プルーヴでは、創業以来ビザのトラブルを経験しながら対策の仕組み化を行っていますが、今でもトラブルを起こしてしまうことがあります。
今回は、そんな海外出張でのビザトラブル経験をもとに、日本人のビザ意識とその対策についてご紹介します。
ロシアで起こったビザトラブル
ビザトラブルの原因はさまざまですが、例え間違いなくビザ申請を行っていたと思っていても、コミュニケーションの齟齬でビザ発行のミスをすることもあるのです。
そんなビザトラブルに巻き込まれたロシア出張の事例をご紹介します。
ロシアに渡航する際には、日本人であってもビザが必要です。ロシアビザは渡航前に日本の大使館で申請を行いますが、その際1回のみ使えるシングル、3カ月以内に2回使えるダブル、そして最大3年間使えるマルチブルの3種類から選べます。
その出張では複数ヵ国を訪れる予定だったため、あらかじめマルチブルビザを大使館に申請したつもりでした。
しかし、イタリアの空港からポーランド・ワルシャワに立ち寄り、モスクワ経由で日本に戻る際にビザのミスを発見。マルチブルではなく、シングルタイプのビザだったのです。その時点ですでに1回使用していたため、もうビザは使えません。
結局、ワルシャワでロシアを経由しない航空券を買い直し、無事成田空港に戻れましたが、ビザを確認しなかったために十数万円の航空運賃が余分に発生してしまいました。
確認不足が原因であることは間違いありません。ただし、この事例から正しく申請したつもりでも、コミュニケーションや手続きのミスで正しく発行されていないことがあるのです。受け取った時点で必ず目を通し、申請内容に沿ったものかどうかを確認するようにしましょう。
他社様からも同じようなトラブルを聞くことがあり、こういった確認不足の背景には、日本人はどうしてもビザに対する認識が甘く、トラブルを起こしやすい傾向にあるようです。
その理由を考えてみたところ、日本人は短期かつ観光目的の滞在であれば、ビザなしでも渡航できる国が多いという点にあるのではないかという結論に帰結します。日本に対する信頼度の高さは喜ばしいことですが、その分ビザに疎くなりがちで、ビザが必要な国に行く際に、しばしばトラブルを引き起こすことがあるのです。
中国で起こったビザトラブル
続いて今ではお恥ずかしい事例ではありますが、中国・深圳から帰国する際に起こしてしまったトラブル事例を紹介します。
出張中に調査状況に合わせて予定を変更して、予定を延長することがあります。
中国は15日以上の滞在時にはビザが必要ですが、まさに今回のトラブルは、予定を延長して調査をした際に15日を超過してしまっていたという事例です。
急遽、中国の公安局に赴いてビザを申請しました。しかし、発行には4~5日かかるとのこと。当然ですがビザの取得には時間がかかるため、予定が変更になった時点で速やかに手続きしなければいけません。
このトラブルの際に罰金さえ支払えば香港を経由して帰国する方法を紹介されました。それほど日本人で同じような状況になる人が多いとのことです。ここでもビザに対する認識の甘さが現れているのではないでしょうか。
※あくまで過去のトラブル事例であるため今でも同様に罰金を支払うことで帰国できる保証はありません。
コロナショックでビザの条件が大きく変化している国も!
特に、コロナウィルスの関係でビザの条件などが大きく変化しています。
出張が多い人はビザの種類や内容、期限などをよく理解し、入念な渡航準備を心がけてください。
海外出張が多い企業では、旅行会社などにビザの代行申請を依頼するところもありますが、すべて自分で手配しなければならないという会社も少なくはありません。
本業務で手一杯の状態だと、どうしても確認がおろそかになってしまいがちですが、現地でミスに気づいたとしても、再申請に時間を要することになります。また、航空券代や滞在費用など予定外の出費が発生することもあるでしょう。
会社側はこうしたミスを防ぐために、内容と期間を確認することを仕組み化するにつきます。自分でビザを取得している人は、現地からインビテーションをもらって、きちんと確認するようにしましょう。
また、ビザに関する情報は変更になる場合も多々あります。インビテーションだけではなく、日本大使館などの公式サイトにも目を通し、最新情報を確認するようにしましょう。
ビザなしで渡航できる国が多いのは日本の魅力ですが、それ故ビザに関して不勉強の人が多いようです。ビザにまつわるトラブルを知ることが、今後ビザへの意識を変えるきっかけになればと思います。
参考資料:
http://www.milanosalone.com/
http://www.tabiplus.com/info/info/basic/visa.html