スポーツ視点で捉えるタイとインドネシア市場の違い

タイとインドネシア。ともに東南アジアに位置する2つの国ですが、経済状況や国土の地形などが異なることから、企業進出時にはチェックすべきポイントも異なります。
今回は、スポーツの中でもサッカーを例に、タイとインドネシア市場の違いを見ていきましょう。

経済状況により異なるスポーツに取り組む意味合い

ASEANの中では、先進国のタイ。
サッカーをプレーする環境は、日本のようにフットサルコートがあり、施設はきれいで設備も整っています。
タイの学生たちにとってサッカーは、学校のクラブ活動として取り組んだり、遊んだりと、楽しむためのスポーツです。

タイのサッカー施設例
タイのサッカー施設例
サッカーを楽しむ学生たち
タイのサッカー施設例

一方、インドネシアではサッカーをプレーする環境は整っておらず、施設もあまり整備されていません。
クラブチームに入り、優秀な成績を納めることで奨学金が得られることから、学生たちにとってサッカーは、ただ楽しむものではなく、奨学金を得るための手段と捉えられています。

インドネシアのサッカー施設例
インドネシアのサッカー施設例
インドネシアのサッカーをする学生たち
インドネシアのサッカーをする学生たち

道具やウェアなどの品質の差

また、国によって、スポーツに用いる道具やウェア、シューズなどの品質にも差があります。
インドネシアでは、1980年代以降に外資系のスポーツブランドが輸入されました。
しかし、外資系のスポーツブランドは高価だったため、これらに似せた安価な非正規品が多く市場に出回るようになりました。
価格が下がる分、品質も落ちますが、インドネシアの人々は外資系のスポーツブランドへの憧れから、このような非正規品を購入します。
また、現地の人たちにインタビューしたところによると、非正規品だと分かっていても、外資系のスポーツブランドに似た商品を使ったり身につけたりできることを嬉しく思うそうです。
それだけ、外資系のスポーツブランドへの憧れが強いと言えるでしょう。
非正規品の多くは中国から輸入をしたり、自国で生産していますが、今後、ローカルメーカーが育っていけばインドネシア製品の品質も向上し、それによって技術力も発展していくかもしれません。

インドネシアの偽物市場
インドネシアの偽物市場

一方、タイでは、非正規品を購入する人はほとんどいません。
また、タイ国内のスポーツメーカーが成長してきており、その品質は外資系の高級スポーツブランドと同等になってきているようです。

地理的な視点から見る流通経路

では、タイとインドネシアでは、輸入品はどのように流通しているのでしょうか。
まず、タイの場合には、バンコクに港があることから多くの商品がこの港から輸入され、国内に流通しています。

アジア各国の港 流通
http://b.pasona.co.jp/boueki/teachme/3861/ より抜粋)

一方、インドネシアでは、島国のために輸入される港は点在しています。
しかし、首都ジャカルタ周辺では、ジャカルタを拠点として商品を仕入れることが多くなります。
また、インドネシアではローカルメーカーの工場は地方に建てられていることが多く、このような傾向は日本のような島国に見られる特徴と言えます。

http://ahi-japan.sakura.ne.jp/xcl/modules/pico4/index.php?content_id=5 より抜粋)

このように、国によって地形が異なるため、商品の流通の仕方も少なからず地形に影響を受けます。
企業進出をする際には、よりメリットのある土地に拠点を置くことが求められます。

タイとインドネシアの5年後を予測する

タイとインドネシアのサッカー市場と、流通について見てきましたが、それぞれ5年後はどのくらい経済成長すると予測されるのでしょうか。

タイの名目GDPの推移(2013~2022年)

出典:「世界経済のネタ帳」
http://ecodb.net/exec/trans_image.php?type=WEO&d=NGDP&c1=TH&s=2013&e=2022 )より

インドネシアの名目GDPの推移(2013~2022年)

出典:「世界経済のネタ帳」
http://ecodb.net/exec/trans_image.php?type=WEO&d=NGDP&c1=ID&s=2013&e=2022 )より

このように、今後5年でタイもインドネシアも経済成長していくと予測されていますが、特にインドネシアは、約2倍もの経済成長をすることが期待されています。
海外進出を考える際には現在の状況を見ることはもちろん重要です。
しかし、そこから5年後、10年後にどのような状況になっているかを予測しながらサービス展開をしていくことも、大事なポイントと言えるでしょう。
プルーヴでは、現地の企業のみならず、現地の消費者にもインタビューを行い、数字からだけでは読み取ることのできない市場の生の声を依頼者様へお伝えいたします。
需要を正確に把握し、少しでも海外進出を成功に近づけることが、私たちプルーヴの願いです。

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