ニュージーランドの農業事情—“今”から何を学ぶか—

今回は、ニュージーランドで実施した現地調査から、ニュージーランドの農業の現状と、日本を含めた今後の農業のあり方について考察したことをお伝えします。

ニュージーランドは農業大国

ニュージーランドについて皆さんはどのようなことをご存知でしょうか。
ニュージーランドが南半球に位置していて、オーストラリアと同じく日本と季節が逆転しているということを知っている方は多いかもしれません。

 

実は、気候は日本と少し似ていて、降雨量が一定以上あり、湿度もあります。

 

また、移民が多く、首都・ウェリントンやオークランドは4割以上が移民です。特に東アジアやヨーロッパ、太平洋諸国からの移民が多く、日本人も少なくありません。

 

そんなニュージーランドの産業は、国内に限って言えば多くの先進国と同じくサービス業が中心です。サービス業のなかでも、豊かな自然を活かした産業展開を行なっており、観光はもちろん、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズを始めとした映画のロケ地に数多く使われており、実は私たちにとって目にすることが多い国でもあります。

 

また、輸出産業という点で言えば、ニュージーランドは農業大国です。特に畜産物やキウイは日本にも多く輸入されています。

 

ところがニュージーランドの農業事情は日本からは少し特殊に見えます。
日本のように小さな農家がいくつもあって、JAに集約されるという体制ではなく、少数の農家が大規模生産を行っている状況です。つまりJAのような機能あるいは機関は存在しません。

 

なぜかというと、ニュージーランドでは日本のように農業に関して国からの補助金が出たり、政府が介入したりしないからです。

1970年代にはオイルショックの影響もあって農家に補助金を出し、国家財政を立て直そうとしたこともありました。しかし、主要産業で従事者が多く補助金が膨大になってしまうこと、農機等の輸入製品が高額であったことなどによって経済が破綻寸前まで陥りました。そして80年代半ばの政権交代を機に、国からの補助金を打ち切り、今の形に落ち着いたのです。

参考:ニュージーランドの農業はいかにして規制改革を乗り越えたか

 

その後政府は、第一次産業省(日本の農林水産省のようなもの)を通じて、国内に輸入される農産物の検疫強化や、食品安全の取り組みなどは行なっていますが、あとは各々の農家に任せている体制です。

自分たちの力で発展させる

今回はニュージーランドの農業の中でもトマト市場について調査を行いました。

 

ニュージーランドはトマトの需要がとても高く、野菜の中ではジャガイモの次に食べられています。市場(いちば)やスーパーマーケットでもキロ単位で売っていて、市場としても非常に大きいです。

 

これらトマトの栽培は、主に大規模なグリーンハウスの中で水耕栽培にて行われていています。

トマト 栽培

トマト 販売

 

また、流通は卸売を介するのではなく、スーパーマーケットチェーンと直接取引をしているケースが多いです。

トマト 水耕栽培

こうした栽培・流通方法に至るまで、紆余曲折あったようですが、採算が取れる方法を自分たちの力で考え、長い時間をかけて改善を繰り返した結果といえます。

 

政府の恩恵にあずかれない以上、ちょっとしたことが農家にとって命取りとなります。たとえ不作になったとしても自分たちの力でどうにかしなければならない。しかし、裏を返せばそういった対策をし続けて、今のニュージーランドの農業があります。

これからの“農業”を考えるために

現在日本では政府からの補助を受け、JAが中心となって安定した農業経営が行われています。しかし今後、政府からの補助がなくなる時代が来るかもしれません。

 

今回はニュージーランドを例に挙げましたが、他国の農産業の現状を知るということは、日本国内の今までの農業を振り返り、これからの農業の未来を考えるうえで、非常に重要なことではないでしょうか。

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