販売代理店まかせではない“主体性”のある海外進出を

海外進出をする上で重要な存在となるのが、現地でのパートナーである販売代理店。しかし、中には現地の事業展開を全て販売代理店まかせにしているメーカーもいるのではないでしょうか?

今回は、海外進出を行う上でメーカーが持つべき“主体性”について考えたいと思います。

販売代理店まかせの事業展開では通用しにくくなっている

従来の海外進出の在り方としては、まず進出対象国の市場を調査し、可能性があれば今度は現地展開していくためのパートナーとなる販売代理店を探すという流れが一般的でした。
こうしたやり方は今後も続いていくと思いますが、これからの海外市場を見据えると、やはり従来のやり方では通用しない場面も出てくるでしょう。

 
特に近年めざましい発展を遂げている東南アジアの国々は今、日本では考えられないほどのスピードで大きく市場が変わりつつあります。
そんな中、「現地で販売代理店を見つければいい」という従来の考え方のままでは海外市場に太刀打ちできません。実際に、なかなか現地の販売代理店を口説くことすらできない企業も出てきています。

 
そういった企業が販売代理店に提出しているプレゼン資料を見てみると、まず内容が日本語や英語のままで現地語に訳されていないものが多く見られました。また、そもそも情報が古い・製品のスペックをただ書き連ねているだけというものもあります。
しかし、本当に重要なのはスペックそのものではなく「それが消費者にとって必要なのか、どういうメリットがあるのか」であり、それこそが本来の売りであるはずです。それが見えてこない資料では、どんなに魅力ある商材でも相手には伝わりません。

 
では、どうしてこのようなことが起きているのでしょうか。

商品理解と顧客視点が欠如したメーカー

その原因の一つは、メーカーの“主体性”の無さにあると考えます。これまで商品を売る努力を販売代理店に丸投げしてきたメーカーの場合、根本的に自社の商材や顧客への理解が足りていないのです。
また、そもそも本部と現場が持っている情報がバラバラで情報共有ができていないというケースもあります。

 
商品理解と顧客視点を欠いたメーカーは、自社商材の魅力を現地の販売代理店にうまくアピールすることができず、結果的に海外市場での展開が難しくなってしまいます。
仮に手を組めたとしても、メーカーの努力が見えなければ販売代理店側もその商材に可能性を見出すことはできないでしょう。

 
日本で需要がある商材であればなおさら、こうした努力をおざなりにしている企業は多いかもしれません。
これまでは「メイドインジャパン」であることが一つのアピールポイントになっていましたが、最近では東南アジアの国々も現地で同じような品質の製品を作れるようになっており、日本製品以外の選択肢が広がっています。また、東南アジアの人々は日本ほど高い品質を求めていない場合もあります。

 
いくら日本では需要がある商材でも海外市場では無名であり、そもそも求められるものや競合企業も全く違うということを念頭に置かなくてはなりません。

メーカーが主体的になることで販売代理店を動かしていく

海外進出を考える上では、メーカー自身が自社の商材や顧客について理解し、「これなら海外でもやっていける」と思えるような材料を“主体的”に準備する必要があります。そうでなければ、現地の販売代理店を動かすことなど到底できません。

 
社内の情報共有が不十分な場合は、まず本部と現場の情報レベルを一定化することが大切です。具体的には研修や勉強会などを開き、参加できない場合でも録画や録音をして常に情報共有できるような体制をつくるといいでしょう。
さらに、共有だけで終わらせず、資料を作ってレビューを行うところまでを一つのサイクルとして回すことも必要です。そうすることで商品や顧客への理解がより深まり、販売代理店にアピールすべき自社商材の売りもおのずと見えてくるのではないでしょうか。

 
海外進出を考える上では、何でも販売代理店まかせにせず、メーカー側がこうした努力をコツコツと積み重ねていくことが重要です。
自社だけで行うことが難しい場合、プルーヴのような第三者をパートナーとして、二人三脚でプロジェクトを進めていくことも時には必要でしょう。

 
プルーヴは海外市場の調査だけに留まらず、社内の情報を一定化していくための研修や勉強会、またレビューの場を設けるサポートなども行っています。
さらに、そこで蓄えた情報を資料にどう反映するか、国や地域に合わせた内容にブラッシュアップするためのアドバイスなども可能です。お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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