マーケティングという言葉はよく耳にしますが、どういう意味なのかと思う方も多いでしょう。マーケティングとは、一言でいえば「売れる仕組みを作ること」。実際に、マーケティングを行う際には、誰に・どのような価値を・どのようにして提供するかを考えていくことになります。この記事では、マーケティングの基礎、手法について、わかりやすく解説します。
マーケティングとは
マーケティングの目的には、大きく3点あります。
まずは「ブランドの認知度を上げる」こと。モバイル端末やSNSなどが普及したおかげで、ブランドからユーザーへの情報発信がしやすくなりました。SNS運用、オンライン広告、PPC広告を出すなど、複数のチャネルで自社を宣伝・ブランディングしていき、認知度を上げていく目的があります。
次に、「リードの最適化・利益の最大化」。顧客を知り、自分の商品に最も関連のあるマーケットに目星をつけ、リードを売上に変えるために十分な売上データを確保することです。ブランド力を生かし多くのリードを生み出し、そのリードを売り上げに変えることができます。
そして、「新たなリード獲得手段を開拓する」ことも大切です。新たな顧客発見につながるだけでなく、ビジネスに新たな視点をもたらす重要な手段でもあるからです。展示会、セミナー開催、SEO対策(検索エンジン最適化)など様々な方法があります。
プロモーションの展開方法別マーケティング手法
プロモーションの展開方法によって、マーケティングの手法は大きく4つに分けられます。それが、「マスマーケティング」「ダイレクトマーケティング」「インバウンドマーケティング」「ゲリラマーケティング」。ここからはそれぞれの特徴について説明いたします。
マスマーケティング
マスマーケティングとは、不特定多数の消費者に対し、統一的・画一的なプロモーションを行うマーケティングのことです。テレビCMや新聞・雑誌広告などが代表例で、インターネットが普及した現在も大規模で実施されています。食品・飲料・日用雑貨品・化粧品・車・保険といった製品・サービスの多くで、マスマーケティングが行われています。消費者にも身近なマーケティング手法です。多数の消費者をターゲットとするため、多くのコストがかかるため、大企業が実践している方法です。
ダイレクトマーケティング
ターゲットを定め、双方向のコミュニケーションによって販売促進を展開するマーケティング手法です。通信販売、通信教育、ECなどで利用されるケースがあります。直接の顧客の反応を分析することができるので、効果検証がしやすいという利点があります。IT・通信環境の進化によって、さらに活用できる場が広まっています。例えば、メール、SNSなどを通じて双方向のコミュニケーションを展開する手法も、ダイレクトマーケティングの1つです。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、Webサイトやブログ、SNSなどで役立つ情報を提供し、自社を見つけてもらい、リードを獲得・育成して、ユーザーになってもらうまでのマーケティングの手法です。現代の消費者・購買者の行動様式に合わせて提唱されている概念で、インターネットやスマホが普及した現代、企業がデジタルマーケティングを進めるに当たってとても重要な考え方です。
ゲリラマーケティング
ゲリラマーケティングは、コストをかけず、型破りな手法を用いる手法です。商品・サービスの大きなインパクトを与え、サプライズによって顧客を獲得することが主な目的です。例えばネット・SNSでのバズを狙ったバズマーケティングも、ゲリラマーケティングの1つ。低コストで効率的に利益を得ることを目的とするため、中小企業やスモールビジネスでも利用しやすいマーケティング手法です。ダイレクトマーケティングと同じく、インターネットの普及によりゲリラマーケティングも活用の場が増えています。
マーケティングを展開する領域別手法
マーケティングを実施する領域によってマーケティングの手法は大きく2つに分けられます。それが「リアルマーケティング」と「デジタルマーケティング」です。ここでは、それぞれのマーケティング手法についてご紹介します。
リアルマーケティング
リアルマーケティングとは、リアルな現場・空間で行うマーケティングのことです。具体的には、実演販売・街頭サンプリング・集客イベントなどがあります。商品を実際にユーザーに試してもらったり、機能を実感してもらったりと、リアルな体験ができる点がメリットです。また、現場の様子を動画でSNSやWebサイトなどに投稿することにより、リアルだけでなくオンライン上にも情報拡散が可能になります。その一方で、リアルマーケティングが成功するかは、当日の動員数や天候など、不確定要素にも左右される点に注意が必要です。事前にリスク要素を洗い出し、対策を考えておく必要があります。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは、あらゆるデジタル関連のツール・サービスを活用するマーケティングです。様々な種類がありますので、以下にご紹介します。まず「Webマーケティング」は、WebサイトやWebサービスを用いるマーケティング手法です。ターゲットに合わせた施策を行うことができるので無駄が少なく、低コストで新鮮な情報を得られます。「コンテンツマーケティング」は、ユーザーの知りたい情報についてコンテンツ制作・提供を蓄積して、継続的にユーザーを惹きつけて顧客として定着させ、収益に繋がる行動をとってもらう手法です。「SNSマーケティング」は、SNSを活用した手法で、顧客とのコミュニケーションによって企業や商品・サービスのブランド価値や認知度などを高めたり、購買意欲を煽ったりする手法です。「動画マーケティング」は、映像により商品やサービスの魅力を訴求します。「O2Oマーケティング」は、「Online to Offline」の意味があり、オンラインからオフラインへ購買行動を促すマーケティング手法です。インターネットの普及に伴い重要視されるようになったマーケティングの手法の1つです。
