現地で見たドバイの内情/2020ドバイEXPOにむけて

今回は、2020年のドバイ国際博覧会に向け動きだしている、都市国家ドバイの実態についてお伝えします。

ドバイの内側

中東と聞くと“石油”をイメージされる方も多いと思いますが、ドバイでは、石油はほとんどとれません。UAEでとれる石油の大部分が、首長国であるアブダビで採掘されたもの。
ドバイは、世界的な観光都市であり、人類史上最も高い建造物や世界最高級の7つ星ホテル、世界最大のショッピングモールや人工島などが存在する、とにかく世界一が多い都市。また、経済・政治・文化の中枢が集積する中東屈指のグローバル都市でもあります。さぞかし現地住人も潤っているのかと思いきや、その実態は異なります。

ドバイ
ドバイ

ドバイの人口構成は実にユニークです。現地住民の約9割が外国人労働者。西アジアやフィリピンからは多くの出稼ぎ労働者が訪れています。ドバイではタクシーの運転手がパキスタン人、スーパーのレジやショップの店員はフィリピン人といった具合に、まるで国籍によって職業が決まっているかのような光景を見ることができます。

一方で、国全体の1割程度しか存在しないドバイ国民。ドバイ政府は、自国民優遇政策を徹底しています。ドバイ国民には、住居や車が無償で支給され、医療費や公共料金は無料、さらに消費税、所得税、住民税もありません。それ故、ドバイ国民の生活は非常に豊かなものになっています。

また、企業設立においても自国の経済的特権があり、フリーゾーンと呼ばれる経済特区以外での法人設立には、UAE政府の認可を受ける現地法人とパートナー契約を結ぶか、UAE人をローカルスポンサーとして出資者に迎え入れるかなどをし、UAE資本を自社へ取り込む必要があります。

ドバイでのビジネ ス

実際に、どのような日本企業がドバイへ進出しているのでしょうか。国に合ったビジネスや商品でドバイ進出を果たした日本企業がいくつかあります。その事例とともに、ドバイの本質をみていきましょう。

本質1:クオリティーの高い日本製品は、ドバイでも評価されています。しかし外国人労働者が多いドバイでは高価で質の良い製品より、安価な消耗品が好まれる傾向にあります。

→安価で高品質。種類豊富でユニークな製品が受けた「小売業者」

本質2:ドバイでは宗教への配慮も重要です。ドバイ国民はイスラム教徒であるため、アルコール、豚肉関連製品は摂取しません。また、ラマダンと呼ばれる断食期間があり、約1カ月の間、日の出から日没までの時間は飲食が禁止されます。

→ラマダンを考慮した栄養ドリンクで人気がでた「製薬会社」

本質3:ドバイでは甘い食べ物が好まれますが、その反面、健康に気を使う人も多くいます。食生活が原因とされる成人病が社会問題となっており、健康食品も多く売られています。

→甘さ控えめで上品な日本の味が受けた「菓子専門店」

このように、国の特徴を理解することが海外進出への手掛かりとなります。また、現地法人との出会いの場として有効なのがドバイで開催される展示会です。ドバイ貿易センター(DWTC)では中東最大級の国際展示会が行われており、世界各国から多数の企業が出展しています。

ドバイ国際博覧会

2020年にドバイ国際博覧会の開催が予定され、今後ますます多くの需要が期待されるドバイ。万博におけるインフラ関連予算は約70億ドル(USD)。会場の建設以外に、ドバイ国際空港の拡張や鉄道建設の促進、レジャー事業の拡大や宿泊施設の建設などが予定されています。万博への来訪者数は1日当たり推定30万人とされており、そこには新たなビジネスチャンスがある予感がします。

万博のテーマは「心をつなぎ、未来を創る」。

プルーヴではその未来への懸け橋となるサポートをさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。

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