Apple(アップル)社とはどんな会社?会社概要や経営状況を解説

Apple(アップル)社とは、アメリカに本社を置く大手IT企業です。iPhoneやiPod、Macなどのデジタル家電製品でお馴染みです。創業者のスティーブ・ジョブズ氏は、起業家・実業家としても有名で、カリスマ的な人気があります。

Appleは同氏が亡くなった後も先進的なデバイスを開発・販売しており、常に注目を集めています。最近では、新たなVRデバイスの「Apple Vision Pro」がアメリカで販売され、注目されたばかりです。

本記事ではApple社について知りたいという方に向けて、会社概要や経営状況についてわかりやすく解説します。

Apple(アップル)とはどんな会社?

出典:Apple

Apple(アップル)はアメリカに本社を置く世界有数のIT企業です。アメリカの巨大企業の4社を意味するGAFAの一員でもあります。GAFA(ガーファ)は、Google・Apple・Facebook(現メタ社)・Amazonの頭文字からつけられた造語です。この章ではAppleの会社概要や経営理念、事業内容を紹介します。

会社概要

Appleの会社概要は以下のとおりです。

社名Apple Inc.
設立1976年
本社アメリカ
従業員数約161,000人
売上高3,833億ドル
海外拠点数52カ国で数千以上

2023年6月にAppleは、iPhoneの新シリーズへの期待感から株価が上昇し、世界で初めて時価総額が3兆ドル(450兆円)を超えました。なお2024年2月時点でAppleの時価総額は2.8兆ドル(420兆円)です。マイクロソフトの2.9兆ドル(435兆円)に次いで、世界2位の時価総額を誇っています。

経営理念

Appleがどのような経営理念を掲げて成長したのか気になる方もいるでしょう。しかし、Appleには明文化された経営理念がありません。明文化はされていないものの、「シンプルに考え行動すること」を重視しています。この考え方を浸透させることで、成功に導いたといえるでしょう。

コーン・フェリーとFORTUNE誌が毎年実施している「世界で最も称賛される企業」においても、16年連続で1位を獲得しているほどです。

事業内容

Appleはデジタル家電の開発・設計に強みを持つ企業で、主要事業は以下の5つです。

・スマホ事業

スマホ事業は、iPhoneの開発・販売です。2023年のiPhone出荷台数は2億1,400万台で、Appleの売上を支えています。

・パソコン事業

パソコン事業は、macOSを搭載したApple製パソコンの開発・販売です。macOSを搭載したパソコンはAppleのみが販売しており、デザインや品質の高さで根強い人気があります。

・タブレット事業

タブレット事業はiPadの開発・販売です。世界のタブレットの半数以上がiPadといわれています。

・ウェアラブル端末事業

現在ではさまざまなメーカーからスマートウォッチが発売されていますが、火付け役はAppleのスマートウォッチです。

・アプリストア事業

Appleは、iPhoneやiPad向けのアプリストア「App Store」を運営しています。App Store経由でのアプリ購入やアプリ内課金の一部を仲介料として受け取ることで、収入を得ています。

Apple社の歴史

Appleはこれまでに、近未来的・先進的なデバイスをいち早く販売することで多くのファンを獲得してきました。

その始まりは、1977年の「Apple II」と名付けられたパソコンの発売です。1984年には「Macintosh(マッキントッシュ)」を発売し、世界的に大ヒットしました。

2001年のiPodは音楽をダウンロードで聞けるようにし、2008年のiPhoneでスマホが一気に普及します。さらに2010年にはiPad、2023年には「Apple Vision Pro」を発売しています。

このように時代を先取りした製品を開発・販売することで、大きな成功を収めたのがAppleといえるでしょう。

Appleの経営状況

Appleの直近の売上高と営業利益の推移は以下のとおりです。

参考:Apple「News and Results

2023年のAppleの売上高は3,833億ドルで、営業利益は1,143億ドルでした。3年連続で営業利益が1,000億ドルを突破しており、好調を維持しています。

2023年のAppleの地域別売上高は以下のとおりです。

参考:Apple「News and Results

アメリカ42.7%と最も規模が大きく、ヨーロッパ、中国と続きます。2023年の日本での売上高は242億円で全体の6.4%でした。

Appleの事業別売上高・営業利益の推移

Appleの事業は、大きく分類すると「Products」と「Services」の2種類です。Productsは製品で、Servicesはサービスを意味します。2023年の売上高はProductsが2,981億ドル、Servicesが852億円でした。この章では各事業の売上高の推移から、Appleが利益を上げている事業を考察します。

Products:製品事業

Productsの売上高はAppleの製品事業のことで、さらに4つの事業に細分化されています。

iPhone

iPhoneは全体の売上高の52%を占めるAppleの重要な事業です。2年連続で2,000億ドルを突破しており、iPhoneの人気の高さが伺えます。

参考:Apple「News and Results

ただし、2022年よりも約49億ドルも減少しました。その要因はiPhone Pro以外のモデルの売上が減少したことにあります。

Mac

MacはAppleの全体売上高の7.7%を占めています。売上高の推移は以下のとおりです。

参考:Apple「News and Results

2022年度はパソコンの特需があり、売上高が急拡大しました。しかし2023年度は、反動で急激に市場が冷え込んでいます。

iPad

iPadはAppleの全体売上高の7.4%を占めています。売上高の推移は以下のとおりです。

参考:Apple「News and Results

iPadはコロナ禍で需要が拡大したものの、コロナの自粛生活や規制が緩和された現代、需要が落ち着いたといえます。

ウェアラブル・アクセサリー

ウェアラブル・アクセサリーはAppleの全体売上高の10.4%を占めています。売上高の推移は以下のとおりです。

参考:Apple「News and Results

ウェアラブル端末の売上高は、2023年度は減少したものの、増加傾向が続いています。Appleの成長事業といえるでしょう。

Services:サービス事業

サービス事業はApple全体の売上高の22.2%を占める事業です。以下の売上高のグラフのように、右肩上がりに売上高が増加しています。MacやiPadが苦戦するなか、着実に成長している事業となります。

参考:Apple「News and Results

Appleの成長戦略・事業戦略

出典:Apple「Apple Vision Proが登場 — Appleが開発した初の空間コンピュータ

Appleはこれまで、iPhoneやiPadなど先進的なデバイスを発売し、ユーザーを囲い込む戦略をとってきました。

次の成長戦略として重要視されているのは、VR(仮想現実)や生成AIです。すでにアメリカでは、機能性・デザイン性に優れたVRデバイス「Apple Vision Pro」を発売し、大きな話題を集めています。

今後、ほかのデバイスと同様に、Appleの主力事業になることが期待されています。

Apple社は新たな価値を創造することで成長

Appleは、これまでにはない新たな価値を創造することでブランド価値を高め、成長してきました。具体的には、iPhoneやiPodなどの近未来的なデバイスの発売です。今後もVRデバイスや生成AIの開発により、注目を集めることでしょう。

ブランディングに悩みを持つ企業は、Appleの戦略を参考にしてみてください。

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