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現代自動車グループとは?|傘下企業とEV戦略をわかりやすく解説
2026.08.11 更新 / PROVE通信編集部
監修:森英朗(グループ代表)
現代自動車グループとは?|傘下企業とEV戦略をわかりやすく解説

現代自動車グループとは?|傘下企業とEV戦略をわかりやすく解説

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現代自動車グループは、現代自動車という一台メーカーの別名ではなく、起亜・現代モービスなどを相互出資で束ねる韓国の企業集団です。2025年暦年で現代自動車の連結売上は186.3兆ウォン、起亜は114.1兆ウォン、部品の現代モービスは61.1兆ウォン。EVは電池を自前だけで持たず、SKオンなどとの合弁が米国の現地生産を支えます。何の会社かを完成車1社に還元せず、傘下・数字・海外工場・日本の部品企業から見た両面までを、2026年8月時点の一次数字で整理します。

当コラムで注目する用語

  • 企業集団(財閥):公正取引委員会が資産で指定する単位。現代自動車グループは2026年指定で資産3位。
  • 同一人:集団を実質支配する自然人。現代では鄭義宣(チョン・ウィソン)会長が軸。
  • 起亜(Kia):集団内のもう一つの完成車ブランド。現代自動車が大株主。
  • 現代モービス:モジュール・部品・アフターの中核。完成車とは別上場。
  • HMGMA(メタプラント):米ジョージア州の集団EV/ハイブリッド工場。当面年産30万台、50万台へ拡大計画。
  • HSBMA:現代自動車グループとSKオンの米電池合弁(50:50)。2026年に量産開始。

結論——現代自動車の売上を見ても、集団の決裁単位は見えない

検索で「現代自動車」と入れると、まず完成車のIRが出ます。2025年の連結売上186.3兆ウォン、世界販売約413.8万台は大きい。しかし契約の当事者は、完成車の現代自動車、別ブランドの起亜、部品のモービス、物流のグロビス、鉄鋼の現代製鉄、と法人が分かれます。公正取引委員会の2026年指定では、資産総額でサムスン・SKに次ぐ3位(約321兆ウォン前後)です。部品メーカーが「現代向け」と言うとき、ウルサンの購買なのか、モービスのモジュールなのか、ジョージアの電池パックなのかで、窓口も規格も違います。一文で言うなら、「完成車2ブランドと部品・物流・鉄鋼を同一人が束ねる、韓国第3位の自動車中心の企業集団」です。

見るもの2025年の一次数字(暦年)
現代自動車売上186.3兆ウォン/営利11.47兆/販売413.8万台/電動化96.2万台
起亜売上114.1兆ウォン/営利9.08兆/販売約313.6万台/電動化74.9万台
現代モービス売上61.1兆ウォン/営利3.36兆(製造47.8兆・アフター13.3兆)
2026年販売目標現代自416万台超、起亜335万台(合計約751万台)

1967年の現代自動車から、起亜買収で集団の骨格ができた

現代自動車の設立は1967年です。財閥「現代」全体の造船・建設とは、1990年代末の再編で分かれ、自動車を中核にしたのがいまの現代自動車グループです。転機は1998年以降の起亜買収で、現代自動車が起亜の大株主となり、2ブランド体制が固定しました。部品側では現代モービスがモジュール供給の中核になり、グロビスが物流、現代製鉄が鋼材、と垂直に近い束が残りました。2021年にはソフトバンクからボストン・ダイナミクス株の過半を、現代自動車・モービス・グロビスと鄭義宣会長側が共同取得しています。歴史の要点は「現代自動車が大きくなった」ではなく、「完成車2社と部品・物流を同じ集団指定の下に置いた」ことです。

現代自動車——2025年は売上186.3兆ウォン、営利は関税で減った

現代自動車の2025年通期(会社発表・監査済連結)は、売上186兆2,545億ウォン(前年比+6.3%)、営業利益11兆4,679億ウォン(▲19.5%)、当期利益約10.36兆ウォンです。世界販売は4,138,389台(ほぼ横ばい)。米国では卸売が初めて年100万台を超えた、と会社が書いています。電動化車両(EV・HEV等)は961,812台(+27%)、うちHEVの構成比は15.3%と過去最高です。2026年の会社ガイダンスは、売上成長1〜2%、営業利益率6.3〜7.3%、販売416万台超、投資17.8兆ウォンです。売上は過去最高でも、営業利益は関税とインセンティブで削られた——完成車単体の読みはこの二行です。

