海外クリスマス市場。各国のクリスマスの経済効果と過ごし方の紹介

ヨーロッパではクリスマスまでの約4週間のことを「アドベント」と呼び、この期間、人々はイエス・キリストの降誕を待ち望みながら家族と過ごします。欧米では宗教上の理由から、クリスマスを祝わない立場の人たちもいることから、「メリー・クリスマス」の代わりに「ハッピー・ホリデーズ(Happy Holidays)」を使うことも多いようです。

 

日本ではクリスマスの時期になると街のイルミネーションが始まり、家族でゆっくり過ごすのではなく友達や恋人と過ごすのが主流です。25日が終わると同時にイルミネーションも消え、街は急にお正月への雰囲気が高まります。ここでは世界のクリスマス市場、日本のクリスマスの歴史、世界各地のクリスマスの過ごし方についてご紹介します。

 

クリスマスの経済効果とコロナ渦の年末商戦

日本におけるクリスマスの経済効果は約6,700億円と言われており、1,000億円台のバレンタインやハロウィに比べて圧倒的に大きな金額となっています。

しかし、規模は年々縮小傾向にあると言われています過去最大の効果があったとされる2005年には1兆1,000億円と言われていましたが、少子高齢化やクリスマスへの意識の薄れ(特別視しなくなった)から14年間で40%ほど経済効果は減っています。

 

コロナ渦でも年末商戦は好調

コロナ渦で外出規制や人と気軽に会うことができなくなった環境において、クリスマス商戦は落ち込むと予測されていました。しかし、アメリカのU.S.Censusの調査では、2019年の1687億ドル(約18兆円)と比べて2020年は3~5%上昇する見込みです。

クリスマス市場規模

https://jp.techcrunch.com/2020/11/24/2020-11-23-despite-pandemic-forecasts-predict-u-s-online-holiday-sales-increase-of-20-30-or-more/

 

2020年が困難な年だったにも関わらず好調だったのではなく、困難な年だったから功を奏したとも言えるでしょう。コロナ渦で外出を控える人が多い中、ECへのシフトが一段と加速したことが大きな要因です。

 

日本を見てみると、楽天は、コロナ渦においてクリスマスプレゼント、お歳暮、おせちをオンラインで購入する流れが拡大していると発表しています。それでは次に日本や各国のクリスマスの過ごし方をご紹介します。

 

日本のクリスマスの歴史

日本以外の国ではクリスマスは日本のお正月と同じような行事です。海外の多くの国において、特にキリスト教が多い地域では、クリスマスは家族とゆっくり過ごすものと捉えられています。

日本では恋人同士や友人同士で過ごすというのがイメージとして強いですが、このことは欧米人にとって不思議に感じるそうです。

しかし、キリスト教の文化を持たない仏教や神道の影響を強く受ける日本人が、欧米人と同じような伝統的なクリスマスの過ごし方をできないのはある意味当然です。

それでは、日本にクリスマスはいつ入ってきたのか、これまでクリスマスはどのような歴史をたどってきたのかを見てみましょう。

 

キリスト教は16世紀に日本に伝来しましたが、徳川幕府によって禁止されていたため、クリスマスという行事はありませんでした。明治以降も禁止されていたので、一部の信者やインテリ層を除き、一般人はクリスマスを祝う習慣はありませんでした。

 

20世紀の日露戦争に日本が勝ってから、信者でない日本人たちもクリスマスを祝い始めるようになります。1906年の新聞にサンタクロースが登場し、普通の家庭でもプレゼントの贈り合いが一般的になってきました。

1960年代になるとサラリーマンのパパが、ケーキとプレゼントを買ってマイホームに向かう様子が多くみられるようになり、1960年代から1970年代にかけて、「子供のお楽しみの日」という認識が定着します。しかし、1980年代に入り、「大人のクリスマス」が突如として出現します。

クリスマスイブはカップルのためのものだという認識は、1983年から1987年に定着したと言われています。

流れが急に変わったのは、商業的な戦略も大いにあるでしょう。

日本人にとって1年で最も重要な行事はお正月で、家族と過ごす行事と言えばお正月になります。

そのため、わざわざクリスマスに家族で過ごさなくてもいいのではないかという発想もこの風潮を後押ししたかもしれません。

 

