
2025年も気がつけばすでに半分が過ぎました。この間に、海外では様々な出来事が起こっています。今回は、2025年上半期の海外の注目ニュースを振り返ります。
2025年上半期|海外の注目ニュース
国内では、2025年4月に大阪・関西万博が開幕。6月29日には来場者数が1,000万人を超え、多くの人が万博を楽しんでいます。一方で、米不足を背景に備蓄米の放出をめぐって混乱が生じ、「令和の米騒動」とも呼ばれる事態になりました。
2025年上半期、国内ではこのようなニュースが注目される中、海外でどのような出来事があったのかを振り返ります。
トランプ大統領による相互関税

1月、トランプ大統領の2期目の政権がスタートしました。就任直後から、以前から主張してきた「アメリカ第一主義」に基づく政策を次々と実施しています。
代表例が、輸入品に対する関税を引き上げる相互関税政策です。これは主に、アメリカの貿易赤字を解消することを目的としており、まずは中国・メキシコ・カナダに対して関税を課しました。また、すべての国からの輸入品に一律10%の関税を課し、国ごとに追加の課税も行われています。
さらに、鉄鋼・アルミ・自動車・半導体など、特定の品目に対しても関税が導入され、自国産業の保護が進められています。
このような強硬な貿易政策により、米中関係は悪化。アメリカは一時的に中国からの輸入品に対して最大145%の関税を課し、対抗措置として中国もアメリカに125%の関税を課しました。その結果、世界のサプライチェーンが不安定化し、世界経済の成長の鈍化が懸念されています。
このように、トランプ政権による相互関税政策は、世界に大きな影響を及ぼしています。そこで、「日本企業が備えるべき変化」をまとめたので、ぜひご覧ください。
カナダ総選挙
4月、カナダ総選挙が実施されました。トランプ米大統領による相互関税政策により、カナダ国内では対米感情が悪化。こうした状況の中、対米強硬姿勢を掲げるマーク・カーニー氏率いるカナダ自由党が勝利を収め、10年ぶりの政権交代を実現しました。
新政権の発足により、カナダとアメリカの貿易交渉が注目されています。しかし、協議は依然として難航しており、最終的に合意に至らない可能性すらトランプ大統領が示唆しているほどです。こうした不透明な交渉の行方は、カナダ国内のみならず、国際社会にも悪影響を及ぼす可能性があると懸念されています。
カナダ総選挙の詳しい内容については、「2025年カナダ総選挙|首相の選出プロセスと注目ポイント」も併せてご覧ください。
韓国大統領の罷免&選挙戦
4月、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が罷免されました。同大統領が2024年12月3日の夜、突然に「戒厳令」を宣布したことに対し、憲法裁判所が下した判決によるものです。
これを受け、6月3日に第21代韓国大統領選挙が実施されました。その結果、共に民主党のイ・ジェミョン(李在明)氏が当選し、新大統領に就任しました。
共に民主党は、日韓関係が悪化したムン・ジェイン(文在寅)元大統領が所属していた政党であり、新たに就任したイ・ジェミョン大統領も対日強硬派として知られる人物です。こうした背景から、今後の日韓関係の行方に注目が集まっています。
「2025年韓国大統領選」の記事では、候補者のプロフィールや政策について詳しく解説しています。新大統領の人物像や政治的立場について詳しく知りたい方は、ぜひご参照ください。
G7サミットの開催&首脳宣言見送り
2025年6月15日から17日にかけて、カナダのカナナキスにてG7サミットが開催されました。ウクライナ情勢や対中政策、アメリカの関税政策の議論に注目が集まりました。しかし、会期中にアメリカのトランプ大統領は途中で離席し、そのまま帰国。イランとイスラエルの軍事衝突への対応を理由に挙げていますが、国際的に大きな波紋を呼びました。
また、ウクライナ情勢に関する共同声明にアメリカが難色を示したとされ、G7サミットにおいて慣例の首脳声明の発表も見送られました。このように今回のG7サミットでは、主要国間の立場の相違が表面化し、G7内部の分断が浮き彫りになっています。