起亜とモービス——114兆と61兆は、別法人の数字

起亜の2025年は売上114.1兆ウォン(+6.2%)、営業利益9.08兆ウォン(▲28.3%)、世界販売3,135,873台(会社の年間結果発表)。電動化は74.9万台(+17.4%)、構成比24.2%。2026年は販売335万台、売上122.3兆ウォン、営業利益10.2兆ウォンを目標にしています。現代モービスは売上61.1兆ウォン(+6.8%)、営業利益3.36兆ウォン(+9.2%)と過去最高。製造(モジュール等)47.8兆ウォン、アフター13.3兆ウォンです。北米の電装・電化部品工場の本格稼働が寄与した、と会社側は説明します。現代自動車の186兆と起亜の114兆を足すと約300兆ウォンですが、内部取引があるため「集団の連結売上」ではありません。モービスは完成車の原価に入ります。

EVと電池——自前完結ではなく、SKオンとの合弁が米国を支える

集団の電化は、現代自動車と起亜の車種(IONIQ、EV3/EV6等)と、電池セルの外部パートナーがセットです。米国では、現代自動車グループとSKオンの50:50合弁「Hyundai-SK Battery Manufacturing America(HSBMA)」がジョージア州バートウ郡に約50億ドルの工場を置き、2026年6月頃から量産を開始し、サバンナ近郊のメタプラント向けに供給を始めた、と合弁側・現地報道が伝えています。設計能力は年35GWh(約30万台分)。セルは現代モービスがパック化し、現代・起亜・ジェネシスの米産EVに載ります。メタプラント敷地近くではLGエナジーソリューションとの別系統の電池工場もあります。SKオンは「電池の系列会社」ではなく、集団外のパートナーです。契約書の相手は、完成車・モービス・HSBMAのどれかを分けて書きます。韓国国内では、2026〜2030年に未来事業・研究開発・設備へ合計125.2兆ウォンを投じる、と集団が2025年11月16日に公表しています。電化だけを切り取らず、ソフトウェア定義車両(SDV)とロボティクスも同じ投資枠に入っています。

海外工場——インドと米国が、台数の柱になる

米国内では、アラバマの現代自動車工場(年産能力約40万台)、ジョージアの起亜工場(約35万台)、そして2025年3月26日に開所したHMGMA(メタプラント)が並びます。HMGMAは当初年産30万台、開所時に50万台への拡大(主にハイブリッド含む)と、2025〜28年に米追加投資210億ドルの枠を会社が示しました。既存2工場と合わせ、米国内の年産能力は約100万台規模になります。2025年に現代自動車の米卸売が年100万台を超えた背景には、この現地生産の厚みがあります。インドでは、現代自動車インドのチェンナイ工場が主力で、能力約82.4万台、プネ近郊タレガオン工場(2025年後半稼働)が約17万台で合計約100万台、と会社・IR系の説明が続きます。起亜は2026年にインド販売30.2万台、米国91.5万台、欧州59.4万台を地域目標にしています。日本企業が触れる地点は、韓国本社の購買だけでなく、アラバマ/ジョージア/チェンナイの現地調達です。関税と輸送コストが上がるほど、現地のTier2・材料の窓口が先に動きます。

支配と公取指定——同一人は鄭義宣会長、資産は3位

集団の同一人は鄭義宣会長です。完成車の議決は現代自動車と起亜の取締役会に分かれますが、大型投資・人事・系列間の優先調達の枠は同一人側に残る、というのが実務的な読みです。2026年4月29日発表・5月1日適用の公示対象企業集団で、現代自動車グループは資産で3位。相互出資制限の対象にも入ります。サムスンやSKと同じく、「名刺の会社」と「当局の集団名」は一致しません。HD現代(旧現代重工業系)など、商号に現代が残る別集団と混同しないことも必要です。

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日本の部品・材料から見ると、顧客でもあり競合でもある

デンソー、アイシン、ジェイテクト、ヨロズなど、現代/起亜向けに販社やサービス拠点を持つ日本企業は少なくありません。電装・電動パワステ・ブレーキブースター・カメラ・センサで顧客になります。一方、現代モービスや現代ウィアは、同じ部品領域で競合します。素材・装置では、電池材料や検査装置が米ジョージアの電化投資に載ります。韓国製造セルでも、2026〜2030年に集団が国内投資125.2兆ウォン(年平均約25兆)を公表しており、AI・SDV・ロボ・水素・電化に波及する、と整理されています。窓口を一枚にするときは、完成車ブランド×工場×品目×モービス経由か否かの4列が最小です。