それでは次に各国のクリスマスの過ごし方を見てみましょう。

 

アメリカ

アメリカクリスマス

https://www.yokumoku.jp/pages/123

 

12月25日はイエス・キリストが誕生した日を祝福する宗教的な日のため、キリスト教徒でなければクリスマスを祝わないのが普通となっています。しかし、19世紀頃から日本と同様にアメリカではクリスマスが商業化されるようになりました。キリスト教徒でなくてもお祝いをするという「非宗教的なイベント」として楽しまれています。

 

アメリカのホリデーシーズンは、11月第4木曜日のサンクスギビングデー(Thanksgiving Day)が終わると同時に始まり、街は一気にクリスマスムードになります。サンクスギビングデーでターキーを食べるのは有名ですが、実はアメリカ人はクリスマスでもターキーを食べる家庭が多いようです。

ヨーロッパから移住民としてアメリカで生活していけるようになったのは七面鳥という食用肉があったからだという意識が強く、縁起物として捉えられているからです。

 

ヨーロッパ

ドイツとイギリスのクリスマスをご紹介します。

 

ドイツ

ドイツはクリスマスマーケットの聖地と言われるほど、ほとんどの都市や街で、クリスマスマーケットが開かれています。この時期は、ドイツでで最も経済効果が生まれる期間と言われています。

大都市のマーケットは2500以上あり、最も有名なのはニュルンベルクの「クリストキンドレスマルクト」は、毎年200万人以上の訪問者でにぎわいます。

 

マーケットでは、様々な地方の伝統として何世代にも渡って受け継がれた品物が提供され、特に中心となるのは、手作りのクリスマスオーナメントです。またクリスマスに欠かせない地方独特の焼き菓子などが手に入ります。

 

※レープクーヘン

レープクレヘン

https://bestpresent.jp/news/AXqhzNF2

 

ドイツのクリスマス菓子といえば、日本でも有名なシュトーレンがあります。24日のメインディッシュはガチョウや鴨のローストが主流です。

シュトーレン

https://www.yokumoku.jp/pages/123

 

 

イギリス

イギリスでは、クリスマスは家族だけでなく親戚一同でお祝いする習慣があり、12月25日の13時頃からランチとして豪華な食事を取ります。イギリス伝統のクリスマス料理はターキーやガチョウのローストです。25日15時からは、テレビでエリザベス女王によるクリスマスメッセージがライブ中継されます。

 

イギリスのクリスマスシーズンで最も重要なもう一つのイベントは26日に行われる「ボクシングデー」です。プレゼント箱の「BOX」にちなんだ名前で、この日からウィンターセールが幕開けとなります。

イギリスクリスマス

https://www.leeds-live.co.uk/best-in-leeds/shopping/gallery/next-sales-sales-trinty-leeds-17474134

 

 

中国

中国では日本と同じく旧正月と呼ばれるお正月が、家族にとっては重要です。そのため、クリスマスは家族で過ごすよりも友達や恋人と過ごすのが主流です。

日本ではクリスマスのすぐ後にお正月がやってくるので、クリスマスの次は新しい年という感覚があります。一方中国では、クリスマスの後に2ヶ月期間があるので、日本人の感覚とはまた異なるでしょう。

2021年の旧正月は、2月12日(金)で、旧正月の期間は2月11日(木)~2月17日(水)と約1週間お休みがあります。

 

https://chukaeki.com/chunjie/

 

 

日本と同じく、大半の中国人にとってクリスマスの宗教的な意味合いは薄いことから、クリスマスは商業界が経済効果を得るために盛り上げているようです。

最近流行っている中国独特のクリスマスの習慣は、リンゴをクリスマスの贈り物にするというものです。クリスマスイヴの中国語「平安夜」の「平」の字の発音が、リンゴの中国語「苹果」と同じである事から、リンゴをクリスマスに贈るようです。

これも意図的に作りだされたクリスマス商戦の1つで、まだ一般的なものとして浸透しているとは言えません。

https://smile-chinese.sakura.ne.jp/chiristmas_apple.html

 

 

