海外事業を推進する際に重要な海外SNSマーケティング。Facebook、Instagram、Twitter、LINE、TikTok、LinkedInの特徴と動向を紹介

私達のコミニケーションツールとして欠かせないSNSの全世界におけるユーザー数は38億人を突破しています。国内のユーザーは7,975万人を超え、2022年末までには8,241万人へ増加すると言われています。

ここでは、 日々利用者数を伸ばすFacebook、Instagram、Twitter、LINE、TikTok、LinkedInのそれぞれの特徴、ユーザー数、企業の利用動向についてお話します。

世界と日本のSNSユーザー数ランキング

グローバル全体のランキング

Insta Labの「日本・世界のSNSユーザー数まとめ」によると、月間利用者数(MAU)で見た時のユーザ―数は下記のランキングになっています。FacebookがYouTubeと中国のWhatsAppに対して約7億の差で引き離し、一位となっています。

SNS名称月間利用者数(MAU)発表・出典元
Facebook27億4,000万人2020/10
WhatsApp20億人2020/02
YouTube20億人2020/11
(参照)
WeChat12億1,200万人2020/11
Instagram10億人2018/06
TikTok8億人2020/01
Linkedin7億2,200万人2020/11
(参照)
QQ6億1,740万人2020/11
Weibo5億2,300万人2020/06
Tumblr5億1,140万
(※ブログ数)
2020/11
(参照)
Pinterest4億4,200万人2020/10
Snapchat3億8,150万人2020/01
2億4,900万人
(※DAU)
2020/10
Twitter3億3,000万人2019/05
1億8,700万人
(※DAU)
2020/10
LINE1億6,700万人
(※主要4カ国)
2020/10
KakaoTalk4,579万人2020/11

https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/

※DAU:デイリーアクティブユーザー(1日の利用者数)

日本におけるランキング

一方日本における DAUは世界のランキングとやや異なります。

日本国内のSNS月間利用者数

1位:LINE 8,300万人
2位:Twitter 4,500万人
3位:Instagram 3,300万人
4位:Facebook 2,600万人
5位:TikTok 950万人
6位:Pinterest 530万人
7位:Linkedin 200万人

LINEが圧倒的な人気となっているのが大きな特徴で、Facebookが4位に来ているのた世界の動向と異なる点です。

それでは、それぞれのSNSの特徴、海外の登録状況、企業利用率などを見てみましょう。

Facebookの特徴

世界の利用状況

Facebookの全世界のユーザー数は、2020年10月時点で、27.4億人を突破しており、地域ごとの内訳は以下の通りとなっています。

  • 北米ユーザー 2億5500万人(9.9%)
  • ヨーロッパ圏ユーザー 4億1300万人(15.8%)
  • アジア圏ユーザー 11億6600万人(41.6%)
  • その他 9億600万人(33.1%)

北米では人口の70%以上が利用し、認知率はほぼ100%と想定されているため、今後爆発的な成長は見込めないでしょう。

ユーザー数の成長率を過去2年間から振り返ってみると北米やヨーロッパ圏のユーザーの成長が比較的鈍化しています。

一方、アジア圏やその他地域ではユーザー数が拡大しています。世界におけるFacebookの企業の利用率は80.4%、利用企業数にして9000万社を超えています。

Facebookユーザー数

日本の動向

日本ではFacebookのメインユーザーは30代~40代で、10代、20代はそれぞれ約149万人、約463万人と大きな差があります。世界に比べると国内ユーザー数は少なくなっており、今後若者層を取り込んでいけるかが日本のFacebookの課題とされています。

日本では10代の利用率は低いことから若年世代へのアプローチは不向きとされていますが、30〜50代をターゲットとした場合、細かなターゲティングが可能な広告が魅力とされています。

また、「ショップ」機能によって、有形商品をカタログ化してFacebook上で販売できることから、ECサイトへの集客や販売にもつなげることができます。

Instagramの特徴

世界の利用状況

Instagram

Instagramはスタンフォード大学卒のケビン・シストローム氏とマイク・クリーガー氏の二人によって立ち上げられたSNSで、成長率が高い点が注目されています。Instagramのリリースは2010年10月と、FacebookやTwitterなどに遅れを取っていましたが、サービス開始から「インスタ映え」という言葉で旋風を巻き起こし、現在ではTwitterのユーザー数を抜き、世界に約10億人のユーザー、国内では3300万人のアクティブユーザーを持っています。