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若手が誤解しやすい一点——現代自動車の購買が集団の決裁者だ

誤解は、現代自動車の購買担当と単価合意すれば、起亜もモービスも電池合弁も動く、という読みです。起亜は別上場の完成車、モービスはモジュールとアフターの別法人、HSBMAはSKオンとの合弁です。もう一つの誤解は、「現代」の商号が付く会社はすべて同じ集団だ、という読みです。HD現代など別指定の集団があります。正しく読むなら、当局の集団名、同一人、契約法人の3つを分けて書く。186.3兆ウォンは現代自動車の売上であって、集団全体の決裁単位ではありません。

まず確認すること

次の四半期までに、(1) 狙う相手が現代自動車/起亜/モービス/電池合弁のどれかを固定する。(2) 工場が韓国か、アラバマ/ジョージア(HMGMA)か、インド(チェンナイ等)かを書く。(3) 2026年公取で現代自動車グループが資産3位・相互出資制限対象であることを確認する。(4) EV案件ならセル供給がHSBMA(SKオン)かLG系かを、公開情報の範囲で分ける。(5) 見積もりの宛先部署と、基本契約・保証の当事者が同じ法人かを法務に確認する。現代自動車グループとは何かを一台メーカーに還元した代償は、間違った法人にNDAを結び、電池合弁の与信を後から知ることです。

読み解きのポイント ①集団=現代自+起亜+モービス等。同一人は鄭義宣会長 ②2025年:現代自186.3兆/起亜114.1兆/モービス61.1兆 ③電動化は現代自96.2万台・起亜74.9万台 ④HMGMAは30万→50万台計画、HSBMAは2026年量産 ⑤日本企業は顧客と競合の両面

現代自動車グループは完成車1社ではなく、2ブランドと部品・物流を束ねる韓国第3位の企業集団です。契約の相手法人と工場を固定した資料だけが、次の四半期の商談を動かせます。

よくある質問

Q. 現代自動車と現代自動車グループは同じですか?

違います。現代自動車は集団の中核完成車会社です。当局が見る単位は企業集団で、起亜・モービスなど別法人が並びます。

Q. 起亜は別会社ですか?

別上場の完成車会社です。現代自動車が大株主で、同じ企業集団に属します。契約当事者は起亜になります。

Q. 電池は自社製ですか?

車載電池セルはSKオンなどとの合弁・調達が中心です。米ジョージアのHSBMAは50:50合弁で、2026年に量産を開始しました。

Q. 日本企業はどこで取引しますか?

完成車の電装・シャシーは現代自/起亜、モジュールはモービス、米産EVはアラバマ/ジョージアの現地調達です。法人名と工場を分けて書いてください。

主な出典

Hyundai Motor「2025 Annual and Q4 Business Results」(2026-01:売上KRW 186.3兆・営利11.47兆・販売4,138,389台・電動化961,812・HEV構成15.3%、2026ガイダンス売上+1〜2%/OPM 6.3〜7.3%/販売416万台超/投資17.8兆)/Hyundai 連結監査報告書2025(売上186,254,472百万・営利11,467,851)/Kia「2025 Annual and Q4 Business Results」及び販売記録発表(売上114.1兆・営利9.08兆・販売3,135,873、電動化74.9万、2026目標335万台/売上122.3兆/営利10.2兆、インド販売目標302,000)/Hyundai Mobis 2025通期(売上61.1兆・営利3.36兆、製造47.8兆・アフター13.3兆:Korea Herald/会社発表二次)/KFTC 2026年指定(2026-04-29発表:公示102集団、現代自動車グループ資産3位・約321兆ウォン前後)/HMG「Metaplant America Celebrates Grand Opening」(2025-03-26:当初30万台、50万台へ拡大、米追加投資210億ドル2025-28)/Korea Herald メタプラント開所(アラバマ約40万・起亜GA約35万)/Yonhap/Korea Herald/AJC(HSBMA:2023設立・約50億ドル・35GWh・2026年6月量産開始、モービスがパック化)/HMG Newsroom 2025-11-16(国内投資2026-30年 KRW 125.2兆)/ボストン・ダイナミクス取得2021(集団発表)/Hyundai Motor India能力(チェンナイ約82.4万・タレガオン約17万)は会社説明の二次整理⚠️/調査時点:2026年8月11日。

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※2026年8月時点の情報をもとに作成しています。監修:森英朗(グループ代表)。

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