おつまみメーカー各社の動向。コロナ禍で巣ごもりの追い風の業界。なとり vs ネスレ vs 森永製菓 vs 明治製菓 vs 岩塚製菓

コロナ禍において、食に関する変化は大きいものでした。飲食店は営業自粛が命じられ、消費者は大勢での集まりや飲食店での飲み会が制限されました。

2021年5月現在、緊急事態宣言が出ている都市部では酒類を提供が禁止され、かつ、時短営業の要請が出ました。

こうした事態から「おつまみを買って自宅で楽しむ」需要を押し上げています。ここでは、コロナ禍で変化した「おつまみ需要」を取り上げ、おつまみ市場にどのような動向の変化が起きているかについてご紹介します。

 

自粛による家飲み需要の拡大状況

飲み自粛

https://www.sankeibiz.jp/business/news/210115/bsm2101151856004-n1.htm

 

新型コロナウイルス感染症の影響を受けたウィズコロナの日常は、家具・家事用品やゲームソフト等、衣食住の場面において、様々な「巣ごもり需要」を生みだしました。特に家庭内で消費される食品は、著しい需要拡大を見せています。

 

ビール

新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活様式の変化により、2020年のビール類市場は大きく影響を受けました。

外食自粛により業務用需要が消えてしまったビール会社大手は、今年もコロナの影響を受け続けることを踏まえて販売戦略を立てています。ビール販売数量が占める家庭向け缶ビールの比率は上昇しているため、今後は、家庭向け商品の拡充、健康志向をキーワードとして路線を一時的に変更しているようです。

 

第3のビール

コロナ禍で外食自粛となる中、食卓にアルコールが登場する機会が増え、低価格の「第3のビール」が人気を集めました。

ビール業績

https://mainichi.jp/articles/20200711/ddm/008/040/096000c

 

新型コロナウイルス感染拡大前から第3のビールがビールを逆転することは予測されていましたが、この巣ごもり需要によってさらに促進されたと言っても過言ではありません。

ウィスキー

自粛の影響により、1世帯当たりの年間支出額の上昇率が最も高かったのは、実はウイスキーでした。前年から36.6%も増加しています。

ウイスキー

https://diamond-rm.net/sales-promotion/63210/

 

おつまみ企業各社の動向

2020年は、前年比で自宅用の鯛の消費33.5%上昇、うなぎのかば焼きの消費が27.1%上昇しました。

外食で美味しいものを食べる機会が減った分、自宅で高級食材を購入する人が増えたためです。

 

下記の図は、GoogleTrendsの「おつまみ」の検索頻度です。巣ごもりの追い風を特に受けたのが、お酒の消費上昇に伴って発生した「おつまみ」需要です。外出自粛の影響で家飲み需要が拡大し、それに比例しておつまみ商戦が活発化しているのです。

おつまみ指標

https://nsk-shokumirai.com/2020/05/01/covid-19-supermarket-otumami/

 

緊急事態宣言発令直後、その週末に急上昇していることが分かります。これまで外食店でおつまみを楽しんできた生活者が、急に自分で作らなければならなくなり、おつまみのことを調べている姿が伺えます。

 

マイボスコムが2020年6月1〜5日の期間に、20代から70代の男女、計1万213人を対象に行ったウェブ調査では、自宅でお酒を飲む人のうちお酒と一緒におつまみを食べる人は9割強で、「必ず食べる」は62.9%となり、これは2017年時の57.6%から増える結果となりました。

スナック菓子、チーズなどの他カテゴリーでもおつまみ需要が拡大していることが推測できます。このような状況において、菓子・食品メーカー各社は、おつまみ用の新商品開発や販売促進キャンペーンを積極的に展開しています。各社の動向を見てみましょう。

 

なとりの「チータラ」

チータラ

https://liledefromage.com/cheesetara/

なとりが発表した2020年4~6月期の連結決算において、純利益が前年同期比78%増の3億100万円と、同期間で4年ぶりの高水準となりました。主力の「チータラ」が特に好調だったようです。

 

ネスレ日本の「キットカット スナックス」

チョコレート菓子「キットカット」が初のおつまみ菓子として「キットカット スナックス」を2020年7月に発売開始しました。

キットカット

https://otakei.otakuma.net/archives/2020070807.html

 

