ローカル企業の発展が期待されるこれからのフィリピン

古くから外資系企業が市場に多く進出しているフィリピン。しかし、近年では国力の強化を図るロドリゴ・ドゥテルテ大統領の影響もあり、その様相が変わりつつあるようです。

そこで今回は、フィリピン独特の環境におけるローカル企業の現状と今後についてお伝えします。

外資系企業が市場を占めるフィリピン

フィリピンで現地の人々にヒアリングを行っていると、彼らは日本人に比べて外資系企業への偏見や抵抗感が少ない印象を受けます。
それもそのはず、フィリピンでは外資系企業がさまざまな市場を占めているため、その製品やサービスが彼らの日常生活に溢れているからでしょう。

実際に現地を見てみると、街を走る車の多くは日本車で、スーパーで売られている生活用品も多くは外資系の製品でした。低所得者向けのスーパーでもそれは同様で、とにかく地元メーカーの製品を目にする機会は食品やファッション関連ほどであり、日本より少ない印象を受けました。
特に精密機械や医薬品などの分野は手薄なようで、医薬品を製造可能なローカル企業は一社しか存在していないといいます。

フィリピンのローカル企業としては、ビールで知られるサン・ミゲル社やファーストフードチェーンのジョリビー・フーズ、SMモールやロビンソンモールなど、外食産業やショッピングセンターのようなBtoC企業が有名ですが、厳密に言えばその多くは華人・華僑系(一部はスペイン系)の財閥によって経営されています。

このようにフィリピンでは中華系を除いたローカル企業、特に世界水準の技術力を有するBtoB企業がほとんど育っておらず、あるいは外資系企業が進出する際にローカル企業が買収されてしまった結果、市場の多くを外資系企業が占めているという独特の環境下にあるのです。

スーパー フィリピン
中流階級向けの一般的なスーパーですが、中華系・韓国系・日系の即席麺が混在しています

ドゥテルテ政権の影響による環境の変化

しかし、近年ではこうした状況が徐々に変わりつつあります。その発端となっているのが、2016年に就任したロドリゴ・ドゥテルテ大統領の存在です。

ドゥテルテ大統領は就任後、かねてから後れを取っていたインフラ整備をはじめ、税制改革や治安の改善を推進。さらに2019年には水質汚染が深刻化していたマニラ湾の浄化作戦に乗り出し、フィリピンの環境整備に注力しています。
また、英語が公用語の一つであるフィリピンは人材の海外出稼ぎも問題視されており、これを防ぐために2018年には軍人や警察官など公務員の給与引き上げを実施しました。
報道では強権的な手段が話題になることの多いドゥテルテ大統領ですが、スピード感と実行力を伴った政治的手腕によって国民からは多くの支持を集めています。

そして、こうした数々の政策によって国力が強化されつつあるフィリピンでは今後、国内産業の発展とそれに伴うローカル企業の増加が期待されています。

ローカル企業がキーになる今後のフィリピン進出

実際に現地で様々な業界の人と話していると、ローカル企業から日本企業との提携を望む声や提携事例を少なからず耳にします。

たとえば、フィリピンにおいて製造業や卸売業は資本100%での進出が可能ですが、近年ではあえてローカル企業との合弁を選ぶケースや、日系メーカーであっても自社には無い製品をローカル企業(サプライヤー)との独占契約で仕入れることで、新たな市場へ挑戦していくケースが見られるようになってきました。

また、フィリピンでGrab Taxi(※配車アプリ)を利用していると、トヨタや三菱などの日本車が圧倒的に多いことに気づきます。2社ともジョイントベンチャーで展開しており、現地のパートナー選びに功を奏したことが一要因として、フィリピン国内トップ1・2のシェアを確立してきたのではという見方も考えられます。

フィリピン 三菱

ローカル企業と手を組む上では、相手が持っていない技術を示すことでローカル企業を育てる、あるいはお互いに足りないものを補い合うことで市場を狙っていくという展開も期待できるのではないでしょうか。

これまでのフィリピン進出は自らの手で切り開いていくアプローチが一般的でしたが、これからはローカル企業とともに成長する姿勢が求められていくのかもしれません。

それに先立って、まずは提携先として選ばれるポイントを明確にし、今後の発展が期待できそうな企業に早くからコンタクトを取っておくことも重要になるでしょう。
ただし、こうした状況はドゥテルテ政権が続投するかどうかによっても大きく変わるため、今後も要注目の市場としてその動向を追っていく必要がありそうです。

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