番目の伝統的な祝日に位置づけられています。 

中国での中秋節の過ごし方 

中秋節は「団欒節(ダンランセツ)」とも呼ばれています。中国において満月は、家族団欒の象徴と考えられているためです。そのため、中秋節では多くの人が実家に帰り、家族とともに食卓を囲むのが習わしです。 

周辺地域にも中秋節が定着 

中国の中秋節は長い歴史を持ち、周辺地域にもその文化が広がっています。 

  • 日本 

日本では、「十五夜」や「中秋の名月」と呼ばれ、ススキや月見団子を飾って秋の美しい満月を眺めます。 

  • 台湾 

台湾では、中秋節に家族や友人と一緒にバーベキューを楽しむのが定番です。 

  • 香港 

香港では、「舞火龍(ファイヤードラゴンダンス)」と呼ばれる伝統的な祭りが行われ、街全体が活気に包まれます。 

  • シンガポール 

シンガポールでは、ランタンやイルミネーションで街を華やかに飾り、夜空と街並みの両方を楽しみます。 

なお、中国の中秋節では、月餅と呼ばれる満月のような丸い形をした伝統的なお菓子をお供え物にするのが一般的です。 

国慶節と中秋節による大型連休 

中国の連休の日程は毎年政府が決定しています。2025年は国慶節と中秋節の日程が近いため、政府は2つの祝日を組み合わせて、10月1日から10月8日までを連休に設定しました。このように連休を調整することで、国民の旅行や帰省の機会を増やし、国内消費を促進しています。 

十一黄金周の過ごし方 

中国の10月の大型連休「十一黄金周」では、観光や旅行を楽しむのが一般的な過ごし方です。実際に、2024年の国慶節の大型連休中、中国国内の旅行件数は約7億6,500万件にのぼりました。この数字からも、多くの人が国内旅行を楽しんでいることがわかります。また、同期間中の出入国者数は約1,309万人で、海外旅行も根強い人気があります。 なお、1月末から2月初旬の春節の大型連休は帰省が中心ですが、国慶節は帰省する人が比較的少ないのが特徴です。 

このような背景から、十一黄金周は中国市場の活性化だけでなく、海外旅行先のインバウンド需要を増加させる効果があります。 

中国の十一黄金周がもたらす日本企業への影響 

十一黄金周は、日本企業にも大きな影響があります。ここでは、4つの影響について解説します。 

訪日中国人観光客の増加によるインバウンド需要増 

中国人旅行者に人気の旅行先の一つが日本です。例年多くの中国人観光客が日本の観光地や商業施設を訪れています。訪日中国人観光客の増加は、宿泊や飲食、観光といった幅広い分野でインバウンド需要を押し上げています。また、お土産には菓子類や化粧品、医薬品などが人気です。日本企業にとっては、このような傾向を捉えることで、売上の拡大につながります。 

ECプラットフォームの大型セールによる販売機会の増加 

十一黄金周では、EC市場にも大きな商機が生まれます。中国の主要プラットフォームでは、大型セールやキャンペーンが開催され、ユーザーの購買意欲が高まるためです。そのような中、日本企業も越境ECで中国市場に参入することで、販路の拡大や販売機会の増加が期待できます。 

越境ECについてご関心のある方は、「【日本企業向け】越境ECを成功させる秘訣・成功までのステップ」の記事もご参照ください。 

十一黄金周は認知度を高める機会 

十一黄金周は、ブランドの認知度を高めるのにも有効な時期です。消費者は、購買意欲が高まると購入に向けた情報収集を積極的に行うようになり、広告やキャンペーンにも目を向けやすくなるためです。つまり、この期間に効果的なプロモーションを展開すれば、中国の消費者にブランドを認知してもらえる可能性が高まります。 

中国企業との取引で注意すべき物流・商談の停滞 

十一黄金周は、日本企業にとってメリットばかりではありません。中国全土が休暇に入るため、企業活動が停滞するリスクもあります。工場の稼働が停止する、物流が滞る、取引先との連絡がつかないといったトラブルも考えられます。中国企業と取引のある場合は、事前の調整が必要です。 

中国の大型連休をビジネスに活かそう 

中国の国慶節と中秋節による大型連休は、日本企業にとってもビジネスチャンスです。中国市場での販路拡大はもちろん、日本国内でも訪日中国人観光客によるインバウンド需要を取り込むことが重要です。連休の背景や日程を事前に把握し、戦略的なプロモーションや販売計画を立てるなど、機会を最大限活用できるように準備しましょう。 

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