今回のG7サミットで期待されていた議題については、「2025年G7サミット」の記事で詳しく解説しています。
EUの規制に関する動向

2025年はEUの規制に関するいくつかの変化があり、ビジネスへの影響が大きいことから、各方面で注目を集めました。特に注目されたのは次の3つの規制です。
CO2排出基準規則の緩和
EUは自動車に対して厳格なCO2排出基準規制を設けていましたが、電気自動車需要の低迷や要求レベルが高すぎるとして、自動車業界から緩和が求められていました。その結果、5月27日にEU理事会は改正案を承認し、規制緩和が正式に決定しました。
プラスチック規制の強化
EUでは、プラスチックごみの削減を目的に、関連規制の強化が進められています。使い捨てプラスチック製品の禁止対象の拡大や、特定の製品に対して一定割合以上の再生プラスチックを使用する義務付けなどです。こうした規制強化の動きにより、EU市場へ参入するには、環境規制への対応が不可欠になっています。
炭素繊維規制の検討
4月、EUで自動車向け炭素繊維の規制案が検討されているとの報道があり、注目を集めました。炭素繊維は電気自動車をはじめとする次世代モビリティに幅広く活用されており、日本企業が強みを持つ分野です。
この報道を受けて、国内外から反発の声が上がり、規制案は撤回される可能性が高いと見られています。ただし、最終的な判断は2025年末に決定する予定で、その動向に注目が集まっています。
自動車向け炭素繊維の規制を検討している背景や日本企業への影響については、「EUが自動車向け炭素繊維を原則禁止?背景と日本企業への影響」の記事をご参照ください。
イランとイスラエルの軍事衝突
ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ紛争の長期化が続く中、新たに発生したのが、イランとイスラエルの軍事衝突です。
6月13日、イスラエルがイランの核施設や軍幹部を標的とした攻撃を開始し、イランも直ちに報復しました。アメリカもイランの主要施設に対して攻撃を行ったことで、地域全体の緊張が一気に高まる事態となりました。そうした懸念に反して、6月23日に停戦が合意され、衝突はひとまず沈静化しています。
今回の軍事衝突により、中東地域における地政学的リスクの深刻さが改めて浮き彫りとなりました。
タイとカンボジアの関係悪化
地政学的リスクは、東南アジアにも広がりを見せています。中でもタイとカンボジアの関係悪化が深刻で、5月には軍事衝突も発生しています。
さらに、タイのペートンタン・シナワット首相とカンボジアのフン・セン前首相との電話会談の内容が公表され、タイ国内で同首相に対する批判が一気に高まりました。ペートンタン首相が自国の軍幹部を侮辱・批判していたことが明らかになったためです。
その結果、7月1日には首相の権限が一時的に停止されるという異例の事態に発展しています。この一連の出来事は、タイとカンボジアの関係悪化だけでなく、タイ国内の政治にも大きな混乱をもたらしています。
インドネシアがBRICSに正式加盟
地政学的リスクを抱える東南アジアですが、成長市場としても注目されています。その代表格ともいえるインドネシアは、1月にBRICSへ正式加盟しました。これにより、BRICSの影響力が一層拡大するとともに、インドネシアは「グローバルサウス」を代表する新興国として、国際的な存在感を強めています。
こうした中、BRICSは7月に首脳会議を開催しました。詳細は関連記事「BRICS首脳会議の注目議題や日本への影響」にまとめていますので、ぜひご覧ください。
まとめ
2025年上半期だけでも、世界各地でさまざまな出来事が起こりました。こうした国際的な動きは、ビジネスにも少なからず影響を及ぼすため、世界の最新情報は経営判断を行う上で欠かせない材料となります。
プルーヴでは、すでに海外へ事業を展開している企業様はもちろん、これから進出を予定している企業様に対して、海外の市場調査や事業戦略の策定をサポートしています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。