ベトナムは、成長著しい東南アジアの中でも安定した経済成長を続けている国の一つです。
今回は、ベトナムで感じた経済成長による生活意識の変化のポイントについてお伝えします。
成長が続くベトナム経済
1986年のドイモイ政策以降、積極的な市場開放によってめざましい経済発展を遂げたベトナム。2015~2017年の経済成長率は平均約6.5%と高い水準を維持し、高度経済成長期を迎えています。
今回はある調査のためにホーチミンを訪れ、現地パートナーとともにヒアリングや家庭訪問を行いました。訪問したのは、年収100万円前後とベトナムではミドルクラスに分類される家庭が中心です。
東南アジアは貧富の差が激しいというイメージもありますが、現在のベトナムでは都市部を中心に中流家庭が増加傾向にあるといいます。
実際に家庭訪問をしてみても、必要な生活家電はほぼ全てそろっており、中流家庭といえど「モノが足りない」といった印象は受けませんでした。
美容・健康や食への意識が高まっている
こうした経済発展の影響は、人々の生活の中にも表れています。
その一つとして、最近ベトナム人男性の間ではスポーツジム、女性の間ではヨガに通うことが流行しているそうです。現地でも、ある会社では男性社員10人中7人がジム通いをしているという話を聞いて驚きました。
その目的は当然、健康増進のためでもありますが、見た目を気にしてジムやヨガに通っている人も多いといいます。
ホーチミンの街中ではスポーツジムやヨガスタジオの看板広告を見かけることも多く、運動による美容や健康への意識の高まりが感じられました。
街中で見かけたスポーツジム
健康への意識という点では、食に対する関心も高まっています。
現地のスーパーマーケットを見ると、食品の生産地や生産者、製造過程に関する表示がしっかりとされていて、安全性への強いこだわりを感じました
生産者の顔や製造プロセスが明示された野菜
また、家電に関しても高機能商品への需要が徐々に増えつつあり、より良いモノ・安全なモノが求められていることが分かります。
自分への投資や付加価値が今後のキーワードに
このように、現在のベトナムでは経済成長によって街並や人々の生活意識にも変化が起きています。
金銭的・時間的な余裕ができたことで、自分への投資やモノの付加価値に目を向ける人が増えてきたのかもしれません。
かつての先進国と同じく、今後はベトナムにおいても経済発展による産業の高度化とともに、美容や健康、飲食をはじめとした第三次産業への需要がより高まっていくのではないでしょうか。