閉鎖的な業界へのアプローチに求められる多角的な視野

これまでお客様からのご依頼をもとに全世界を飛び回ってきたプルーヴ社ですが、海外への知見をさらに深めるため、昨今は投資出張として世界各都市における注目業界の調査も行っています。
今回はその一環として、アメリカ・オハイオ州シンシナティにおける航空・宇宙業界を視察した模様をお伝えします。

航空産業の集積地・シンシナティ

シンシナティの街中その1
シンシナティの街中その2

【シンシナティの街中】

オハイオ州の南西端に位置するシンシナティ。今回われわれも初めて訪れましたが、アメリカの中でもそれほどメジャーな都市とは言えません。
以前は犯罪率の高さからイメージが良くない時期もあったものの、2000年代中盤以降は再開発が進み、犯罪率も激減しているといいます。

 
実際に街に出てみると、中心街は特にきれいに整備され、そこかしこにウォールアートがあったり、おしゃれな雑貨屋が立ち並んでいたりと、全体的に明るくかわいらしい印象を受けます。
街中にレインボーフラッグが掲げられている光景もよく見かけたため、LGBTへの理解が進んでいるようにも感じました。

 
また、日本ではP&Gとしておなじみのプロクター・アンド・ギャンブル社や花王のアメリカ本社といった有名企業がある他、航空機メーカーのGEアビエーション社を中心に航空・宇宙産業の集積地ともなっています。
そこで今回は、シンシナティにおける航空・宇宙産業の業界構造の把握のため、業界に関わる専門家たちへのヒアリングを行うことにしました。

産学連携を足掛かりにした研究者へのヒアリング

研究者へのヒアリング

 
ヒアリングを始めたはいいものの、航空・宇宙業界は閉鎖的な業界でなかなか関係者へのアポが取れず、最初はアプローチに難航しました。
そこでわれわれは視野を広げ、企業だけでなく航空・宇宙業界と産学連携している関連大学をあたり、研究者や教授にヒアリングを行うことにしたのです。

 
事前に業界に関わる研究者や教授を探して彼らの研究室を訪ねたところ、大学は企業よりもはるかにオープンな雰囲気で、思いがけずさまざまな専門家にヒアリングすることができました。
特に企業とのつながりを求める研究者からは「日本の企業に紹介してほしい」と売り込みをかけられることもあり、こちらがアプローチするまでもなく積極的にアピールしてくる人もいたほどです。

 
さらにヒアリングを進める中で、シンシナティでさまざまな企業の支援・紹介をしているJapan America Society of Greater Cincinnati(グレーター・シンシナティ日米協会)という団体との出会いもありました。
まだシンシナティに進出している日本企業は少ないため、もしシンシナティやオハイオ進出に興味を持っている日本企業があれば全力でサポートしたいと彼らは話していました。

 
海外進出時には、こうした現地団体とつながりを持つことも有力な足掛かりの一つになるのではないでしょうか。

閉鎖的な業界への多角的なアプローチ

プルーヴ社では、シンシナティのようにメジャーではない都市も含めて世界各地に足を運び、さまざまな注目業界に対して常にアンテナを張り巡らせています。

 
今回のように閉鎖的な業界を調査する場合でも、企業だけに留まらず産学連携しているその地域の大学教授・研究者たちと緻密なネットワーキングを進めるなど、多角的な視野を持ちながら幅広い人材へのアプローチを行っています。

 
調査が難しい閉鎖的な業界やニッチな企業へのアプローチに悩んでいる方は、ぜひ一度われわれにご相談ください。

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