この数字はどちらも右肩上がりとなっており、今絶好調のSNSと言えるでしょう。ビジュアルをメインにした世界観を売り出せるのが他のSNSと異なる強みです。

Instagramユーザー数推移

Instagramの最高製品責任者のケビン・ウェイル氏は、全世界の広告主は200万社、ビジネスアカウント数は1500万あると述べています。

Instagramには、インスタグラマーと呼ばれるインフルエンサーも多く活躍しており、企業とのタイアップで自社ブランドをPRしてもらうことが可能です。投稿してから24時間で消えて見れなくなる「ストーリーズ」、「ライブ配信+投げ銭」、「リール」などのZ世代やミレニアル世代と相性の良い機能が多くある点が人気の理由として挙げられます。「ショッピング機能」を使ってECサイトへ誘導もでき、Instagram内でのカード決済機能も導入予定です。

日本の動向

日本では20代~30代の女性利用者が多いイメージがありますが、実は男性比率も40%を超えており、男女に人気のSNSであることが分かります。

おしゃれで視覚的に映える商材やサービスと相性が良く、ファッションアイテム、化粧品、お菓子などを扱う企業はInstagramを積極的に活用している傾向にあります。

リプトン_Instagram

https://webtan.impress.co.jp/e/2017/12/26/27522

一方で、若者に馴染みの薄い分野(無形商材や金融など)は相性が良くありません。ユーザーの心に刺さるような別の工夫が必要になるでしょう。

Twitterの特徴

世界の利用状況

twitter

https://www.rick1208.com/entry/2019/01/03/224426

Twitterのリリースは2006年と、Facebookより2ヶ月前にリリースされています。決済サービスSquareの創業者であるジャック・ドーシー氏によって設立された企業です。

Facebookとほぼ同じタイミングにリリースしたTwitterは、ユーザー数を伸ばすFacebookの動向とは対照的に、世界の月間アクティブユーザー数は2018年以降減少傾向となっています。

twitterユーザ数推移

出典:Q1 2019 Earnings Report

日本では140文字までのショートテキストを投稿でき、投稿をシェアできる「リツイート」で多くの拡散を期待できる点が強みです。リアルタイムの検索性にも優れており、ニュースやトレンド情報収集に強みを持っています。Twitterの全世界の月間利用ユーザー数は2019年4月時点で3億3000万人です。

日本の動向

日本ではTwitterはLINEの次に人気が高いSNSです。世界的に見てもアメリカの次に大きなマーケットになっています。

そのため、国内のTwitter利用企業は56.2%と半数以上が活用しています。ユーザーと企業の壁が低く、積極的にコミュニケーションを取りやすい点、ブランドイメージの向上やニーズ調査しやすい点に定評があります。Twitterの登録者の年齢層がバランスが取れているのも企業にとってのメリットでしょう。

シャープtwitter

https://digiday.jp/brands/dbl2018_sharp/

※シャープの広報担当者によるツィートは自虐的なユーモアで人気があります

LINEの特徴

LINEロゴ

https://guide.line.me/ja/migration/

世界の利用状況

2017年時点で、全世界のユーザー数を2億1700万人持つLINEは、アジア圏 ( LINEの主要4カ国は日本、インドネシア、タイ、台湾 )で根強い人気を誇っています。

LINEユーザ数

出典:2020年12月期第3四半期 決算補足説明資料|LINE

日本の動向

メッセンジャーアプリは、韓国ではカカオトーク、中国ではWeChat、世界的に見るとFacebook社のWhatsAppが最も利用されている中、日本ではLINE以外のアプリの存在感がほとんどありません。

LINE日本ユーザ数

https://webtan.impress.co.jp/e/2020/06/17/36097

日本人口の約67%がLINEアクティブユーザーと言われるほど、LINEは日本で圧倒的に人気のSNSです。総務省統計局によると2020年3月1日時点で、日本の人口は1億2,595万人ですが、そのうちの1億2,595万人がユーザーとなっています。この現象は日本独自となっており、海外と日本で人気のSNSに乖離があるのは、日本のSNS事情がガラパゴス化しているとの批判もあるようです。

日本の利用者は20代が最も多く、50代以上の比較的高い年代にも活用されています。

LINEの企業利用率は約30%です。LINEを活用する企業は、「LINE公式アカウント」を作り、ターゲットユーザーへの情報発信やコミュニケーションを行っています。

LINE公式アカウント

https://e-concent.com/?p=576

LINE公式アカウントの数は2020年10月時点で、1,338万件となっており、SNSユーザー数トップを誇る日本では企業が利用するメリットは大いにあるでしょう。

  • 無料で月1000通まで一斉送信が可能
  • クーポンやポイントカードなどを配布できる
  • 個人のお問い合わせに対応できる
  • 既読かどうかを確かめることができ、コミュニケーションを潤滑に行うことができる
  • 登録者数やブロック数など統計情報をマーケティングに活用できる
  • 他のSNSと違いクローズドな環境でアプローチできる

