東南アジアで見た国産自動車の今

今回、ある調査のためにベトナム、マレーシア、タイ、インドネシアの4ヵ国を訪れました。

これまで製造業の海外調査およびコンサルティングに関わってきたことが多く、出張先でも自動車の動向を気に留めてしまいます。そういった目線で街並を見てみると、昨今は日本車や外国車に交じって現地の国産自動車を見かける機会も増えてきました。

そこで、今回は東南アジアの国産自動車について現地の人たちに聞いた話とその話を裏付ける動きについて、概要のみとなりますがまとめました。

存在感を増す東南アジア新興国の国産自動車

今回の出張で訪れたベトナムでは、現地の自動車最大手であるチュオンハイ自動車(THACO)のバスをたびたび目にしました。

チュオンハイ自動車(THACO)

THACO

http://www.thacogroup.vn

THACOではマツダ、プジョー、韓国の起亜などと提携して車の製造販売を行っているほか、トラックやバスの製造も独自に手掛けています。

 

市民の足としてはまだバイクが一般的ではあるものの、ベトナム国内の新車販売台数は2016年に初めて30万台を超え、2014年の約2倍という驚異的な速さで普及が進んでいます。

 

こうした市場の拡大を受け、2017年9月にはベトナムの不動産最大手であるビングループも自動車産業に参入することを発表しました。同社は「VINFAST(ビンファースト)」というブランド名でメイドインベトナムの自動車製造を開始する予定です。

ベトナム初の国産車、不動産大手ビンが参入

 

また、政府も同社を積極的に後押しする姿勢を見せており、ベトナムでは今後もさらなる自動車市場の拡大が見込まれています。

 

タイやインドネシアはいまだに自動車市場のほとんどを日本車を始めとする海外製自動車が占めている状況ですが、マレーシアでは国産自動車メーカーの「Proton(プロトン)」と「Perodua(プロドゥア)」の2社が大きな存在感を示しています。

Proton(プロトン)

Proton

http://www.proton.com/

プロトンは1983年、マハティール元首相による国産車構想の下、政府の支援を受けて設立されたマレーシア初の国産自動車メーカーです。2000年代初頭まで国内シェア50%以上を誇り、マレーシアの国産車普及に貢献しました。首都クアラルンプールでも多くのプロトン製タクシーが走っています。

Perodua(プロドゥア)

Perodua

http://www.perodua.com.my/

日本のダイハツ工業とマレーシア資本の合弁会社であるプロドゥアは、プロトンに続く第2の国産自動車メーカーとして1993年に誕生しました。2006年以降、プロドゥアはプロトンや日本車を抜き、11年連続でマレーシア国内の自動車市場トップシェアを維持しています。

 

このように、国によって大きく差はあるものの、これまで日本車が大きくシェアを占めていた東南アジアの自動車市場は少しずつ変化を見せているようです。
では今後、東南アジア新興国の自動車市場はどうなっていくのでしょうか。

東南アジア自動車市場の行く先

2018年からは東南アジア諸国連合(ASEAN)域内における関税が完全撤廃されることになっており、各国の自動車市場にも大きな変化がもたらされると予想されます。
これを受け、ベトナムでは同年1月から自動車部品にかかる特別消費税を国内製に限って全額免除するなど、国内の自動車産業を保護する動きを見せはじめました。

ベトナム、自動車部品関税ゼロに 組み立て産業保護で18年から

また、急激な経済成長によって環境問題が深刻化しつつある東南アジア諸国において、電気自動車(EV)をはじめとするエコカーの導入も大きな注目を集めています。
EV普及計画を推し進めているタイ政府は、観光客に人気の三輪タクシー「トゥクトゥク」を2022年までに全て電気自動車に切り替えるという方針を発表しました。

 

インドネシア政府も電気自動車を生産するメーカーに対して部品輸入にかかる税率の引き下げを検討しており、各国がエコカーの導入に乗り出しています。

国産電気自動車、部品の輸入関税を5%に

こうしたさまざまな動きの中で、東南アジアの自動車市場はこれからも刻一刻と変化を遂げていくでしょう。今はまだ些細な変化でも、成長著しい東南アジアにおいては、近い未来には大きな変革をもたらすかもしれません。

 

EV化、自動運転、コネクテッドカーといった技術軸での変化に加え、中印自動車メーカーの台頭、続く東南アジアといった地域軸での変化もめまぐるしく起こっています。対する日本も市場の動きを常に把握し、自社の技術を生かせる新たなビジネスチャンスの創出を積極的に図っていく必要があります。

そのためには、ミクロの事象まで深く掘り下げ、その変化をリアルタイムで感じている現地の声に耳を傾けることが重要なのではないでしょうか。

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