家庭内での飲食機会の増加やオンラインの飲み会などの広がりを受けて、ボールタイプのキットカットに、塩ローストアーモンド、チーズ風味の大豆の3種をアソートした商品を開発。ネスレ日本は「どんなドリンクにも合うように、種の素材の組み合わせがベストだと考えた」と述べています。

 

森永製菓の「チョコボールのなかみ うましお味」

森永製菓のお馴染みのチョコレート菓子に「大玉チョコボール」があります。

この商品に使うピーナッツを塩味にし、チョコレートをかけずに商品化した「チョコボールのなかみ うましお味」が人気となっています。

チョコボール

https://nikkan-spa.jp/1668327

 

明治屋の「大人のプレミアムコンビーフ(燻製風味)」

コンビーフ

https://kanzume.news/headline/photo/84/

 

明治屋は、人気の「おいしい缶詰」シリーズから、「大人のプレミアムコンビーフ」を2020年8月に発売しました。ウイスキーなど酒類と相性のいいコンビーフを燻製風味を効かせて仕上げています。

 

プリマハムの「つまみ鶏」シリーズ

プリマハムはおつまみ商品を2020年に立ち上げました。その中でも「つまみ鶏」シリーズが人気で、3商品新たに加わり、現在全6種類あります。

賞味期限は60日で従来よりも10日以上延長し、食品廃棄の抑制にも配慮しています。今後、部位や味の違う商品の展開を検討するようです。

つくね

https://www.primaham.co.jp/special/tsumami/

 

プリマハムの竹内俊彦常務執行役員は、「健康、プチぜいたく、家飲みがテーマとしている。ニューノーマルの生活様式のお客様目線で開発する」と述べました。

 

コロナ禍で誕生した新サブスク:オツマミ―とは?

オツマミー

https://nice-and-warm.com/snaqme-otsumame/

 

コロナ禍で販売開始した新たなおつまみのサブスクリプションサービス「オツマミー」が評判です。オツマミー(otuma.me)は、自宅での「晩酌の時間」の価値向上をコンセプトとし、おつまみの詰め合わせセットを展開しています。

ビールやワインなどのアルコールに合うおつまみには、人工甘味料、着色料、保存料など使用しない健康志向の承認で、素材本来が持つ美味しさを最大限に活かしています。オツマミーの第一弾が発売された2020年5月、すぐに完売するほどの売れ行きだったようです。

 

米菓が家飲み需要と健康意識で追い風

せんべい

https://diamond-rm.net/sales-promotion/74756/

 

つまみだけでなく、おやつにも小腹満たしにも活用される柿の種や小袋アソート商品が好調です。米菓 2020-2021年の市況は、第3四半期まで、米菓市場は2%増と堅調な動きとなっています。

日本人に馴染み深いおせんべいなどの米菓は、コロナ禍で不安の中安心安全なものを求める消費者ニーズにマッチしたようです。4~5月の緊急事態宣言中は15%増で推移しました。それでは次に米菓各社の動向も見てみましょう。

 

亀田製菓

亀田製菓

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000044632.html

 

亀田製菓は、つまみカテゴリーが非常に好調となり、「亀田の柿の種」が3.7%増、「つまみ種」が35%増と主力ブランドが牽引しました。スナックユーザーからの流入もあった「揚げ一番」も好調です。

 

三幸製菓

三幸製菓

https://mognavi.jp/food/2203421

ほぼ前年並みで推移していますが、特に「丸大豆せんべい」、「三幸の柿の種梅ざらめ」は二ケタ増となりました。

 

岩塚製菓

岩塚製菓

https://my-best.com/products/119806

 

第1Qは巣ごもり消費で「黒豆せんべい」や「味しらべ」が伸長しましたが、生活洋式の変化から、コンビニや観光地での売上げが低迷し、全体では微増となりました。

2020年12月は、関越道の大雪による立ち往生で、委託配送トラックの運転手が同社の菓子を配布したことがSNS上で話題となり、その反響で需要が高まりました。

 

ぼんち

コンビニの落ち込みがありましたが、スーパー、ドラッグストアが大きく伸び、6%増と好調に推移しました。2020年4~5月は、主力ブランドの「ぼんち揚げ」が二ケタ増となり、「ピーナッツあげ」、「海鮮煎餅シリーズ」も好調に推移しました。

 

