シンガポール視察で感じた取引先企業に対して考慮すべき点

今回は、シンガポールにおける日用品の流通概況について調査をする中で、海外進出の際に考慮すべき点についてお伝えいたします。

シンガポールの日用品販売店でのスタンダード

今回の調査では、時間の一部を使ってスーパーやコンビニなどを訪れ売れ筋商品の把握をしました。
売れている商品は、数十年前からシンガポールで販売されているものが多く、海外製品であっても長い時間をかけて国民の生活に浸透していった商品となり、ある意味シンガポールスタンダードになっていることが分かりました。
また、日本では2009年の薬事法改定によって、医薬品を販売するコンビニやスーパーが増えてきましたが、シンガポールではコンビニやスーパーのほぼ全店で医薬品が販売されていました。

シンガポール セブンイレブン
セブンイレブン
シンガポール DAISO
DAISO

DAISO

さまざまな進出形態の可能性と危険性

日本企業が海外に進出する場合、単独で進出することを第一に考えるのではないかと思います。
しかし、進出国でソリューションを提供すべき場合においては取引先と共に複数社で進出するケースもあります。
例えば、日用品を取り扱う会社であれば、その納入先となっている小売企業と共に進出する可能性が考えられます。
この場合、納入先からすると、自社単独で海外展開の予定がなかったとしても、取引先企業が海外進出をすることをキッカケにして、取引先企業のリソースを借りながら進出ができる可能性がある、ということです。

 
一方で、海外進出に向けたスケジュールに合わせてフレキシブルにスピード感を持った対応を行うとともに、ターゲット商品が現地で実際に売れるかどうかを見極めることができなければ、会社として大きな損失を抱える可能性も含んでいます。

 
また、取扱い商品によっては、日本では存在しないチャネルを通じて消費者に販売されるケースがあります。例えば日本では納入先が1ヶ所に限られていたとしても、海外では納入先が何ヶ所も存在しており、取引先が何倍にも広がる可能性もあるのではないでしょうか。

 
自社を取り巻く環境や、自社製品の特長、ステークホルダーとなる存在を俯瞰し、海外進出の可能性があるのかどうか、今一度検討してみてもよいのかもしれません。

海外進出を考える際に準備しておきたいこと

計画を立てる

 
取引先情報にアンテナを貼ることはもちろんですが、海外進出を考える際の準備として、法規制や製品ライセンスについて現地での事業感をもって確認をしておくこともおすすめいたします。
当たり前の話ではありますが、国ごとに法規制は異なり、扱う商品が多ければ多いほど製品ライセンスの取得にも骨が折れます。国によっては、州や特定のエリアをまたぐことで、規制や税制が全く変わってくる場合もあり、日本で置き換えると東京では売れるが神奈川では売れないといったようなケースも存在します。
 
製品ライセンスについては、特に「申請者」、「ライセンス取得までに有する時間」、「ライセンス取得にかかる費用」をそれぞれ調べておき、早目に申請フローに入ることを推奨いたします。

 
しっかりと下準備を行っておくことで、海外進出の成功に一歩でも近づけるはずです。

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