健康志向がマッチ!注目を集める日本茶・緑茶の海外展開の現状

日本茶の海外展開が右肩上がりで増えていることを知っていますか?

本コラムは、注目を集めている日本茶の海外展開の現状についてお届けします。

右肩上がりに拡大する日本茶の輸出額

日本茶の輸出額は、農林水産省の調べによると2022年は219億円で、10年で約3倍、2006年から比較すると約7倍にも拡大しています。

近年の日本茶の輸出額をまとめたグラフは以下のとおりです。

引用:農林水産省「茶をめぐる情勢

グラフからも日本茶の輸出額が右肩上がりに伸びていることがわかります。

また輸出額だけではなく、輸出量も増えていることから、海外からの需要が増えているのは間違いないといえるでしょう。

大きな要因は海外の健康志向の高まり

日本茶の改題での需要が拡大している背景は、日本食ブームや健康志向の高まりが挙げられます。

コロナ禍を経て、海外において健康への意識が高まることで、ヘルシーなイメージの日本食が支持されるようになったためです。

その証拠にコロナウィルスから経済が回復した2022年は、輸出額が200億円を突破し、前年度から40億円以上も拡大しています。

国内の日本茶の消費量は横ばい

一方、国内での日本茶の消費量は、リーフ茶と茶飲料の1世帯当たりの消費金額が11,000円程度です。

ここ10年は横ばいが続いている状態で、海外のように、コロナを機に日本茶の需要が高まるといった動きもありませんでした。

このため、日本茶の新たな市場として国内よりも海外市場に熱い視線が送られているのです。

農林水産省が掲げる2025年の目標は312億円!

農林水産省では、日本の農産物の輸出額を2025年に2兆円、2030年に5兆円を突破するために「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」を2020年にまとめました。

そのなかで、輸出拡大に余地がある27品目を重点品目に選定しています。

「茶」はその1つに選ばれており、2025年には輸出額312億円に拡大することを目標に掲げています。

農林水産省が掲げる2025年に達成すべき国別の輸出額の一覧は以下のとおりです。

■国別輸出額目標

国名2019年実績2025年目標
アメリカ65億円118億円
EU23億円35億円
中国0億円80億円
その他58億円79億円

また農林水産省では、「品目団体輸出強化支援事業」により輸出重点品目の輸出力の強化を図っています。

つまり、海外の動向と国内のバックアップが相まって、日本茶の輸出量の拡大を実現しています。

実際に日本茶は海外でどのように受け入れられている?

アメリカのカフェでは緑茶や抹茶を扱う店舗が増加しており、日本茶ブームといえるような現象が起きています。

従来、コンビニなどでも抹茶は販売されていたものの、加糖タイプで甘みの強いものが主流でした。

しかし、昨今のヘルシー志向から無糖タイプの緑茶も並ぶようになり、日本メーカーの茶飲料を取り扱う店も増えています。

例えば、「お~いお茶」でお馴染みの伊藤園も、2012年から緑茶の販売数が急速に伸びています。

このことから日本食と同様に、日本茶もヘルシーなイメージが定着しつつあるようです。

シリコンバレーの企業では社員の福利厚生の一環として、ワークコンディショニング飲料という立ち位置で、日本茶を提供しているほどです。

ニューヨークには抹茶専門カフェが登場 

引用:MATCHAFUL

ニューヨークでは、2018年に抹茶専門カフェ「MATCHAFUL」がオープンしました。

MATCHAFULでは、静岡県で栽培された日本産の抹茶を提供しています。

アメリカで抹茶は、オーガニック食品として考えられており、ヘルシー志向のニューヨーカーに受け入れられています。

現在MATCHAFULはECサイトの運営に加えて、ニューヨークに5店舗を構えるほどになっていることから、抹茶はアメリカで市民権を得ているといえるでしょう。

最近の海外向けサービスの取り組み事例

海外から注目されている抹茶を新たなビジネスチャンスと捉えて、様々な海外向けのサービスが登場しています。

そのなかでも注目の企業の取り組みを紹介します。

3.1 COUZEN MATCHA(空禅抹茶)

引用:COUZEN MATCHA

COUZEN MATCHA(空禅抹茶)は、挽きたて抹茶の香りや味を顧客に届けるために、抹茶マシンを開発・提供している企業です。

創業者の塚田 英次郎氏は、アメリカのサンフランシスコに出店した抹茶カフェ「Stonemill Matcha」でも成功を収めています。

しかしカフェではオペレーションの関係上、同氏が魅了された挽きたて抹茶を提供できませんでした。

そこで行き着いたのは、「コーヒーのエスプレッソマシンのように挽きたて抹茶を楽しめるマシンを作ること」です。

そして、以下の2つのポイントに絞った抹茶マシンの開発に成功しています。

■抹茶マシンのこだわりポイント

  • 石臼のように茶葉を挽く
  • 茶せんで点てたような口当たり

COUZEN MATCHAの抹茶マシンの魅力は以下のとおりです。

■抹茶マシンの魅力

  • ボタン操作1つで手軽にいれられる
  • 本格的な挽きたて抹茶の味・香りを楽しめる
  • 誰でも抹茶本来の味を楽しめる
  • スタイリッシュなデザインでお部屋がおしゃれになる

すでに抹茶マシンは、本格的な挽きたて抹茶を楽しめるキットとして海外展開をしています。

また、抹茶マシンは国内でも購入できるため、気になった方はぜひチェックしてみてください。

3.2 MATCHA KAORI JAPAN 

引用:MATCHA KAORI JAPAN

MATCHA KAORI JAPANは抹茶や緑茶関連商品をメキシコ・ペルーなど、中南米地域を中心に展開している企業です。

代表取締役の吉宮しおり氏はメキシコ在住経験から培った、独自のネットワークによる販売網の構築をしています。

2014年にメキシコ、2021年にペルーへの進出を果たし、現在は香港やドバイ、アメリカなどでさらなる販路拡大を目指しています。

またペルーには日本の酒も輸出するなど、抹茶に限らず、日本の文化を積極的に発信しているのも特徴です。

■取扱商材の特徴

  • 有機栽培にこだわった茶葉
  • 抹茶入煎茶は抹茶と煎茶の香りやうま味のいいとこ取り

MATCHA KAORI JAPANはメキシコで高いシェア率を獲得し、2023年の売上は4,000万円を見込んでいます。

このように成功したポイントをまとめると、以下のとおりです。

■MATCHA KAORI JAPANの事業のポイント

  • 未開拓地域への進出による高いシェア率の獲得
  • 独自ネットワークによる販売網の構築
  • 有機栽培による高い品質

ニッチな市場に敢えて参入することで、成功を収めた日本茶の海外展開サービスといえるでしょう。

日本茶など農産物の輸出が注目されている

日本茶は日本食のヘルシーなイメージから、海外の健康志向な方から注目される飲み物となっています。

例えば、アメリカでは抹茶専門店が登場するなど、オーガニック食品として市民権を得ているほどです。

そのため、日本茶の輸出額は右肩上がりに拡大しており、今後も拡大が続くと予想されています。

このような動向のため、今後も様々な企業が日本茶の海外展開事業に参入するかもしれません。

今回紹介した「COUZEN MATCHA」や「MATCHA KAORI JAPAN」の展開次第では、ますます目が離せない分野となるでしょう。

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