2026年3月25日に公表されたジェトロ調査では、インドネシアで今後1〜2年の事業を拡大すると答えた171社の69.0%が、販売機能の拡充を選びました。同じ171社では、高付加価値品の生産が29.8%、汎用品の生産が28.7%でした。複数回答です。
69.0%が示している範囲
ジェトロの調査は2025年8月から9月に行われ、回答は複数選択です。同じ171社では、高付加価値品の生産が29.8%、汎用品の生産が28.7%、新規事業開発が26.3%、顧客対応が16.4%でした。「販売」という回答だけでは、代理店開拓、直販、オンライン販売のどれを増やすのかまでは分かりません。
インドネシア進出日系企業全体の割合でもありません。今後1〜2年で事業を「拡大」と答えた171社のうち、拡充する機能として販売を選んだ割合です。
販売の担い手は、メーカー本体だけではない
現地で商品を届ける役割は、輸入者、卸、販売代理店、専門流通に分かれます。医薬品・消費財では全国支店を持つ流通会社、産業用品では専門販売網、という具合に、業種で担い手が違います。
現地企業へ売る場合と、日系現地法人へ売る場合でも、決裁の場所が違います。現地で購入を決められることも、日本本社の承認が必要なこともあります。注目企業リストの販売・流通10社は、この担い手の規模を見るための社名です。一社を選べば販売網が完成する、という意味ではありません。
価格、在庫、顧客情報の持ち方
販売を任せる場合に業界で先に決めるのは、価格と値引きを誰が決めるか、在庫をどちらが持つか、顧客名と商談状況を日本側へ共有するかです。返品、保証、修理、問い合わせの担当と費用負担も、契約前に分かれます。
ここが決まっていないと、代理店候補の社名を並べても比べられません。探す作業の前に、任せる仕事の範囲を置く、というのが販売網の基本です。紹介だけを任せる場合と、在庫と納品まで任せる場合では、必要な会社の機能が違います。
電子商取引の規則も2026年に動いた
商業大臣規則2026年第19号は、2026年6月8日に施行されています。電子商取引を行う事業者には商業分野の事業許可が求められます。商品ページでは、原産地に加え、該当する場合はインドネシア国家規格、ハラール認証番号、医薬品・食品などの登録番号を表示します。
既存販売者には最大18カ月、新規登録者には手続き中として最大6カ月の移行措置があります。自社への適用と必要な許認可は、インドネシアの弁護士など専門機関への確認が必要です。オンラインで売る場合は、価格、在庫、配送、返品、問い合わせ先を誰が更新するかも先に決めます。
2026年に押さえる見方
今年押さえるのは、「拡大予定の日系企業では販売機能を増やす回答が多い」「販売の担い手は輸入者・卸・代理店に分かれる」「価格と在庫の持ち方を先に置く」「電子商取引の規則が6月8日から施行されている」の4点です。
PROVEが支援するのは、顧客候補、販売会社、代理店の調査です。規則の適用範囲や許認可の個別判断は、専門機関へ確認してください。
よくある質問
Q. 69.0%はインドネシア進出企業全体の割合ですか?
いいえ。ジェトロ調査で、今後1〜2年の事業を「拡大」と答え、拡充する機能について回答した171社のうち、「販売」を選んだ割合です。複数回答による結果です。
Q. 流通会社を1社選べば販売網は完成しますか?
完成しません。業種と地域で担い手が違い、価格、在庫、顧客情報の持ち方も会社ごとに違います。注目企業の社名は、業界を見るためのものです。
Q. 商業大臣規則2026年第19号の法解釈もPROVEへ依頼できますか?
PROVEは市場、顧客候補、販売会社、商品登録の運用を調査します。規則の適用範囲や許認可に関する個別の法解釈は、インドネシアの弁護士など専門機関へ相談する必要があります。
Q. 日系現地法人へ売れば、現地企業は見なくてよいですか?
見なくてよい、とは言えません。決裁が日本本社にある場合と、現地で決まる場合が混在します。売る相手の種類を分けて見ます。
主な出典
ジェトロ「2025年度海外進出日本企業実態調査のASEAN分析(前編)」(2026年3月25日)/インドネシア商業省「商業大臣規則2026年第19号」
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※2026年8月時点の情報をもとに作成しています。監修:森英朗(グループ代表)。
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