ベトナムで盛り上がる国産スマホ事業

近年、スマートフォン(スマホ)の普及が急速に進んでいるベトナム。主要都市での普及率は2017年時点で80%を超えています。
国内スマホ市場の約半分を韓国・サムスン電子が占める中、ベトナムの地元企業が続々とスマホ事業に参入し、国産スマホの製造に乗り出していることをご存知でしょうか?

そこで今回は、ベトナムで盛り上がりを見せる国産スマホ事業についてお伝えします。

不動産大手・Vinグループが仕掛ける「Vsmart」

Vsmart

地元企業によるスマホ事業参入が盛り上がる中でも、特に話題となっているのがベトナムの不動産最大手であるVinグループです。
Vinグループはベトナムで最も有名な財閥であり、不動産だけでなく「Vinmart(ビンマート)」というスーパーマーケットチェーンの経営をはじめ、最近では「VinFast(ビンファスト)」と銘打った国産車の製造にも乗り出しています。

 
挑戦していない分野はほぼ無いと言っていいほどあらゆる事業に進出しているVinグループですが、2018年10月には満を持してスマホ事業への参入を果たし、同年12月に「Vsmart」の販売を開始しました。

 
とはいえ、IT畑出身ではないVinグループはスマホ製造に関する技術を自社で持ち合わせていません。そこで彼らはスペインの携帯メーカーを買収し、ベトナム国内でスマホの製造と販売を開始しました。
実際にはスペインのメーカーが元々作っていた製品にVinグループのブランド名を冠しただけのようですが、「ヨーロッパの技術でベトナムで製造したベトナムブランドのスマホ」としてVsmartを売り出しています。
さらに現在はサムスン電子などから研究開発人員を引き抜き、積極的にその技術や知識を自社に取り込もうとしているようです。

 
まだ発売から数カ月しか経っていないため売り上げに関しては未知数ですが、「あのⅤinグループがスマホ事業に参入した」ということで国内外から注目を集めています。

メイドインベトナムを売りにした「Bphone」

Bphone

Vsmartとよく比較されているのが、セキュリティーソフト大手のBkav社が2015年に発売したベトナム初の国産スマホ「Bphone」です。
ネット上にはVsmartとBphoneを比較した動画などが数多く投稿されています。


VsmartとBphoneの比較動画

 
資本力を元に他社の技術を取り入れるVinグループとは対照的に、Bkav社はセキュリティーソフト事業で培ってきた持ち前の技術力を生かしているのが大きな特徴と言えるでしょう。

 
また、彼らがスマホ事業に参入した背景もVinグループとは全く異なっています。Bphoneは名前からも分かる通り、Apple社の「iPhone」を強く意識した製品で、彼らはベトナムにおけるAppleやサムスン電子のような企業を目指しているといいます。
そのためにはセキュリティーという目に見えないものよりも、スマホという象徴的なアイテムを生み出すことで、世界的企業にも引けを取らないと自負する自社の技術をアピールする狙いがあったのだと考えられます。

 
初代の発売から約4年が経ち、現在は「Bphone 3」と第三世代まで進化しているBphoneですが、正直なところ売り上げ自体は伸び悩んでいるといいます。(今もずっと赤字続きとの情報確認済み)
というのも、ベトナム国民は自国の技術力に対して非常に懐疑的で、ベトナム製と聞くと「品質が悪いのでは?」と不安を抱く人が多いようです。そのため、Bkav社が売りにしている「メイドインベトナム」がアピールポイントにならず、苦戦を強いられる状況が続いています。

 
こうした課題はありながらも、地元企業の参入によって勢いを増しているベトナムのスマホ市場。これからますますの発展が予想され、要注目の市場となりそうです。

他事業を視野に入れたVinグループのビジネス展開

代表的な2社の国産スマホ事業を紹介してきましたが、あらゆる事業に進出しているVinグループが、なぜ今さらになってスマホ事業に参入したのかと疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、Vingroupは今後の10年でハイテク産業サービスの提供に集中していく方針を明らかにしており、それを実現するために必要な会社の設立、事業の立ち上げ、投資などへ次々と着手しています。VinSmartもその計画の一部であり、さらにAIやBig dataに関する研究を中心にするVinTechという会社も立ち上げているところだそうです。
おそらく彼らはスマホ事業そのもので利益を出したいというよりも、今後拡大していくTech関連事業との連携を視野に入れ、全ての事業を“つなぐ役割”としてスマホ事業に乗り出したとみるべきでしょう。

 
つまり、Vinグループがすでに手掛けている車事業はもちろん、今年の発売を目指しているスマート家電(テレビ)やスマートホーム、などと連携させ、生活の全てを囲い込むためのインターフェースとなるのがスマホなのです。
彼らはあくまで他の事業展開を視野に入れた上で、それらを次のステップに進めるためには自社でのスマホ開発が必要だと判断し、今回のスマホ事業参入に踏み切ったのだと考えられます。

 
もちろんスマホだけに限らず、今後も他事業とのシナジーを生み出すために既存の事業が活かされる可能性は大いにあります。

 
特に自国の技術を不安視するベトナム国民が多い現状では、技術力と信頼感のある日本企業が優位に展開できる可能性もあるのではないでしょうか
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