2024年は海外で重要な選挙が目白押し!激動の年になる可能性も

2024年は海外で重要な選挙が目白押しです。

1月の台湾にはじまり、ロシア、アメリカ、欧州議会などです。各国の指導者が変わることで、激動の1年になる可能性もあります。例えば、中台関係の変化やトランプ氏再選による米国の政策転換などです。

世界経済に影響を与える可能性があるため、本記事では今年の海外の注目すべき選挙について詳しく解説します。

2024年に注目すべき7つの選挙

2024年に実施される選挙のうち、とくに注目すべき選挙は以下の7つです。

  • 台湾総統選挙
  • インドネシア大統領選挙・総選挙
  • ロシア大統領選挙
  • 韓国総選挙
  • インド総選挙
  • 欧州議会選挙
  • 米国大統領選挙

各選挙の概要や世界に与える影響について紹介します。

1月13日:台湾総統選

台湾総統選挙は2024年1月13日に実施されました。台湾総統は2期8年までという決まりがあるため、2期を務めた蔡英文総統の次の総統を決める選挙でした。

立候補したのは与党の民進党の頼清徳氏、国民党の侯友宜氏、民衆党の柯文哲氏の3人です。

選挙の結果は、蔡英文総統の親米路線を引き継ぐ民進党の頼清徳氏が勝利しました。1996年に台湾総統選挙が直接選挙制に変更して以来、初めて同政党による3期連続で政権を担うことになります。

ただし、同日に行われた議会・立法院の選挙では与党の民進党は過半数を獲得できず、民衆党・国民党の野党の2党で過半数を占めました。

頼清徳氏は「台湾独立派」であることから、中台関係の悪化は避けられないとみられています。しかし、「ねじれ状態」により政権運営は難航するとみられるため、実際にどのようなかじ取りをするのかに注目が集まっています。

2月14日:インドネシア大統領選挙・総選挙

インドネシアは、人口4位で有権者数が2億人を超える東南アジア最大の経済国です。そのインドネシアでは、2024年2月14日に大統領選挙の第1回投票と議会選挙が実施されます。

インドネシアを長年率いてきたのはジェコ大統領で、70%を超える高い支持率を誇っています。しかし、インドネシアでは三選を禁止しているため、ジェコ大統領は出馬できません。

そのジェコ大統領の政策路線を引き継ぐとみられるのがプラボウォ氏とガンジャル氏です。一方、アニス氏はジョコ大統領の批判票を取り込む構えです。3名のうち現時点で、副大統領にジェコ大統領の長男を指名しているプラボウォ氏が有力とみられています。

また第1回投票でインドネシアの大統領に選出されるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 50%以上の票を獲得する
  • インドネシア全州のうち、少なくとも半分以上の州で最低20%の票を獲得する

第1回投票で条件を満たす候補者がいない場合、得票数上位2名による決選投票です。決選投票は6月26日に実施されます。

インドネシアは中国の「一帯一路」に参加しつつ、インド太平洋地域で米国との軍事演習を実施するなど、中国・米国とのバランス外交を展開しています。次の大統領がどのような政権運営をするのかに注目です。

3月17日:ロシア大統領選挙

3月17日に実施されるロシア大統領選挙は、プーチン大統領の再選が有力視されています。

またウクライナへの軍事侵攻で一方的に併合を宣言した、ドネツク州・ルハンシク州・ザポリージャ州・ヘルソン州の4州でも選挙を強行する構えです。ウクライナはこれに強く反発し、国際社会にロシアへの制裁を求めています。選挙を強行された場合の欧米各国の対応にも注目が集まっています。

4月10日:韓国総選挙

現在、韓国の与党の「国民の力」は300議席のうち111議席で議席が半数以下です。そのため、4月10日に実施される総選挙で、与党は「ねじれ状態」の解消を目指しています。

尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の就任で日韓関係に回復の兆しがみえているため、日本にも影響のある選挙です。

加えて、今年の1月に入ってから北朝鮮が韓国を敵視する言動を繰り返しているのも注目すべきポイントです。金正恩総書記が「戦争を避けるつもりはない」と発言したと伝えられるなど、朝鮮半島情勢の緊張が高まっています。ただし、過去何度もみられた選挙前の挑発行為との見方もあります。

4月から5月:インド総選挙

インドでは4月から5月にかけて複数の週にわたり、総選挙が実施されます。有権者が9億人を超える世界最大の民主主義国家のインドは、グローバル・サウスの代表格でもあります。

近年、国際社会でグローバル・サウスは存在感を増しているため、インドの総選挙も注目されているのです。

今回のインド総選挙は、現政権のモディ首相が3期目を目指す選挙です。現在のところ、モディ首相の続投が有力視されています。

ただし、インド政府がカナダの殺害事件に関わっていたとして、カナダと外交問題を抱えています。さらには米国内でもインド政府による暗殺疑惑が浮上しており、世論の風向きが変わる可能性もゼロではありません。

6月6~9日:欧州議会選挙

2024年6月6~9日に、欧州議会選挙が実施されます。そもそも欧州議会とは、EU加盟各国の選挙で選ばれた議員で構成されるEUの立法機関です。選挙は5年に1度実施され、議員数は加盟国の増減などにより調整されます。

2024年に実施される欧州議会選挙は2029年までの任期の議員を選出し、議員数は720名です。

EUではウクライナ侵攻やイスラエル・ハマス紛争といった地政学リスクが問題です。加えて、移民・難民の受け入れが各国で議論の対象となっています。これらの問題や課題を背景に、EU各国で右派政党が台頭しており、今回の選挙でも右派政党が票を伸ばせるかに注目が集まっています。

またEUは、世界に先駆けて環境規制を強化してきました。しかし、現在は環境規制疲れにより、一部の加盟国から環境規制強化をけん制する動きもあります。欧州議会選挙の結果により、環境規制の緩和や解除などの政策変更の可能性も考えられます。

11月5日:米国大統領選

全世界に大きな影響をおよぼす可能性があるのは、11月5日の米国大統領選です。

バイデン大統領とトランプ前大統領の再戦になるとみられており、トランプ前大統領が勝利すれば以下のような政策を決定する可能性があるためです。

  • ウクライナ支援の打ち切り
  • NATOからの脱退
  • 輸入関税の引き上げ
  • 対中強硬政策
  • 化石燃料への回帰

トランプ氏は過激な発言が多いものの、依然として米国内では支持率が高いのも事実です。1月15日に実施されたアイオワ州の共和党候補者選びでは、トランプ前大統領が51%の得票で勝利しました。

ただし、トランプ氏は2021年の米議会襲撃に関わったことから、複数の州で出馬資格はく奪の訴訟が起こされています。しかし、連邦最高裁判所が保守寄りのため、最終的にはトランプ氏に有利な判断がされるとみられています。

一方、バイデン大統領はすでに80歳を超え、高齢を理由に支持が伸び悩んでいる状態です。これらのことから、トランプ氏の再選に備える必要があるといえるでしょう。

日本や英国で選挙が行われる可能性も

2024年は世界中で重要な選挙が行われる1年です。加えて、英国や日本でも選挙が行われるかもしれません。何もなければ、英国は2025年1月までに、日本は2025年10月までに衆議院総選挙が行われます。しかし、どちらも政権運営によっては、2024年中に実施される可能性もあるためです。

各国の選挙結果によっては日本経済に影響がでたり、地政学的なリスクが高まったりすることも考えられます。今年は海外の選挙の動向に注目しましょう。

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