【日本企業向け】越境ECを成功させる秘訣・成功までのステップ

円安の影響もあり、日本では越境ECに取り組む企業が多くなっています。そのため、これから海外向けのECサイトを立ち上げたいという方もいるでしょう。

しかし、「ネット上での世界進出は難しそう」と感じている方もいるはずです。本記事では、日本企業が越境ECを成功させる秘訣と、成功までのステップを解説します。

越境ECは難しいのか?

越境ECは国内向けのECサイトよりも準備すべき項目が増えるため、参入ハードルが高いのは間違いありません。しかし、必ずしも実現できないほど難しいとはいえないでしょう。

実際に適切な方法をとることで、日本でも成功を収めている企業があるためです。ここでは、3つの成功事例について紹介します。

  • TOKYO OTAKU MODE

TOKYO OTAKU MODE(トーキョー・オタク・モード)は、日本のオタク文化を世界に発信する越境ECです。FacebookなどのSNSを活用することで、世界中のファンの獲得に成功しています。TOKYO OTAKU MODEの特徴は、様々な作品とコラボしてオリジナル商品を取り扱っている点です。

  • ヤーマン

ヤーマンは美顔器などの美容機器を製造・販売しているメーカーで、中国における越境ECの成功事例です。中国最大のECサイト「Tmall」で、11月11日の「独身の日」における販売金額が1億人民元を達成しています。5年連続で1億人民元を売り上げており、大きな成功を収めている事例といえます。

  • レトロアジア

レトロアジアは日本の中古ゲーム機を販売している越境ECサイトです。日本限定モデルなど、海外では入手が困難な機種に絞ることで成功を収めています。またレトロアジアはフランス人のロマン氏が副業として立ち上げたサイトで、個人でもやり方次第で成功できる事例といえるでしょう。

日本企業が越境ECを成功させる秘訣は?

日本企業が越境ECを成功させる秘訣は、以下の3つのポイントを押さえることです。

ポイント①:ECサイトの多言語化

越境ECで成功させる秘訣は、ECサイトの多言語化です。

最近ではブラウザの翻訳機能を活用することで、多言語化されていなくても海外のWebページを読めるようになりました。しかしユーザーに安心感を与えるためには、商品ページやFAQページ、利用ガイド、ショッピングカードなども多言語化する必要があります。それぞれの言語特有の表現・言い回しがあるため、出来るだけネイティブが翻訳することが大切です。

同時にターゲットエリアのユーザーの好みに合わせてカラーやデザイン、写真などを変更することもポイントです。とくにカラーが与える印象は地域によって異なるため、現地のイメージに合うカラーを選択しましょう。

ポイント②:決済方法の多様化 

越境ECで成功する秘訣は、決済方法を多様化することです。

国内向けのECサイトの支払い方法は、クレジットカードが人気です。そのほかに代金引換や電子マネー決済、銀行振込などがよく利用されます。

しかし海外の場合、日本国内と同じ支払い方法が人気とは限りません。

例えば、アメリカであればクレジットカードのほかに、PayPalが人気の支払い方法です。

PayPalは第三者決済サービスで、ECサイトの決済の際にカード情報を入力する必要がないため、セキュリティの観点から多くの方に利用されています。

また中国ではキャッシュレス決済が浸透しており、「支付宝(Alipay)」「微信支付(WeChatPay)」「銀聯(UnionPay)」などの独自のQRコード決済に対応する必要があります。

このように、ターゲットとするエリアに適した決済手段を用意するのが越境ECで成功するためのポイントとなります。

ポイント③:物流や配送の整備

越境ECの成功の秘訣は、物流や配送の準備を整えることです。日本から現地への配送方法を確立することで、スムーズな取引を実現できるためです。

店舗から配達会社を利用して配送する方法や、物流業者に委託する方法があります。ここでは越境ECにおける3つの配送方法について紹介します。

  • 直接配送業者に依頼

郵便局やヤマト運輸など、海外配送に対応した配送業者に直接依頼する方法です。少量からでも対応しやすいというメリットがあるものの、関税の手続きなどが必要となります。

  • 物流代行サービスの利用

海外向けの商品発送を物流代行サービスに委託することで、輸出の手続きや書類の準備などの手間を省けます。コストが発生するものの、専門業者に任せることでスムーズな配送を実現できるのが魅力です。

  • 現地に配送拠点を設置

現地に配送拠点を設置して、そこから海外ユーザーに向けて発送する方法です。現地に物流拠点を設置することで、購入してから配達までの時間短縮につながり、顧客満足度を高められます。ただし拠点の設置・維持のために、初期費用やランニングコストがかかるデメリットもあります。

日本企業の越境EC成功までのステップ解説!

日本企業が越境ECで成功するためのステップは以下の3つです。

ステップ①: 販売商品の選定

越境ECの成功のためには、まず販売商品の選定をしましょう。

そのためには、展開する地域・国のユーザーからニーズがあるかどうか、想定している販売価格で受け入れられるかなどの調査が必要です。

また地域によって輸出入が禁止されている場合もあるので、規制の対象となっていないか、関税がいくらかかるのかも確認してください。

先に成功事例として取り上げた「レトロアジア」では、日本限定モデルという海外では手に入らない商品を取り扱うことで商機を見出しています。

このように、海外のユーザーからニーズがある商品を取り扱うことが成功の近道となるでしょう。

ステップ② :ターゲット設定と市場調査

商品が決定したら、次はターゲット設定と市場調査です。

ターゲットを明確にできると、市場規模やマーケティング戦略、販売価格の設定などを具体的にイメージできるためです。確度の高いターゲット設定のためにも、市場調査をしてデータに基づいた分析をしましょう。

先に紹介した成功事例の「ヤーマン」では、中国人の美容に対する意識の高まりから高性能な美顔器を「独身の日」に投入することで、多くのユーザーの購買意欲を刺激しています。

このように、ターゲットを明確にすることで、展開後のマーケティング戦略にも役立つはずです。

ステップ③ :出店方法の選定

次に越境ECをどのような方法で出店するのかを検討します。出店方法は大きく分類すると以下の3つです。

  • 自社ECサイトを構築する

海外向けの自社ECサイトを構築して展開します。越境ECのECサイト構築プラットフォームは、Shopifyが有名です。

  • 海外対応のECモールに出店する

国内にサービスを展開しているAmazonや楽天などを利用して、海外展開する方法です。国内のモールなので、サポート体制が整っており安心して越境ECに挑戦できます。

  • 海外のECモールに出店する

現地で人気のECモールに出店する方法もあります。知名度・集客力の強いECモールに出店することで、新規ユーザーを獲得しやすいのが魅力です。

まとめ

日本企業にとって越境ECは、市場の開拓や新規ユーザーの獲得、売上アップなど多くのメリットと恩恵を与えてくれます。

本記事で紹介したように、正しい進め方で成功を掴みましょう。

また、海外のさらに詳しい市場調査を検討されている方は、ぜひ一度プルーヴにご相談ください。

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