こおろぎせんべい

こおろぎせんべい

https://fumfum100.com/cricket-rice-cracker/

 

昆虫食の文化は世界中にありますが、最近ではあまり馴染みのなかった私達の身近な生活にも徐々に広がってきています。中でもコオロギは、非常に栄養価が高く、同重量の牛肉に比べてタンパク質は2倍あり、カルシウムやアミノ酸は牛乳以上。その栄養価が注目されています。

なぜここ数年の間に、コオロギをはじめとする昆虫食が注目されているのでしょうか。栄養価が高いことだけが理由ではなく、「世界的な人口増加による食糧難」が背景にあります。このいつか直面する食糧難に備えるために各国が昆虫食に声を上げ始めたのです。

こおろぎ栄養単価

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00406/

 

 FAO(国連食糧農業機関)が昆虫食を推奨

世界的に人口増加が続いている中、いかに食料資源を持続的に確保するかは、避けて通れない課題です。動物性タンパク質の源となる牛や豚などの家畜を育てる家庭では、大量の飼料や水が必要な上、排泄物などからたくさんの温室効果ガスが排出されます。

一方、昆虫はタンパク質が豊富なだけでなく、飼料や水を与える必要もなく、温室効果ガスの排出もありません。環境への負荷が抑えられるため、2013年にはFAO(国連食糧農業機関)が昆虫食を推奨する報告書を発表し、欧米をはじめとし、昆虫食を扱うベンチャーが多数生まれました。

FAO

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03830870295

 

良品計画の「こおろぎせんべい」

2020年5月、大手小売りの無印良品がネットで「コオロギせんべい」の発売を開始しました。

食用に養殖されたコオロギの粉末を混ぜたせんべいで、一袋には約30匹分のコオロギが使われています。初回販売分は当日完売になるほど話題となりました。

コオロギせんべい

https://iemone.jp/article/gourmet/yamazaki_59583/

 

無印良品の「コオロギせんべい」は見た目は普通のせんべいにしか見えません。食べてみると、さっくり軽い食感で芳ばしく、エビせんべいそっくりの味だと言われています。

コオロギせんべい感想

 

レッドオーシャンになりつつあるコオロギ

無印の参入で注目が集まった食用コオロギなど昆虫食。無印だけでなく国内においてここ数年の間に昆虫食ベンチャーは続々と誕生しています。昆虫食の中でも集団養殖がしやすいコオロギは人気が高く、市場はレッドオーシャンになりつつあるようです。

2013年のFAOの報告書が発表されて以降、世界でも最も早く昆虫食への関心の高まりを見せた欧米では、同業者間の買収も起きています。昆虫食は事業のコピーもされやすいため、事業拡大においては難易度が高いと言われているのです。

 

2018年に京都で創業されたベンチャー企業BugMo(バグモ)は、食用コオロギを自動で養殖するシステムの開発や、メーカー向けコオロギパウダーの卸売りを行う昆虫食のベンチャー企業です。同社は、このような市場の特徴を察知し、一歩先を行く戦略を取っています。

一般消費者向けに創業時から販売してきた「コオロギパウダー入りプロテインバー」の生産を止め、2020年夏、コオロギの「出汁パック」を新商品として発売開始しています。創業者である松居佑典CEOは「栄養価などの数値ではなく、旨味や美味しさなどの感性で勝負したい」と語っています。

コオロギだし

https://bugmo.jp/

 

最後に

スーパーやコンビニに行くと今まで見たことのなかったおつまみが増えています。

家飲み需要が増えたことでおつまみ市場にも変化が出ています。しばらくウィズコロナの生活が続くと続くと考えると、おつまみ市場はこの堅調さが続くのではないでしょうか。

 

<参考>

https://toyokeizai.net/articles/-/363629?page=3

https://nextalk-uniadex.com/_ct/17398190

https://www.meti.go.jp/statistics/pr/rikatuyou_20210305/rikatuyou_20210305.html

https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=051&ng=DGXZQODZ05E4F0V00C21A2000000

https://www.ssnp.co.jp/news/snack/2020/07/2020-0728-1529-16.html

https://shokuhin.net/40187/2021/02/05/kakou/kashi/

https://www.excite.co.jp/news/article/Shokuhin_40187/?p=2

https://news.nissyoku.co.jp/news/yamamoto20210219034126377

https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/food/h_vol51/?P=2

 

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