ドイツ進出の際は地域特性の違いを理解したビジネス戦略を

ヨーロッパ進出の足がかりとしてマーケットが成熟しているドイツへの進出を検討している日本の企業も多いかと思います。

 
一言でドイツといっても地域によって特色があります。これは都会や田舎といった都市規模や風習の違いだけではなく、過去の歴史的な背景から分散集権型の都市構成になっており、それぞれのエリアに応じて発展している産業が異なるためです。

 
したがって業種や規模によってメリットとデメリットが異なるため、他の日系企業が多いからといって安易に進出先を選ぶのは危険です。

日本企業の進出が多い西ドイツ

西ドイツはドイツ国内総生産(GDP)の36%を占めておりドイツでも国内最大規模の産業地域です。主な都市はデュッセルドルフやフランクフルト、ケルンなど。

 
西ドイツには昔はルール工業地帯といわれた炭鉱で栄えたライン川沿いの工業地帯があり、その後金融や自動車産業が盛んになっていきます。

 
特にデュッセルドルフは地理的にちょうどヨーロッパの中心にあたるため、日本企業がヨーロッパ進出を考えたときに最初に選択する拠点となっています。日本企業への誘致活動が行われたこともあり、東京・大阪・名古屋などの都市圏に本社を置く日本企業のヨーロッパ拠点が集中しています。日本からの観光客は少ないですが、400以上の日系企業がオフィスを構え、約7,000人の日本人が在住し、「リトル・トーキョー」と呼ばれる日本人街が形成されています。

 
そのため、デュッセルドルフを中心に西ドイツ内での日系企業間でのパートナーシップを結んでいることも多いのですが、すでに強いパイプが出来上がっている中への新規参入を考えた際に既存パートナーを押しのけてでも選択してもらうだけの高いポテンシャルが求められることになります。

 
プルーヴでもお客様の新規のパートナーを探すお手伝いをしているのですが、他地方と比べると西ドイツでは既に日本企業案件が飽和しているのか、最初のアポイントメント時点で苦労することもありました。

物流拠点となっている北ドイツ

北ドイツはドイツ国内総生産(GDP)の16%を占めています。主な都市はハノーヴァー、ブレーメン、ハンブルクなど。

 
特にハンブルクはドイツ最大の港湾都市であり、貿易業が栄えています。鉄道と高速道路網によって中央ヨーロッパの諸都市と結ばれ、観光地としても有名な赤レンガ倉庫街が広がるドイツ最大の物流拠点です。
近年では医療産業、バイオ産業、航空産業など技術集約産業の誘致に熱心で、多くの多国籍企業が拠点をおいています。

IT系などのスタートアップ企業が多い東ドイツ

東ドイツはドイツ国内総生産(GDP)の15%を占めています。主な都市はベルリンやライプツィヒ、ドレスデンなど。

 
ベルリンは第二次世界大戦中に空襲にあい深刻な被害を受けましたが、冷戦時代を経て1990年に東西統一がされたのち、再びドイツの首都となり再開発が行われました。
今やドイツ最大の人口(約361万人)を誇る都市であり、映画や音楽、広告、ファッションなど文化・芸術などのクリエイティブ産業が大きな割合を占め、流行を生み出す街となっています。
新しいことに挑戦しやすい都市であり、とりわけベルリンにおいてはスタートアップ企業への投資額が群を抜いて国内一位となっており、「スタートアップの聖地」とも呼ばれています。

新技術が研究開発される南ドイツ

南ドイツはドイツ国内の国内総生産(GDP)の33%を占めています。主な都市はミュンヘンやシュツットガルト、ニュルンベルクなど。

 
南ドイツでは自動車産業が盛んで、メルセデス・ベンツ、Audi、BMWなど多くの自動車完成品メーカーが展開し、ボッシュをはじめとする部品メーカーも併せて展開しています。

 
一方で研究機関や大学が集中しており、産学の連携が取れた研究開発に注力しています。ドイツの特許庁がミュンヘンにあるのが象徴的ですが、新しい技術は南ドイツからもたらされるといえるでしょう。

 
ミュンヘン近郊には、遺伝子センターのほかにも数多くのバイオテクノロジー研究施設があり、近年多くのバイオテクノロジー系の企業が本拠地を置いています。

 
またミュンヘンは日本人街のような日系で固まった地域がないとはいえ、デュッセドルフに次いで日本人在住者の多い街となっています。

日本企業であることのアドバンテージを生かすには

日本からドイツへの企業進出となると西ドイツのデュッセルドルフへの進出が一種の定石となっているような感がありますが、逆にその他の地方に目を向けるとまだ進出企業が少なく、業種にかかわらず日系企業であるということが大きなアドバンテージとなる可能性を秘めています。

 
プルーヴが企業様の進出・展開のお手伝いをする際にも、相手先の日系企業への期待と安心を実感することがありました。

 
今回お話したようにドイツでは地方によって異なる産業ごとに集まる傾向がみられ、日本からの進出を考える企業は自分たちにあった戦略を立てて進出エリアを選定し進出していく必要性があります。

 
プルーヴでは海外進出に際してしっかりとした事前調査と現地展開のお手伝いをしております。ドイツ進出の際には是非ご相談ください。

 
【参考】

ドイツの地域分散の状況について 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/common/001042018.pdf
“日本人はデュッセルドルフの一部です”…日独の蜜月関係が生んだ街
https://traveloco.jp/kaigaizine/japantown-germany
第 1 部 第 5 章 知識集約型の新企業による地域振興を通じた産業の活性化
―ドイツのバイオ技術の事例―
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2004/documents/L-7_02_5.pdf
地域性豊かなスタートアップシーン(ドイツ)
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2018/0602/5a2dccdac746535c.html

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