海外における生産委託先開拓支援
業界 : 消費財メーカー
対象国・地域 : タイ

クライアントは、グローバルで日用品を販売している消費財メーカーで、北米・欧州に続きASEANでの事業拡大に取り組んでいました。国内だけでなく、周辺国への輸出も視野に入れて事業を拡大させていくことを目的としてタイでの生産拠点設置を目指しており、生産委託先開拓の支援をプルーヴが行いました。
課題
クライアントは、継続的な会社としての成長のためにASEAN市場での事業拡大に取り組んでおり、周辺国含めた全体最適の観点からタイにて生産拠点を持つことを考えられていました。
タイにおける同カテゴリーの主要メーカーの中から生産委託への依頼を検討していました。
しかしながら、委託生産の可否・生産能力だけでなく品質保証含めた信頼性、ビジネスを拡大させるための販路の有無など、複合的な視点で評価・判断を下すための知見が社内では不十分であるという状況だったため、外部への委託を検討します。
ASEANにおいてのプロジェクトの実績が多彩であったことと、委託先との複雑な交渉の経験も豊富であったためプルーヴに支援を依頼されます。

支援内容
具体的な支援策は以下の通りです。
- 渡航前のデスクリサーチ及び情報整理
- クライアントから頂いた候補企業に関して、資本形態・沿革・売上・生産拠点数・生産拠点場所・従業員数・取扱商品などの会社概要をまとめ、現地企業訪問・市場視察で明確にするべきポイントを整理。
- 現地企業訪問・商談
- タイに渡航し各企業を訪問、商談・工場見学を実施した。商談では、製造設備や会社自体の規模などのハード面・数字面だけでなく、経営理念や従業員との関係性などのソフト面に関する情報収集にも力を入れた。
- 市場視察
- 現地の小売店や流通環境の実態を把握。ビジネスパートナーとして、既に販路を持っていることは重要な要素だと考えており、実際の店頭を確認することで情報の制度を高めた。
- 分析及び事後アクションの策定
- 企業訪問・市場視察で得た情報を整理・分析し、交渉先として取捨選択及びの優先順位付けを行った。また、再訪問計画を立て、そこでの交渉ポイントの整理も行うなど、次のアクション策定まで支援した。
同カテゴリーの商材を扱っているとしても、各社特徴・強み・弱みが異なるため、クライアントとして何を重視するべきかを事前に整理することで、現地訪問・商談を効率的に進めることができました。
また、経営理念や従業員との関係性といったソフト面での評価において、工場だけではなく本社オフィスも訪問し、かつ従業員とも話をすることでリアリティのある声を掬い上げました。
主力製品が類似している場合は、初期投資が不要であったり生産能力などの視点では評価は高くなりますが、販売視点では競合となり得るため敬遠されるケースもありました。多少の設備投資が必要であっても、提携先のビジネスにも貢献できる=Win-Winの関係構築を目指すことで交渉をよりスムーズに進めることができました。
今回の支援のポイントは、常に目的に立ち返り、様々な情報の優先順位付けを行いながら進めることで、訪問後の経営判断に貢献できるように努めたことです。

結果
今回の支援の結果、今後交渉するべき企業及び交渉ポイントが明確になりました。また、各企業だけでなくタイにおける市場実態についての知識も得られました。
企業訪問・市場視察では大量の情報を取得できる反面、雑音も増えるため事後の判断や計画に影響を及ぼすリスクも高くなります。そのため、事前の整理と常に目的に立ち返ることが重要だと再認識しました。
本実査の数か月後にクライアントが現地を再訪問し、継続的に交渉を続けており、条件が合えば実施に提携へと進む可能性があります。
今回の支援は調査・交渉支援だけでなく、実際のアクション策定まで支援したことに対して高く評価を頂き、別の部署から別案件の相談を頂くことに繋がりました。