中国(上海、武漢、永康、義烏)・日用品の卸売市場で感じた現地調査の重要性

上海卸売モール

こんにちは。

プルーヴ社でコンサルタントをしております、Uと申します。

私は中国に2週間ほど滞在し、日用品の市場調査を行うためにいくつかの卸売市場を訪れました。今回は、その中で感じた現地調査の重要性についてお伝えします。

 

中国・日用品の卸売市場

世界で最も人口の多い中国。今後、2030年頃まではさらなる人口の増加が見込まれており、まだまだ成長が期待できるマーケットです。そして人口増加や経済発展に伴い、今後も引き続き日用品の需要が拡大していきます。

 
今回の調査を行う背景となった日本の日用品メーカーは、中国で20年以上の実績があり、市場シェアはトップレベルを維持しています。特に業務用製品は「日本製=安心・安全」というブランド力から好んで使用されていますが、一般消費者の保有率はまだそれほど高くありません。
そこで日用品市場の拡大を見越し、家庭用製品の成長性やニーズについての調査を行うことになりました。

 
私が訪れたのは、上海と地方都市の4都市です。
まず中国最大級の都市である上海の市場調査は欠かせません。次に、主要自動車メーカーがそろって進出し、自動車産業が盛り上がっているような1級都市。
その他に訪問した地方都市は、金属加工品のメッカとされていて、100円均一ショップの商品や日用品の製造が数多く行われている都市です。

 

上海市場
上海市場
武漢市場
武漢市場

また、上海から南西に150kmほど離れたところにある義烏市場の存在も外せませんでした。
義烏は世界的に有名な卸売市場で、電化製品から衣類、日用品、玩具まで何でも安く揃う巨大マーケットとなっております。2017年1月には、現代のシルクロードさながら、義烏からイギリス・ロンドンまでの鉄道も開通しました。
日本人にはまだあまり馴染みのない地名ですが、今後要注目の市場となりそうです。

 

義烏
義烏からロンドンをつなぐ鉄道の案内
義烏商店の様子
義烏商店の様子

 
これらの都市で実際の日用品市場を視察し、競合他社や販売代理店の元を訪ねました。
日用品市場の成長性をはじめ、製品が実際にスーパーやホームセンターでどのように扱われているのか、製品についての率直な意見や評価をヒアリングしました。
そこで、実際に現地の声に耳を傾けると驚きの事実が見えてきたのです。

 

現地調査から発覚した2つの課題点

どのメーカーや代理店も、人口増加やオンライン販売といった新しいチャネルの登場によって、日用品市場は今後も成長していくという予想を立てていました。
しかし、ヒアリングを進める中でもっと根本的な問題が発覚しました。

 
まず、日本製は「価格は高いけれど高品質」ということを売りにしているにも関わらず、コストダウンによって製品の質が低下しているというのです。
今回調査した製品については、中国・韓国製の方が高品質なうえに、価格は日本製の約半分から3分の2程度で売られていました。

 
つまりコストダウンを意識するあまり、品質を下げすぎてしまっていたのです。競合製品と見比べても質の違いは明らかで、実際に他社の営業トークとしても使われているということでした。

 
東南アジアやロシアといった国では、いまだに根強く日本製の安全・高品質神話が支持されていますが、競合他社の製品も改良を重ねているため、気づかない内にすでにその信頼が失われていることもあるのではないでしょうか。

 
さらに販売代理店へのヒアリングでわかったのは、競合他社に比べてマージンが極端に低いという事実でした。
現地の競合他社は一次代理店や二次代理店など業者ごとの販売価格を明確に定め、各代理店の利益を守るためのルールを敷いています。そのコントロール体制が弱いことによって価格的な差を生み出してしまっているということでした。

 
こういった実態はよくあるケースであり、情報が現地法人には伝わっていたものの、そこで情報が奇麗にコーティングされ、日本の本社側との理解に相違が生まれてしまうようです。

 

現地の声を聞くことで見えるもの

高い市場シェアを取りながらブランドを確立しているメーカーであっても、実際に現地の声を聞いてみると、数字からは見えない事実が浮かび上がってくることがあります。
むしろ安定した業績を誇る企業だからこそ、怠慢や驕りがこうした現地とのギャップを生んでしまうのかもしれません。

 
今回は中国における日用品の市場調査でしたが、これはどの市場や製品においても起こり得ることだと感じました。
自社製品に対して、競合他社やそれを扱う代理店がどう評価しているか、また代理店との付き合い方なども含め、今一度、現地の声に耳を傾けて理解する必要があるのではないでしょうか。

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