ASEAN

旧正月は中国だけでなく、東南アジアや世界各地でも祝われる祝日のため、ASEAN諸国でも固定の休日となっています。日本や中国と同様に家族と過ごすのがお正月のため、キリスト教徒でない限りクリスマスの意味合いはそれほど強くありません。ここでは、シンガポール、インドネシア、タイの他に、キリスト教徒の多いフィリピンをご紹介します。

 

シンガポール

クリスマスの時期、シンガポールは常夏なので、常夏の気温と雰囲気中でイルミネーションを楽しむことができます。多民族国家のシンガポールには様々な宗教を持った人がいますので、それぞれの楽しみ方をしている人々が多いようです。

 

インドネシア

中部ジャワ州の人口約18万の街「サラティガ」では、キリスト教徒が多いため、盛大に祝われます。日本と同様にインドネシアでもクリスマスは大きな経済効果を得るチャンスです。

しかし、他のASEAN諸国と異なるのは、インドネシアではイスラム教徒が数派派のため、今までに宗教上のトラブルがあったことです。インドネシアイスラム法学者協会は、2016年に、「ムスリムが他の宗教に属しているかのように振る舞うのは許されない」という厳しい見解を示しています。

 

タイ

https://asianwaker.com/2017/12/21/christmas/

国民の90%以上が仏教を信仰する仏教国タイでも、25日は通常の日です。クリスマスから旧正月の時期にクリスマスと新年のグリーティングカードを贈り合う習慣があります。タイは2月の旧正月を過ぎても、まだ街並みにクリスマスの飾りや「Happy New Year」の飾りが残っていることが多いようです。

 

フィリピン

キリスト教徒が80%以上であるフィリピンにおいて、クリスマスはとても大事な日として位置づけられています。街ではクリスマスの3ケ月前の9月からクリスマスソングが流れ、飾りなどが店頭に並び始めるそうです。

そして、日本、中国、上記で紹介したタイなどと違い、クリスマス教徒の多いフィリピンでは、欧米と同じように当日は家族で過ごします。クリスマス料理の代表的なものは「レチョン」と呼ばれる豚の丸焼きです。

https://www.ptn.com.ph/excite_cebu/%E3%83%AC%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%B0%82%E9%96%80%E5%BA%97%E3%80%8Cricos-lechon%E3%80%8D%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F%EF%BC%81/

※レチョンを切り分けたもの

 

レチョンはクリスマスだけでなく、誕生日やお正月などのお祝いの日にも食卓に並ぶそうです。

 

■最後に

日本のクリスマスの歴史や、他国のクリスマスの過ごし方を知っていただけましたでしょうか。

今年はコロナ渦でクリスマスの経済効果はあまり期待されていませんでしたが、小売りではECによって活況となりました。12月現在、感染拡大防止のため日本は東京のGo Toトラベルが中止になりましたが、来年のクリスマスは人々が感染を気にせずに通常通りの楽しみ方ができるといいですね。

 

<参考>

http://www.news-digest.co.uk/news/features/15788-christmas-in-europe.html

https://www.nichibeieigo.jp/kotsukotsu/conversation/1098/

https://www.nichibeieigo.jp/kotsukotsu/conversation/1098/

https://christmas-party.anyosio.jp/%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%82%8A%E5%A4%89%EF%BC%9F%EF%BC%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%8B%AC%E8%87%AA%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E/

https://onsuku.jp/blog/hsk2_lilaosi_002

https://www.spintheearth.net/travel_china_xmas/

https://xn--u9j2g4aap6e5e7b5fya2fu733gv3zf.com/blog/xmaschina-181204.html

https://www.singaporenavi.com/special/5054281

https://www.spintheearth.net/thailand-xmas/

https://www.bangkoknavi.com/special/5054313

https://www.indonesiasoken.com/news/indonesianochristmas/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO10971820S6A221C1000000?unlock=1

https://ecnomikata.com/ecnews/25647/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000067873.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66549140U0A121C2000000

https://stworld.jp/earth_info/SG_1BI/diary/58906269d9e8b8.93951149/

https://award-finance.com/lifeplanning/1468/

https://www.eflora.co.jp/f_xmas/colum/xmas/02/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66675440W0A121C2FF1000?unlock=1

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/286228.html

https://ethosjp.com/blog/christmas/

https://okipin.com/philippines-christmas/

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