インドネシアへの進出・展開に関するマーケティングに求められる「宗教ファースト」のアプローチ

インドネシアは世界最大のイスラム教徒を抱える国ですが、それ以外にもプロテスタントやカトリック、ヒンドゥー教などが混在する宗教国家です。日本ではあまり意識しないことかもしれませんが、海外進出・海外展開のための調査を行うと、宗教観やそれから派生する価値観の違いなどから、私たちの想像を超えるような市場性の国だったということはよくあります。

 
そんな時にはどのように考え、どのように施策を策定すればよいのでしょうか。

生活様式から課題を探る

インドネシアのマーケット2

 
今回私たちは、ジャカルタに住む中高所得者層を訪ね、ヒアリングを行いましました。

その中で見えてきた彼らの生活様式には、生活用品メーカーが進出するにあたって大きなヒントとなりうる事柄が隠されていました。

衛生面に対する考え方

インドネシアの人たちは、日本人に比べてそこまで清潔な環境や衛生面に関して気を配っているわけではありません。中高所得者層の家庭であっても家の中にアリが入ってきたり、「月に1回は清掃業者に家中を掃除してもらう」と話していた家でも細かい部分への掃除が行き届いていなかったなど、衛生意識の違いを感じました。

 
しかし、中高所得者層でなおかつ小さい子どもがいる、あるいは病気の家族がいる家庭では、「子ども(家族)のために環境を何とかしたい」と清潔な環境を手に入れたいという意識が高いということが分かりました。

 
他にも、人口の9割がイスラム教徒の彼らにとって、宗教的な儀式の場では清潔な空間を求めたいという気持ちがあることもヒアリングを進める中で分かりました。

食生活への意識の違い

インドネシアでは、食事は午前中にその日に食べるものを作り置きするため、1日に何度も調理をすることはありません。食材の調達方法は市場へ行くか、売り子がリヤカーを引いて売りに来たものを買います。

 
そのため、食べ物は買った時が鮮度が一番高いという状況です。ただ、冷蔵庫に関しては「冷えればいい」という意識で、食品同士の匂いが移らないようになどの対策は特にしていません。つまり、日本の冷蔵庫でスタンダードとなりつつある消臭や抗菌といった機能への意識は全くないというのが現状です。

インドネシアで生活用品のプロモーションをする際に注意すべきこと

今回の家庭訪問によるヒアリングで、私たちが気づいたインドネシアにおける生活用品のプロモーションの際の注意点は以下の通りです。

プロモーターの影響力

インドネシアの中高所得者層でのヒアリングをした際に、どんな風に生活用品を選ぶのかという質問に対して、現地女性からの意見として「私は女だからどのメーカーがよいかなどは分からない。『これがいい』と言われたらそれにする」というものが挙げられました。

 
ということは、インドネシアで生活用品のプロモーションを行う際には、パネルなどの店頭に置くツールよりも、プロモーターが商品の特徴を理解して現地の人にその魅力や特徴を正しく伝えられるようにすることに注力した方が効果的であると考えられます。

ターゲティングの重要性

インドネシアの家庭ではメイドを雇うことが一般的です。そのため、インドネシアで生活用品を売る際には、製品を使う人は家人なのかメイドなのかを考える必要があります。

 
なぜなら、ヒアリングの中で聞いた意見として「メイドはすぐ壊してしまうので安いものでいい」「メイドが使うものであれば高機能でなくていい」というものがあったのです。

 
そのため、買う人である家人に訴求しても届かず、うまくマッチしないという懸念があります。製品の使われ方やシチュエーションををどこまでイメージできるかがポイントとなりそうです。

ニーズ・課題ファーストでは意思決定に至らない

日本人には想像しがたいかもしれませんが、海外の多くの国では宗教は生活と密接に関わっています。そのため、効率性や利便性より宗教の教義を優先させるなど、私たちからすると一見非効率だと思う場面もあります。

 
さらに、上記でも触れましたが習慣の違いや教育の違いによって、既存の製品で解決できるのにその知識がない、あるいは製品を使って解決するという習慣がないということがあります。

 
そういった習慣や教育を理解し尊重上で、例えば製品だけではなくその製品を使うという“習慣”を輸出するなどの方針を策定する必要性があります。

マーケットインよりも「宗教ファースト」

インドネシアの生活に日本の生活用品が入り込むことにより、彼らの課題を解決できる可能性は大いにあります。しかし、宗教観や価値観の違いにより、そのまま日本の家電を持ち込んでもうまくフィットしない可能性は高いでしょう。私たちプルーヴも、これまでにもこのコラムで「プロダクトアウトよりもマーケットイン」ということを何度も訴えてきました。

 
しかし、国や地域によっては宗教ファーストでマーケットに製品を出していく必要があります。それが、海外における市場性を理解するということではないでしょうか。例えば、ターゲットとなる国や地域に合わせて製品のコンセプトやネーミング変えてみるいうのも手ではないでしょうか。

 
プルーヴでは、本質的な市場理解を行い、海外事業を前進させる施策を一緒に考えます。海外進出・海外展開で悩みがある方は、ぜひご相談ください。

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