マーケティング分析手法の種類
マーケティング分析手法にはいくつかの種類があります。さらに「自社と外部環境の分析を行うマーケティング手法」と「自社の製品・サービス展開を検討するマーケティング手法」の2パターンに分けることができます。それぞれに当てはまる分析方法を以下にご紹介します。
自社と外部環境の分析を行うマーケティング手法
自社と外部環境の分析を行うマーケティング手法には、「3C分析」「PEST分析」「5フォース分析」「SWOT分析」「VRIO分析」「STP分析」があります。それぞれについてご紹介します。
3C分析
「3C」は、Customer(顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)のこと。それぞれの要素を客観的に掘り下げる分析手法を3C分析といい、事業戦略や企業全体の戦略を立てるのに適しています。
PEST分析
「PEST」とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの分析要素の頭文字です。主に比較的大きな規模でのマーケティングや経営戦略において、未来を見通し、方向性を定めるために用いられる分析手法です。4つの外的要因が企業に与える影響を予測することで、危機回避や成長機会の見定めを目的とした分析を行ないます。
5フォース分析
5フォース分析は、自社をとりまく環境を5つの分類ごとに整理し、それぞれが自社のビジネスにとってどれくらい脅威となるか、また、対抗していく上で、どのように効果的に自社の資源を配分していくかを検討する材料とする分析方法です。
SWOT分析
「持っている武器をいつ、どのように使うか」の分析とも言えます。比較的よく使われる分析手法で、どんな商品・サービスにも当てはまりやすい、基本的な分析です。SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(市場・顧客)、Threat(脅威)の頭文字を取った言葉で、商品が持つ強みや弱み、また市場の動向と、商品にとって脅威となる要因を残らず洗い出し、そこから「いつ、何をすべきか」という戦略を組み立てる分析方法です。
VRIO分析
VRIO分析とは、企業が持つ経営資源の独自の強みや弱みを分析するフレームワークのことです。 企業の経営資源の観点から、Value(経済的な価値)、Rareness(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の頭文字で構成されており、この4要素を客観的に評価していきます。
STP分析
STP分析は、自社の商品やサービスのターゲットを把握するために使われます。Segmentation(市場を細分化する)、Targeting(狙う市場を決定する)、Positioning(自社の立ち位置を明確にする)の要素からなる分析手法で、ある商品売る際に、大きな市場を特定の条件によって分類し、ターゲットとなる顧客層をフォーカスし、市場において、自社商品の立ち位置を決めるという流れとなります。
関連記事
定量調査は何のためにするの?理解すべき基本ポイントと調査手法別のメリットデメリットをご紹介
自社の製品・サービス展開を検討するためのマーケティング手法
自社の製品・サービス展開を検討するマーケティング手法には、「4P分析(マーケティングミックス)」「バリューチェーン分析」があります。それぞれについてご紹介します。
4P分析(マーケティングミックス)
4P分析は、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の4つの観点から分析する手法で、商品そのものの総合的な分析と価値設定により、いかに効率的に・確実に商品を売っていくかを浮かび上がらせる方法です。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、製品やサービスが顧客に渡るまでのプロセスにおいて、どこで競合に優位性を発揮する付加価値が生み出されているかを分析する手法です。商品の製造工程から顧客の手に渡るまでのステップを細分化して、競合製品と比較した際にそれぞれのステップで勝っている点・負けている点をピックアップし、マーケティング戦略のヒントにします。主活動と呼ばれる、製品やサービスが顧客に届くまでの過程に直接関係する活動(購買物流、製造、出荷物流、販売など)と、支援活動と呼ばれる、主活動を支える活動(調達、開発、人事管理、財務、会計、インフラ管理など)に分けて考えます。
まとめ
一言でマーケティングと言っても、実際にマーケティングを用いるには様々な手法があり、あらゆる場面で活用されていることを説明しました。それぞれの手法によって得られるものも異なってきます。自社で適切なマーケティングや分析手法は何か?どのような準備をして、マーケティングを実施していけばいいのか?と悩んでいたら、一度専門家へ問い合わせてみるのがおすすめです。弊社プルーヴ株式会社では、マーケティング分野での豊富な経験・知見を活用し、お客様の事業成功の道筋における全てのフェーズをサポートしております。まずは今抱えている課題をぜひご相談ください。