TICAD 9(第9回アフリカ開発会議)とは?概要・参加国・議題を解説

アフリカは現在、急速な人口増加と高い経済成長率を背景に、世界中の企業からビジネスチャンスの多い地域として注目されています。 

そのような中、8月に横浜でTICAD 9(第9回アフリカ開発会議)が開催されます。 この会議はアフリカの開発について議論されるため、同地域のビジネスチャンスを探る上でも重要な国際会議です。 
そこで本記事では、TICAD 9の概要や参加国、議題をわかりやすく解説します。 

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TICADとは? 

TICAD(読み方:ティカッド)とは、「Tokyo International Conference on African Development」の略で、日本が主導して1993年に始まった国際会議です。

この会議はアフリカの発展について議論され、関係各国だけでなく、開発に携わる国際機関や民間企業なども参加するのが特徴です。当初は5年ごとに開催されていましたが、2013年以降は3年ごとに開催されています。 

日本がなぜ主導しているのか? 

日本がTICADを主導してきたのは、以下の3つの背景が関係しています。 

  • 高い成長性への期待 

アフリカは、2050年に世界人口の約4分の1を占めると予測されており、急速な人口増加が続く地域です。このような人口動態は「人口ボーナス」を生み出すことから、市場規模の拡大や経済成長の大きな原動力です。 

日本はこうしたアフリカの開発において、主導的な役割を果たし、日本企業の持つ高い技術力やノウハウを生かしたインフラ整備を支援しています。そして、この取り組みにより、経済成長の恩恵が同地域の貧困層にも届くことを目指しています。 

  • 人間の安全保障の推進 

日本は、「一人ひとりが輝くアフリカ」を目指しており、そのために推進しているのが人間の安全保障です。人間の安全保障を実現することで、地域の自律的な成長を後押しできるとしています。 

  • 官民一体のアフリカ開発支援 

アフリカは、成長性から「21世紀最大のフロンティア」とも称され、世界中が注目する地域です。そのような背景から、日本企業とアフリカ各国では、投資の拡大や新たなビジネスチャンスへの期待が高まっています。こうした中、日本はTICADで主導的な役割を果たし、官民一体となってアフリカ開発を進めてきました。 

アフリカ進出企業の成功事例を知りたい方は、「アフリカ大陸へ進出するメリットとは?」の記事も併せてご覧ください。 

TICADの歴史 

TICADの過去の開催年と開催地、主な出来事は次の表のとおりです。 

回 開催年 開催地 主な出来事 
TICAD 1 1993年 東京 アフリカ開発に関する東京宣言を採択 
TICAD 2 1998年 東京 東京行動計画を採択 
TICAD 3 2003年 東京 日本が推進する「人間の安全保障」の考え方が
注目される 
TICAD 4 2008年 横浜 経済成長の加速化、人間の安全保障の確立及び
環境・気候変動問題への対処を議論 
TICAD 5 2013年 横浜 アフリカ首脳と日本の民間企業の代表による
直接対話を実施 
TICAD 6 2016年 ナイロビ
(ケニア) 
国際資源価格の下落、エボラ出血熱の流行、
保健システムの脆弱性への対応を議論 
TICAD 7 2019年 横浜 経済、社会、平和と安定の3つの柱を議論 
TICAD 8 2022年 チュニス
(チュニジア) 
日本はスタートアップ支援、UHC達成に向けた
取り組み、法の支配の推進を表明 

引用:外務省「TICADの歩み」 

TICAD 8において日本は、官民合わせて総額300億ドル規模の資金をアフリカに投資する方針を表明しました。この資金は、グリーン投資やスタートアップ支援、人材育成、地域の安定化などの取り組みに充てられました。 

TICAD 9の概要 

TICAD 9は、2025年8月20日から22日にかけて、横浜市で開催される予定です。横浜での開催は今回で4回目となり、同市がTICADの主要な開催地として定着していることを示しています。 

横浜のアフリカへの取り組み 

横浜市は「アフリカに一番近い都市」というスローガンのもと、TICADの開催地としてアフリカとの交流を深めています。主な取り組みは次のとおりです。 

  • 次世代の育成 

アフリカ諸国と市内の小中学校との国際交流を推進しており、これまでに200校以上が交流学習を実施しています。 

  • 都市課題解決への貢献 

アフリカのインフラ分野に関する視察や研修を積極的に受け入れており、これまでに1,400人以上が横浜市を訪れました。 

  • 女性の活躍を支援 

アフリカ各国から女性起業家や関連政府職員をJICAの研修員として受け入れ、横浜市の女性起業家や行政職員との意見交換・交流を通じて、女性の活躍を支援しています。 

このようにして、横浜市はアフリカ各国との関係性を強化しています。 

TICAD 9の参加国 

TICAD 9の参加国は現時点で不明です。そこで、参考までに前回と前々回の参加状況を紹介します。 

前回のTICAD 8には、20名の首脳級を含むアフリカ48カ国が参加しました。ただし、コロナウイルスの影響により、岸田総理大臣はオンラインでの参加でした。 
前々回は横浜で開催され、アフリカ53カ国の代表ら1万人以上が参加。日本が主催する国際会議として最大規模となりました。 

TICAD 9の主要議題 

TICADでは主に、「経済」「社会」「平和と安定」の3つの分野について議論が行われます。ここでは、その中でもTICAD 9で注目されている議題を紹介します。 

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現 

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)とは、全ての人が適切な保健医療サービスを負担可能な費用で受けられることです。これは、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール3にも含まれています。

日本はこのUHCを推進しており、多くの国際的なフォーラムで重要性を強調しています。TICADにおいても同様に、これまでに実現に向けた議論が行われてきました。そのため、今回も主要な議題の一つと考えられます。 

長期化する人道危機への対応 

アフリカの一部地域では、紛争や飢餓、気候変動の影響により、人道危機が長期化しています。

例えば、スーダンや中央アフリカ共和国です。これらの地域では、内戦によって多くの難民が発生しています。特にスーダンの状況は深刻で、「世界最悪の人道危機」とまで言われています。長期化する人道危機への対応は、TICAD 9における重要な議題の一つです。 

気候変動対策や防災分野での連帯 

アフリカでは、気候変動の影響による干ばつや集中豪雨といった極端な気象現象が頻発しています。これにより農作物の収穫量が大幅に減少し、食料価格の高騰を招いています。このような影響は、貧困層にとって深刻な問題です。 

さらに、地球温暖化の影響で蚊の生息地が広がり、マラリアの感染症リスクも拡大しています。このように、気候変動がアフリカにもたらす影響は大きく、その対策は同地域にとって喫緊の課題となっています。 

教育分野における協力 

アフリカが直面する課題の一つに、子どもの未就学率の高さと低い修了率があります。主な要因は、学習環境の整備が不十分であることや、貧困のため教育費を負担できないことなどです。こうした状況を受け、教育環境の改善に向けた日本の支援が期待されています。 

アフリカ市場へ進出しよう 

アフリカは、急速な人口増加と経済成長を背景に、多くの企業から注目されている地域です。TICADを通じて、日本政府も官民一体でアフリカとの関係強化を進め、すでに多くの資金を投入しています。

例えば、TICAD 8では300億ドルの支援が発表され、グリーン投資やスタートアップ支援、人材育成などに活用されました。このような背景から、日本企業にとっても同地域はビジネスチャンスが多いと言えます。海外展開を検討している企業様は、アフリカ市場への進出を検討してみてはいかがでしょうか。 

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