サウジアラビアのビジネスシーンにおける女性の存在

イスラム教発祥の地であるサウジアラビア。数あるイスラム教国の中でも、非常に戒律が厳しい保守的な国として知られています。
特に女性の権利がさまざまな場面で制限されているため、サウジアラビアでのビジネスを検討する際の懸念として、女性が現地でどのように扱われるのか、またどう振る舞えばいいのかと気になる企業も多いのではないでしょうか。

 
そこで、今回は我々の経験を基に、サウジアラビアのビジネスシーンにおける女性の存在についてお伝えします。
※本記事は、2019年9月28日に発表されたサウジアラビア王国への観光ビザ開始前の視察をもとに作成しています。

あらゆる場面で制限される女性の権利

サウジアラビアはイスラム教国の中でも非常に保守的な国であり、特に女性の権利がさまざまな場面で制限されています。
もちろん働いている女性もいますが、基本的には私的領域にのみ関わることが許されており、政治経済は男性を中心に執り行われているのが現状です。

 
原則的に男女の同席は避けるべきとされ、オフィスビルでさえも男子校・女子校のように男女で棟や部屋が分かれているのが一般的です。
街中のレストランも入口から「シングル」と「ファミリー」に分かれており、シングルは独身の男性のみ入ることが許されます。女性の場合はファミリーとしてのみ入店が可能で、保護者の男性と行動を共にしなければなりません。

サウジアラビアの店 入口 風景
ファミリー入口 サウジアラビア

服装についても厳しい制限があり、ムスリム(イスラム教徒)の女性が外出する際は必ず「アバヤ」と呼ばれる黒い布状の民族衣装を着なければなりません。
他にも、頭を隠す「ヒジャブ」、目以外を覆う「ニカブ」、目の部分も全て隠す「ブルカ」などさまざまな種類があり、宗派や状況によって使い分けているようです。

 
こうした一般的な情報はインターネット上でも簡単に入手することが可能ですが、では実際のビジネスシーンにおいてはどうでしょうか。

ビジネスシーンにおける女性の立場

プルーヴでは、男女二名のコンサルタントがサウジアラビアを訪れました。
先述したようにサウジアラビアでは原則的に男女が同席不可とされていますが、今回は女性社員も男性社員と一緒にミーティングルームに入ることができました。
名刺交換や商談も滞りなく進み、「女性だから」という理由でビジネスを進める上で特別な制限をかけられるようなことはありませんでした。

 
ただし、それは彼女がムスリムではない「外国人」だから、あるいは「男性社員と一緒」だったから、という可能性も否めません。特に後者の場合、男女が一緒にいる=女性は必然的に男性の伴侶(パートナー)として見られることもあるようです。
今回はあくまで男性社員のパートナーとして見られていた(男性とセット扱いされた)からこそ、丁重に扱われたのかもしれません。もし訪れたのが女性社員のみだったら、おそらく状況は変わっていたでしょう。

 
また、たとえ外国人であっても女性の肌の露出については厳しく、彼女も現地ではずっとアバヤを着て過ごしていました。
ムスリムでなければ頭まで覆う必要はないとのことですが、女性が訪れる際はできれば飛行機を降りた瞬間からアバヤを着用していた方がいいようです。

女性視点によって初めて見える世界

女性が訪れる際にはさまざまな注意が必要なサウジアラビアですが、今回あえて男女で訪問した理由もそこにあります。

 
つまり、サウジアラビアではほとんどの場所が男女別で分かれているため、女性でなければできないことや行けない場所が存在するということです。
例えば、家庭訪問や女性消費者へのヒアリング、ファッション・美容といった女性中心のマーケット調査に関しては、男性だけでは対応できない可能性もあり、業種や状況によっては女性によるアプローチが欠かせないのです。

 
サウジアラビアでのビジネスを検討する際、女性の権利が制限されていると知っていればこそ、男性社員を現地に行かせようと考える企業は多いと思いますが、必ずしもそうする必要はありません。

 
今回のように女性社員でもビジネスの場に立つことは可能であり、「サウジアラビア=男性しか対応できない」という考えは先入観に過ぎないのです。そして、その先入観によって視点やアプローチ先が最初から限られてしまう恐れもあります。

 
現地の事情に合わせるのであれば、確かに男性が対応した方がスムーズな場面もあるでしょう。しかし、それだけでは見落としてしまうことや、そもそも見ることすらできない場所もあり、女性を含めて訪れることで初めて見える世界があると知っておく必要があります。
特殊なサウジアラビア社会の両面をきちんと把握することで、ビジネスの幅や選択肢もより広がっていくのではないでしょうか。

 
実際にサウジアラビアでのビジネスをお考えの方は、ぜひこちらの記事もご参考ください。

サウジアラビアでビジネスをする際に気をつけるべきこと
https://www.provej.jp/column/saudiarabiabusiness-becareful/

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