上記を考えるとBtoBの企業や大企業向けではなく消費者と直接関わる飲食、アパレル、サロンなどのBtoCの店舗と親和性が高いでしょう。

LinkedIn の特徴

Linekdinロゴ

https://ohno-inkjet.com/?p=2335

世界の利用状況

LinkedInはビジネス特化型のSNSで、転職活動や採用、ビジネス上のネットワーク作りのために世界中で多くの人が活用しています。2020年11月時点における世界と日本の月間ユーザー数を見てみると、世界のユーザーが7億2,200万人、日本のユーザーが200万人と、日本ではまだそれほど浸透していないのが実情です。

海外ではLinkedInのアカウントでつながることは「名刺交換」と同じくらい重要な位置づけになっています。ユーザーはビジネス専用のプロフィールを作成し、同業者やビジネスパートナーや新規顧客開拓などに活用でき、最もビジネス寄りのSNSとされています。

Linkedinシェア

DIGITAL 2019: Q4 GLOBAL DIGITAL STATSHOT|DATAREPORTAL

2019年10月時点で、LinkedInでリーチできるユーザー数は全世界で約6億5,340万人、男女比率は男性ユーザーが57%、女性ユーザーが43%となっています。

LinkedInでリーチできるユーザー数が多い国のランキングを見てみると下記のようにアメリカが圧倒的な数となっています。

  • アメリカ:1億6,000万人
  • インド:6,100万人
  • 中国:5,000万人
  • ブラジル:3,900万人
  • イギリス:2,800万人

日本の動向

現状日本では労働人口からすると登録者が少ないですが、海外の会社や外資系企業で働きたい方や、海外の人材を探したい企業はLinkedInを使うべきと言えるでしょう。日本企業ではメルカリが LinkedInの成功事例として有名です。

メルカリ

https://jp.linkedin.com/company/mercari-inc-

メルカリのビジネスモデルについてはこちらから

https://www.provej.jp/column/nb/mercari/

TikTok

Tiktok

https://www.gran-turismo.com/hk/gtsport/user/discover/recentlyLike/decal/decal/9797623/7070739378067243032

世界の利用状況

TikTokはショートムービーを作成・加工・共有できるサービスで、中国のバイトダンスという企業が運営しています。音楽にのせて撮影した15秒の動画を簡単に加工・編集できるのが魅力となっており、主に10代~20代の若者に人気のアプリです。2018年の第一四半期ではYoutube、Facebook、Instagramのダウンロード数を抜いてTik Tokが世界1位のアプリとなりました。

2020年1月時点の世界の月間ユーザー数は8億人、2019年2月時点の日本の月間ユーザーは950万人です。

日本の動向

SNSマーケティングの主流であるTwitterやInstagramと比較するとまだあまり利用者数が多くないTikTok。

また、登録されているユーザーがほぼ若年層であることから、マーケティングに取り入れる日本企業はあまり存在しません。

しかし、グローバルに訴求したい場合は活用すべきSNSであることは確かです。TikTokの国内利用者は少ないですが、世界の月間アクティブユーザーは2020年4月時点で8億人を超えているからです。

また、利用企業が現状少ないため、ブルーオーシャンである点もメリットです。例えばサントリーは、商品プロモーションにTikTokを活用して話題になっていますが、10代にアプローチしてバズらせることは、将来の30代、40代の囲い込みができるのではないでしょうか。

サントリー

※「サントリー南アルプスPEAKER ビターエナジー」とNMB48のグループ内ユニット「Queentet」とコラボした「#ピーカーダンス」をTikTokで公開したところ、10代の若者の間で話題に。

https://twitter.com/suntory/status/1030047767006261248?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1030047767006261248%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fbackyard.imjp.co.jp%2Farticles%2Ftiktok_matome

最後に

SNSの登録者数や登録の特徴を見てみると、世界各国で大きな差があることが分かります。

特に日本ではLINEが圧倒的人気で、次にTwitterがランクインしているのは興味深い動向です。企業が世界に対してマーケティングでアプローチしたい場合は、「日本で人気がないが、海外で人気がある」という視点でSNSを選択することが重要になるでしょう。

<参考>
https://prtimes.jp/magazine/tiktok-official-account/#

https://find-model.jp/insta-lab/tiktok-campaign/

https://www.instagram.com/p/B54mnDGgBV_/?utm_source=ig_web_copy_link

https://n2p.co.jp/blog/ja_promotion/sns-use-trend/

http://www.superdelivery.com/

Success Stories「CAPCON」|Instagram Business

https://n2p.co.jp/blog/ja_promotion/sns-use-trend/

http://www.superdelivery.com/

https://www.digima-japan.com/knowhow/world/15722.php

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