昨年、人間に近い応答ができるとして、世の中を騒がせたChatGPTを日常生活でも使用している方は多いでしょう。
しかし、「ChatGPTって何?」や「生成AIの効果的な使い方が知りたい」という方もいるはずです。 そこで本記事では、ChatGPTを企業がどのように活用しているのか、日本と海外の活用方法を紹介します。
Chat GPTとは
ChatGPTとは、インターネット上の膨大な情報を学習させたAIにより、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。
2022年11月にアメリカのOpen AIが公開したところ、2023年には月間アクティブユーザーが1億人を超えたと推察されています。
これほど多くの人が利用した理由として、チャットボットとしての機能だけではなく、ソースコードの生成など、使い方次第で様々な業務の生産性を向上できるためです。
実際にその利便性の高さから、多くの企業や自治体が活用しています。
生成AI市場について
ChatGPTの登場により注目されている生成AIサービスは、今後急激に市場が拡大すると予想されています。総務省の発表によると、2022年の生成AIの市場規模は1.2兆円でしたが、2030年には約11倍の14.2兆円に達する見込みです。
また活用が期待されている分野は、テキスト・コーディング・画像・動画・3D・ゲームになります。
生成AIのメリット
生成AIの市場規模が拡大する理由は、以下の2つのメリットにあります。
・単純作業を自動化・効率化できる
・学習を通じて新しい創作ができる
これらのメリットにより、生産性を向上できるツールとして需要が高まり、急激に発展すると期待されているのです。
①単純作業を自動化・効率化できる
生成AIのメリットは一定のルールに従いタスクを処理することで、業務を自動化・効率化できる点です。
例えば、以下のような業務内容が挙げられます。
・文章を作成する
・問い合わせに対応する
・データを集計する
・データをカテゴリーに分類する
今後、これらのようなパターン化できる単純作業は、生成AIに置き換わっていくと予想されています。
なぜなら生成AIは24時間、効率を落とすことなく一定のレベルで作業し続けることが可能なためです。
人間のように勤務時間の制限がなく、長時間労働による集中力の低下といったこともないため、単純作業については人間以上のポテンシャルを持っているといえるでしょう。
②学習を通じて新しい創作ができる
生成AIの2つ目のメリットは、学習することによりさらなる精度向上や、創作性を高められることです。
ChatGPTも学習量であるパラメータの数を増やすことで、精度を高めている生成AIです。以下のようにバージョンアップするごとに、学習に利用するパラメータの数が増えています。
●ChatGPTの各バージョンのパラメータ数
・GPT-1:1.2億
・GPT-2:15億
・GPT-3.5:1,750億
・GPT-4:5,000億~1兆
つまり生成AIは学習量を増やしたり、学習に使うデータを変更したりすることで、求められているテーマや課題に対して最適解を出せるようになります。
企業ではChatGPTをどのように活用しているのか?
ChatGPTが人間のように会話できることが、何の役に立つのか疑問に思う方もいるでしょう。
その答えとして、多くの企業では主に以下の5つについて活用しています。
・カスタマーサービス
・コンテンツ制作
・言語翻訳
・要約
・マーケティング
これらの活用法について、国内・海外の事例を交えながら紹介します。
①カスタマーサービス
カスタマーサービスとは顧客に行うサービスの総称で、ChatGPTの海外の活用事例は以下のとおりです。
・Travel Professor
Travel Professorはインドの旅行代理店で、顧客の好みや予算に合わせた旅行先の提案にChatGPTを利用しています。具体的には顧客がフェイスブックメッセンジャーやInstagramのDMを通じて、好み・予算などの情報を提供すると、ChatGPTが返信する仕組みです。顧客個人に最適化された旅行先のリストを提供することで、コンバージョンの増加に役立っています。
・Cello Cheese
アメリカの大手食品ブランドの「Cello Cheese」も同様の仕組みを採用している企業です。顧客が好みの味・食感・用途などについて回答すると、ChatGPTがオーダーメイドのチーズの盛り合わせを提案するカスタマーサービスを提供しています。
②コンテンツ制作
ChatGPTは情報収集力・言語力を生かして、商品の説明文や記事、クイズといったコンテンツ制作に活用されています。
・Transcope
Transcopeは、シェアモル株式会社が提供しているChatGPTを活用したSEOに強い文章作成AIサービスです。商品説明文をもっと簡単に作成したいというニーズに対応できるだけではなく、プレスリリース・オウンドメディア・メールマガジンの記事も効率的に作成できます。
③言語翻訳
ChatGPTは世界中のデータを収集・分析しているため、世界各国の言語を翻訳することもできます。
・Transable
Transableとは、立命館大学院の杉山滉平氏により開発された機械翻訳サービスで、立命館大学が無料公開しています。
また立命館大学では、授業の一部で「Transable」を英語学習ツールとして試験的に導入する予定です。つまりAIを教師にして、英語力強化を図る時代がすでにやってきているのです。
④要約
ChatGPTは、長文を提示してから「文章を要約して」とリクエストすると、要約してくれる機能を搭載しています。長文のなかから重要な要素だけを抽出できるので、短時間で概要を把握するのに役立つ機能です。
・Comdesk Lead
株式会社Widsleyは携帯回線とIP回線を併用できるコールシステム「Comdesk Lead」に、ChatGPTを統合し通話内容の要約機能を追加しました。
具体的には、コールセンターの電話対応の音声を自動で文字起こしをして、通話内容の要約を自動化できるシステムです。要約の自動化により、顧客とどのような会話がされたのかを短時間で確認できるようになります。
⑤マーケティング
ChatGPTはマーケティングの効率化にも役立ちます。具体的には、以下のマーケティング施策に活用できるでしょう。
・新商品・新規事業のペルソナの設定
・競合他社のSWOT分析
・SMARTの法則を用いた目標の設定
・メルマガ・SNS向けのコンテンツマーケティング
・株式会社100
HubSpotダイヤモンドパートナーの株式会社100(ハンドレッド)は、自社のX(旧Twitter)アカウントでChatGPTを活用した運用実験を開始しています。
これまでの自社スタッフによる手動のX(旧Twitter)運営では、ツイート内容のソースを探したり、文章を読みやすく書き換えたりするのに時間がかかっていました。そこで、ChatGPTを活用しツイート内容を自動作成することで、SNS運用のためのリソース減につながっています。
まとめ
本記事ではChatGPTの概要と、企業での活用方法について日本と海外の事例を交えてまとめました。今後、生成AIの発展・拡大に伴い、効果的に使うことで海外進出においても業務効率を高められるでしょう。
今後海外進出を検討している会社は、ぜひプルーヴ株式会社へご相談ください。