DRホートン(D.R.Horton)とはどんな会社?会社概要や業績  

DRホートンは、アメリカに本社を置く住宅建設会社です。主な事業は、一戸建て住宅や集合住宅の建設と販売です。その他には賃貸事業や宅地開発、金融サービスを行っています。本記事ではDRホートンの会社概要と経営状況について紹介します。 

DRホートンとはどんな会社 

出典:DRホートン 

DRホートンは、アメリカの36州で事業を展開する住宅建設会社です。創業から46年で110万戸以上の住宅を建設してきました。この章では、同社の会社概要や歴史、経営理念を紹介します。 

会社概要 

DRホートンの会社概要は以下のとおりです。 

​​会​社名 D.R. Horton, Inc. 
本社 アメリカ 
設立 1978年 
進出地域 アメリカの36州 
住宅成約件数 89,690戸(2024年度) 
従業員数 14,766人(2024年9月30日時点) 
売上高 368億ドル(2024年度) 

歴史 

DRホートンは、1978年に創業者のドナルド・R・ホートン氏によって設立されました。同社は1992年に上場を果たし、1997年にコンチネンタルホームズを買収しました。 

そして、1999年にセンチュリー・タイトル・エージェンシー、2001年にエメラルド・ビルダーズなど、同業企業を数多く買収。買収により事業を拡大した結果、2002年にアメリカで最大の住宅建設会社となりました。 

その後も、2016年にウィルソン・パーカー・ホームズ、2018年にウェストポート・ホームズを買収しています。このように、積極的な買収戦略で事業規模を拡大させたのがDRホートンです。 

なお、創業から同社を指揮してきたドナルド・R・ホートン氏は2024年に急逝し、新たな会長にデビッド・V・オールド氏が任命されています。 

経営理念 

DRホートンは経営理念として、以下の3つの価値観を重要視しています。 

  • To build value for our homebuyers(住宅購入者のために価値を築く) 
  • To build value for our investors(投資家のために価値を築く) 
  • To build value for our employees(社員の価値を高める) 

これらの価値観は行動規範を通じて全従業員に浸透しています。 

DRホートンの経営状況 

DRホートンの経営状況として、直近6年間の売上高と税引前利益の推移を紹介します。 

参考:DRホートン「Annual Reports」 

2024年度の売上高は368億ドル(5兆5,200億円)で、2023年度の355億ドル(5兆3,250億円)と比較して、13億ドル(1,950億円)増加しました。一方、2024年度の税引前利益は63億ドル(9,450億円)で、2023年度と同じ水準を維持しました。売上高が増加した要因は、新築住宅の需要が堅調に推移したことが挙げられます。実際、2024年度の住宅成約件数は89,690戸で、2023年度と比較すると6,773戸増加しました。※1ドル=150円換算 

また、2019年から2023年にかけて売上高が倍増した要因は、コロナ禍で発生したアメリカ国内の住宅需要の急拡大と住宅価格の高騰です。リモートワークの普及により住宅の需要が増える一方、売り手は感染リスクを恐れて内見を控えるなどしたため供給量が不足しました。このようにして需要と供給のバランスが崩れ、さらに建設資材の高騰が重なったことで一気に住宅価格が高騰したのです。 

DRホートンも例外ではなく、2021年と2022年に成約件数と成約価格が急上昇したことで、同期間の記録的な成長につながりました。参考までに、同期間における住宅の平均成約価格の推移は以下のとおりです。 

参考:DRホートン「Annual Reports」 

なお、同社はアメリカ国内のみで展開しており、海外への進出はしていません。 

DRホートンの事業別売上高の推移 

DRホートンの経営状況について、事業別売上高に焦点を当てて解説します。同社の事業別売上高の構成割合は以下のとおりです。 

参考:DRホートン「Annual Reports」 

グラフからDRホートンの売上高は、住宅建設事業が全体のほとんどを占めていることがわかります。この章では各事業の内容、売上高と税引前利益の推移を紹介します。 

住宅建設事業 

住宅建設事業はDRホートンの中核事業です。アメリカの36州で住宅の建設や販売、及び土地の販売を行っています。同事業の売上高と税引前利益の推移は以下のとおりです。 

参考:DRホートン「Annual Reports」 

2024年度の売上高は340億ドル(5兆1,000億円)で、2023年度の317億ドル(4兆7,550億円)と比較して、23億ドル(3,450億円)増加しました。また、2024年度の税引前利益は55億ドル(8,250億円)で、2023年度の53億ドル(7,950億円)と比較して、2億ドル(300億円)増加しました。売上高と税引前利益が増加した要因は、住宅販売数の増加が挙げられます。ただし、住宅の平均販売価格が低下したため一部相殺されました。 

賃貸事業 

賃貸事業には、一戸建て賃貸事業と集合住宅賃貸事業があります。一戸建て賃貸事業は一戸建て住宅を建設して賃貸した後、各コミュニティに一括販売する事業です。集合住宅賃貸事業は、アパートなどの賃貸住宅を開発・建設し、賃貸や販売を行います。同事業の売上高と税引前利益は以下のとおりです。 

参考:DRホートン「Annual Reports」 

2024年度の売上高は17億ドル(2,550億円)で、2023年度の26億ドル(3,900億円)と比較して、9億ドル(1,350億円)減少しました。また、2024年度の税引前利益は2億3,000万ドル(345億円)で、2023年度の5億2,000万ドル(780億円)と比較して、2億9,000万ドル(435億円)減少しました。売上高と税引前利益が減少した要因は、一戸建て賃貸住宅の成約件数が大幅に減少したためです。具体的に2024年度の成約件数は3,970件で、2023年度の6,175件と比較して2,205件減少しました。 

フォレスター事業 

フォレスター事業は、宅地開発を担う事業です。同事業の売上高と税引前利益の推移は以下のとおりです。 

参考:DRホートン「Annual Reports」 

2024年度の売上高は15億ドル(2,250億円)で、2023年度の14億ドル(2,100億円)と比較して、1億ドル(150億円)増加しました。また、2024年度の税引前利益は2億7,000万ドル(405億円)で、2023年度の2億2,000万ドル(330億円)と比較して、5,000万ドル(75億円)増加しました。売上高と税引前利益が増加した要因は、販売区画数の増加が挙げられます。 

金融サービス事業 

金融サービス事業は、住宅購入者に対して住宅ローン融資や保険サービスを提供する事業です。同事業の売上高と税引前利益の推移は以下のとおりです。 

参考:DRホートン「Annual Reports」 

2024年度の売上高は8億8,000万ドル(1,320億円)で、2023年度の8億ドル(1,200億円)と比較して、8,000万ドル(120億円)増加しました。また、2024年度の税引前利益は3億1,000万ドル(465億円)で、2023年度の2億8,000万ドル(420億円)と比較して、3,000万ドル(45億円)増加しました。売上高と税引前利益が増加した要因は、住宅販売数の増加に伴う住宅ローンの成約数の増加が挙げられます。 

DRホートンは積極的な買収により成長した企業 

DRホートンは主に一戸建て住宅や集合住宅の建設・販売を行っているアメリカの企業です。1978年に設立した同社は、2002年にアメリカ最大の住宅建設企業になりました。その成長の大きな要因は同業企業を積極的に買収したことです。事業拡大を目指している経営者様は、同社の戦略を参考に同業企業の買収を検討してみてはいかがでしょうか。 

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