中国最大の都市、上海
浦東地区と呼ばれる近未来的な街並みには、上海タワーやピンクの球体部が特徴の東方明珠電視塔などが建ち、きれいな夜景を見ることもできます。
そして、世界的な金融都市でもある上海では、電子マネーの普及が進んでいます。主にスマートフォンを使い「支付宝(=Alipay)」や「Wechat Pay(微信支付)」と呼ばれる手段で決済を行うことが一般的になっています。
実際に、今回の出張の際も飲食店やホテルの自動販売機などは、電子マネーでの決済でした。
今回は、上海へ事業進出する際に押さえておきたいポイントについてお伝えいたします。
上海へ事業進出をする際に押さえておきたい2つのポイント
上海でのビジネスの進め方の特徴について、「人材」と「品質」という2つの視点から詳しくみていきましょう。
1.上海企業における人材の流れの特徴
上海へ日系企業が進出した場合、地元企業に対して営業活動を行っていてもなかなか仕事の依頼をいただけないというお話をよく耳にします。それはなぜなのでしょうか。
上海では、仕事を人づてに紹介し合うのが一般的な上、バリューチェーン※1の中で転職を繰り返すことが多いため、人が動くことで人脈も動き、それによって仕事の依頼先も変化するケースがあります。
※1 バリューチェーン
企業活動における業務の流れを機能単位に分割してとらえ、業務の効率化や競争力強化を目指す経営手法。例えばメーカーであれば、技術開発、資材調達、製造、販売、出荷物流、代金回収などの業務に分割できる。分割した業務機能を精査することで、どの業務に注力し、どこを外注するかといった経営判断がしやすくなる。
(コトバンクより抜粋)
ローカルのネットワークで形成される人脈を持たない日本企業では、その紹介先に含まれていないことが多いために、なかなか仕事の依頼が来づらい状況にあるのです。現地の人脈を如何に有効に使うかを考えた組織形成、責任と権限の委譲ができていないように思います。
2.上海消費者の品質に対する考え方
日系企業は自社製品に対し、高品質なものを作っているという自負があります。この場合の高品質の定義とは、スペックなどの機能面や耐久性などを指すことが多いです。
しかし、上海のお客様が求める品質とは日系企業が考えている品質とは異なり、どれだけお客様の要望に沿った製品を適宜カスタマイズして提供できるかどうかが求められます。
そもそも日本と上海とでは、品質の定義が異なっているのです。
このように日系企業が提供している製品と、上海の消費者が求めている製品の品質のギャップが大きいままでは、現地において日本の製品はなかなか評価されないでしょう。
上海における魅力的な日系企業となるために
上海でのビジネスの特徴を2つお伝えしました。
ビジネスがうまく行かない理由がこれらに当てはまっている会社も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に現地で人脈を作ろうと思ってもすぐにできるものではありません。
だからこそ短期的にも長期的にも、人脈を持った人を採用し続けることができる企業になる必要があります。また上海の人材市場は日本とは異なり、同業界の競合企業であっても、容易に転職(引き抜き)が行われています。
このような点から見ても、上海で評価される魅力ある企業づくりが大切なのではないでしょうか。
当然、製品・サービスにおいても上海市場でもっと評価されるにはどうしたらよいかを検討する必要もあるでしょうか。
どのような品質のものを提供すればよいのか、販売手法はどのようなものが効果的なのかなど、プルーヴではバリューチェーン上にいる多くの方に直接ヒアリングを行い、確かな情報としてご提案させて頂きます。
上海における魅力的な日系企業となるために、ぜひお手伝いさせてください。
全力でサポートさせていただきます。